表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

比較的最近更新した短編のまとめ場所

鍛えた悪役令嬢が、攫われかけた攻略対象を救うだけの話

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/11/03



 乙女ゲーム世界に転生した私は、悪役令嬢アメリ・キャンディだった。


 衝撃を受けた。

 受けない方がおかしい。


 自室で、高飛車我儘娘令嬢アメリ・キャンディであると知った時は。

 そのアメリの特徴である縦ロールを確認した時は。

 鏡で悪役っぽいツンとすました顔を見つめた時は。


「悪役なんていやあああああ! 誰かかわって! 無理! うけつけない!」


「こんなザ悪役みたいな顔いやああああ! もっとましな人間に転生させてよ!」


「なんでこんな目にあうのよ。んもおおおおおお!」


 と。


 思わず奇声をあげて両親や使用人に心配をかけてしまったくらいだ。


 正気をうたがわれて、三日間くらいベッドから起き上がれないようにされたくらい。


 黒歴史ね。恥ずかしい思い出だわ。







 そんな悪役令嬢アメリである私は、エンディングで断罪される存在だ。


 その後まちうけるのは、悲惨な結末ばかり。


 火あぶりの刑にされたり、谷底に突き落とされたり、モンスターの餌にされたり、そんなものばかり。


 設定段階ではもっとひどい末路があったんですって。


 ふふふ(泣)。


 だから私は、生き延びるため、断罪フラグをへし折るために、色々奔走することにしたのよ。







 ーーした、のだけど。


 なぜか、終盤で思わぬ事態が発生してしまった。


 目の前で、邪竜に連れ去られるヒロインーーではなく攻略対象を見つめて、私は思う。

 なぜ、こんな事になってしまったのだろう。


 ヒロインは無事だ。


 というか私の背後で、かばわれている。


 邪竜に連れ去られる攻略対象は、ゲーム中よりもなんだか頼りなさそうな表情をして、遠くの景色の米粒になっていった。


 原因、なんだろう?


 人死にが出ないように、イベントを先まわりしすぎたせい?


 それとも、悪役にならないように良い子ちゃんしすぎたせい?


 それとも。


 もしかしてあれだろうか。


 断罪されても死なないように、鍛えすぎたせい?







 私は、歴戦の魔法使いもびっくりの早業を披露ーー0.1秒で魔法で氷の矢を作って、邪竜へ投てき。


 スキル:ロングアイを使って、視力を良くしながら必中するように調整。


 遠くへ飛んでいた邪竜は矢を受けたのち、凍り付きながら、一撃で粉砕。


 さらわれる途中の攻略対象は、そのまま落下していった。


 このまま何もしないと、イケメンがトマト(悲惨)になってしまうため、私は次いで風魔法を発動。


 達人もびっくりな繊細なコントロールで、攻略対象をふわっと風でつかんで、こちらに引き寄せる。


 そして、腰がぬけた攻略対象を腕の中で優しく抱き留めた。


「あのー、災難でしたね。大丈夫ですか?」


 すると、攻略対象イケメンはぽっと顔を赤らめて。


「あっ、ありがとう」と恥ずかしそうに俯く。


 これ、ヒロインのポジションでは?


 背後にいたヒロインまでもがなぜか、ぽっと顔を赤らめている。


 うーん。


 やっぱりあれかな。


 できるだけ、人を危険にさらしたくないからって、私がでしゃばりすぎちゃったせいかな。


 これまでに、本来なら攻略対象達やヒロインがやるはずだったものーー戦闘イベントのいくつかは私が一人でこなしてしまったし。


「あっ、あの俺の顔になにか?」


 おっといけない。


 考え事に夢中になるあまり、腕の中にいるイケメンをガン見しすぎた。


 適当な事を言ってごまかそう。


「いや、あまりにも腕の中にいる貴方が可愛らしくて、愛おしすぎて思わず見つめてしまいました」

「愛おしいだなんて。きゃっ」


「きゃっ」って、そのセリフはどうなの? 攻略対象として。


 でもまあ、誤魔化せたからいっか。


 なんてやりとりをしていると、背後にいたヒロインが「ずるいです!」と抗議。


「私だってお姫様だっこしてもらいたいのに!」


 なんて言ってくる。


 いやいや、そんなにいいものじゃないよ。


 男としてのプライドきっと粉々になってるよ。


 憧れるような物じゃないと思うんだけどね。


 でも、ヒロインはなぜか私の腕の中の攻略対象とにらみ合い。


「負けませんからねっ」なんて言い放っている。


 あれーなんか前世でこんなシチュエーション、どっかで見た気がするな。


 正確に言うと、少年漫画とかで。


 いやいや、まさか。


 あんなことが悪役である私の身の回りで起きるはずないって。


 とりあえず、粉砕した邪竜焼却しておかなくちゃ。


 死体が腐ると疫病の元になるかもしれないし。


 めんどくさい事、色々考えなきゃいけない気がしたけど。


 そう言うのは全部鍛える時にやりすぎて疲れてしまったので、もう思考を停止する事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ