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オルサポルタから始まった  作者: 泰藤
新しい人生は突然に
13/40

屋台のお菓子 カイリーテイル


「ソナーシャ」での挨拶を終えると、馬車に揺られて中央通りを東に進み、砦を出ればその先には港へと進む道へと続くらしい。

そんな説明を聞きながら馬車の車窓から外を眺めていると、少し高級な店が多かったあたりを抜け、ほんの少し庶民的な通りへと入ったあたりから、大人も子供も楽しそうに何かを食べているのがよく見える。

人々が列をなして何かを買い求めている屋台。

勉強中の文字が書かれた看板と、香ばしい甘い香りが漂ってくる。



コンラッドに聞けば街の名物「カイリーテイル」というお菓子らしい。

冬になるともっといろいろな場所に屋台が出るらしくここ最近、人気の屋台ではあるものの、この季節は揚げ物は熱いので営業している屋台は少ないのが観光客にも人気のお菓子と教えてくれた。

カイリーという魔物の尻尾を模した形のパンのような生地を油で揚げて色々な味やトッピングをつけて販売しているらしい。是非とも食べたい!

どうしても食べたい!と窓に張り付き、涎が零れそうになっているのをコンラッドが気が付き苦笑いしつつ、途中で馬車を止めて買ってきてくれたのだった。


4歳児は欲望に忠実なのだ。決して私の食い意地が張っている訳ではないと言っておきたい。


この後の食事が待っているので一つを皆で食べやすいようにとカットしてもらってきてくれたようだ。

馬車に付き添う付き人や護衛の分も合わせて買ってきてくれたようでコンラッドは気が利く良い男である。


馬車に揺られながら一番定番商品であるらクラッシックという砂糖とシナモンらしきスパイスがかかったお菓子だ。

茶色いパン生地の揚げたての香ばしい香りが、食欲を否が応でも刺激してくる。


カイリーなる生き物の尻尾がどんな形なのか、食べやすいようにカットされてしまっているので分からないし、道行く人達の様にまるかぶり出来ないのがちょっと寂しいところではあるが早速、口へと運ぶ。


アツアツのカイリーテイルを一口頬張ると、外はサクサク、中はモチモチとした、なんとも言えない絶妙な食感が口の中に広がる。


揚げパン自体は、ほんのりとした甘さで、小麦の風味が豊か。そこに、スパイスの香りと砂糖の甘さが加わることで、シンプルながらも幸福度が爆上がりとなる味わい。


「お…おいしいよ…。おいしんだ…」


一口、また一口と食べ進めるうちに、あっという間に完食。

もっと食べようと手を伸ばすと昼食が食べられなくなると止められてしまう。


もっと食べたいよう。


「ねぇ、他にはどんな味があるの?」


「そうですね、人気はりんごを煮込んだものやベリーのジャムをトッピングしたもの、他には腸詰やミシュマッシュを挟んだ甘くないものなどでしょうか。季節や屋台によって特色を出している店もありますので様々ですね」



どれも美味しそうな響きが悔しい。ミシュマッシュって前食べた芋とチーズよね…。

ボリューム満点過ぎてお腹いっぱいになっちゃうよ。

この後は遂に港のある地域はで行って美味しいランチが待っている。



今回はこれで諦めるしかない。次回は他の味も食べたいなぁ。




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