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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
15/40

夏のクレセントビーチ


マッソー貝をレストランで堪能した後はせっかくなので、海辺で遊べる場所へ行きましょうと大きな港から離れ馬車をのんびりと走らせ小一時間。


夏の太陽が燦燦(さんさん)と降り注ぎ、眩いばかりの光を放つクレセントビーチに到着した。白い砂浜は、その名の通り、大きくはないが優雅な三日月型に()を描いている。

目の前には、美しいエメラルドグリーンの海が広がり、穏やかな波が静かに打ち寄せ、ザザーン、ザザーンと心地よい調べを奏でている。


ビーチには、フリンジが付いた高級そうな白いパラソルがいくつかあり、デッキチェアに腰掛け波の音に耳を傾ける人、お気に入りの本を片手に静かにページをめくる人、美味しそうなドリンク片手に談笑する人々。それぞれの過ごし方が、穏やかな空間を創り出してる。


ビーチ沿いにはお店などもなく、美しい白浜だけがあり、夏の期間限定で軽食とドリンクをパラソルまで提供するスタッフが常駐するビジネスがある贅沢な空間が広がっていた。


誰も泳いでいないし、人もそんなに多くない。肌を露出して泳ぐ文化がないのかもしれないなと思いつつ浜辺へと足を運ぶ。


優雅に海を眺めてる人達しかいない。


サーフィンもパラセーリングもシュノーケリングもない世界。

まだ、海に入って遊ぶ事はしないんだろうな。

波打ち際で綺麗な色の貝殻を集めながら、結構海は危ないのかもしれないと考えを巡らす。


綺麗な貝殻トーナメントを行い1枚だけ厳選した物をポケットに入れ、少し遊んだあとは私達一行に準備されたパラソルとデッキチェアで寛ぎながらりんごジュースを楽しむ。



「アナスタシア様はりんごがお好きですか」


「えぇ、好きよ。とっても美味しいもの」


「では、秋になりましたらりんご狩りに連れて行ってもらうのはいかがでしょう」


「え!りんご狩りが出来るの?是非行きたいわ!前に行ったブルーベリー狩りもとても楽しかったのよ」


「そうですね、わたくしは同行出来ませんが秋には行けるよう手配致しますね」



と、気が利くコンラッドが楽しいイベントを提案してくれる。


ピピロッテも誘ったら来るかなとワクワクしながらりんごで何を作って貰うか考えながらビーチパラソルの下でりんごジュースを楽しむアナスタシア。


アップルパイでしょー。りんごのジャムでしょー。

えーと、えーっと、と食べたいものを思い浮かべるのに忙しいアナスタシアをコンラッドは優しく見守る。




りんごのおやつリストが頭の中で完成したら、心も落ち着いたアナスタシアは、海を眺めながら、お酒が飲めるようになったらここでゆっくり夕日でも眺めながら優雅に過ごしてみたいものだなと未来を想像し、フフフと少しだけ笑うのだった。


今日は初めて街、港、浜辺と巡り今後はそれぞれの地域をじっくりと探索して楽しみたいと気になったお店などを思い出しつつ、行動範囲が広がる事への嬉しさを噛みしめていると



「残念ながら夕日を眺めてからの帰宅は安全面にも問題がある為、暗くなる前に帰宅致しましょう」



とコンラッドに帰宅を促され馬車に戻る事になったが、大変充実した1日と過ごせたので、心地よい疲れも相まってそのまま深い眠りに着くことになった。


気が付けば朝になっており、いつの間にか帰宅し夕食も食べずにそのまま寝間着に着替えさせられベッドに入れられていたようだった。

お子様なので良く寝るのも仕事なのよ。と恥ずかしさを誤魔化してみた。



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