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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
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カヴァネスと公用語

 

ある日の朝食でお父様から家庭教師(カヴァネス)がつけられることになったと聞かされる。

今度私達が加盟している複合国家の主要都市がある王都へ行くことになったので、その為の勉強を兼ねて専属の家庭教師が付くことになった。


通常の文字や数字の勉強とは別で先生に教わることがあるらしい。


魔法の先生だったら嬉しいと思っていたが、残念ながら魔法ではなく言語の勉強や国の成り立ちの勉強らしい。

どうやら私が所属するノバアルビオンという国は大変複雑で言語や文化の違う国家が集まっているらしい。

内心、戦争とか起りやすそうなキーワードが多いんだけど大丈夫か不安になる私を見たお父様は


「まだ、アナスタシアには難しかったかもしれないね。詳しい事は先生が教えてくれるから安心するといいよ」


「ええ、素晴らしい先生よ」


とお母様もにっこりと笑顔でアナスタシアを励ます。



朝食後は馬車で移動して両親の職場である公式のお城でピピロッテ達と文字の練習をしたり、遊んで軽食を取った後、家庭教師(カヴァネス)が待つ応接室へ案内される。


明るい色の花柄の壁紙が貼られ、壁には、風景画や花の絵が飾られ、部屋全体を明るく華やかに彩っている。


部屋の中央には、白いレースのクロスがかけられた丸いテーブルがあり、その上には、銀製のティーセットと、色とりどりの花が飾られた花瓶が置かれている。テーブルの周りには、優雅な曲線を描く肘掛け椅子が並び、貴婦人が優雅に腰掛けていた。


貴婦人は笑顔で立ち上がると

「アナスタシア様、ごきげんよう。わたくし、マッケンジー伯爵家当主、ラフランの妻イシャベルと申します。マッケンジー夫人とお呼びください。本日からどうぞ宜しくお願い致します」


「マッケンジー夫人宜しくお願いします」


と私も挨拶を交わす。


「まずは席におかけになって今後のお話をいたしましょう。アナスタシア様は大人しく座ってお話が出来ると伺っておりますので、少々難しいお話も致します。わからないことがあれば質問してくださいね」


「はい、わかりました」


とアナスタシアは答える。

まぁ、中身は少々年を取っておりますのよオホホと内心思いつつ話を真面目に聞く。



マッケンジー夫人のお話を要約すると、今度列車の開通記念式典があり私の住むオルサポルタからアスポロスの王都アトレータへ家族で訪問するという。複数の元国家の各自治はそのままで集まった複合国家をノバアルビオンと呼ぶらしい。

詳しい事はまた授業で教えてくれるそうだが、その主要機関がアトレータにあるらしい。

ちなみにアスポロスはオルサポルタと言葉が違うので、今回の訪問をきっかけにして言語の勉強に取り掛かるということだ。


公用語が複数あるので覚えましょうということだ。

将来的にもアトレータの学校に進学が見込まれるので早い段階から勉強する必要がある。ということで、早くものんびり楽しい子供生活が終わってしまうかもしれない。


心の中で滂沱(ぼうだ)の涙を流しつつマッケンジー夫人の話に相槌(あいづち)を打つ。

前回の人生では幼少期から外国語を学んでいたが結局、たいして身につかず大変だった記憶が思い出される。今回はしっかりと学んでおかないと将来苦しむのが見えている。

将来的には複数の言語習得を目指すとかセレブの子供も大変だ……。とマナーや教養もここに追加されると思うと最近やっと復活した心が折れてしまいそうになる。



すわ!もの凄く昔に終わった受験戦争再びか、と慄くアナスタシア。



開通記念式典までは2日に1回の授業を行い、更に今回のアトレータ訪問にも同行してくれるマッケンジー夫人に感謝をしつつ、笑顔でアスポロス語の挨拶の練習をするスパルタな日々が始まりを告げる。




わくわくの夢と魔法のファンタジーの楽しい世界は何処(いずこ)




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