75:大切にしてくださっているo(⁎˃ᴗ˂⁎)o
「これはいい色だ。これならリラがくれた、このルビーの薔薇ともあう」
ルビーの薔薇……?
そこで私は、ブーケのリボンにつけたルビーの薔薇のことを思い出します。そして見つけました。クロード様がつけているアイアンブルーのタイにとめられている、ルビーの薔薇を!
「このアスコットタイも大切にする」
「クロード様、ルビーの薔薇、使っていただけていたのですね」
「もちろん。普段の隊服の時にもつけている。ヘクトルやロジェにからかわれているが」
そこまで気に入っていただけなんて……!
一目惚れして選んだ甲斐がありました。
思わず笑顔になる私に、クロード様は優しく語りかけます。
「実はブーケのリボン。リラは僕のイニシャルを刺繍してくれていた。あれをアンヌに頼んで略綬のようにしてもらった。さすがに公式行事ではつけられないが、訓練中につけていたら……こちらも散々からかわれたよ」
「お待たせいたしました。牛フィレ肉のポワレです」
お肉料理が運ばれてきました。
ナイフを使い、お肉を切りながら、会話が続きます。
「リラは刺繍も得意だが、飾り文字も作れるのかと感心したよ。月をモチーフにしたCの文字。その周囲の星のイメージ。芸術作品のように美しい出来だった」
「そんな風に言っていただけると光栄です。飾り文字は昨年、美術の授業で習ったので」
「美術の授業……か。そうだな。リラはまだ学生だ」
クロード様はお肉を口に運び、ランタンの明かりをじっと眺めます。
少しずつ夜の空の割合が増えてきた中、淡い光に照らされるクロード様は、彫像のような美しさです。
「リラ……君はまだ17歳で、8月に18歳か。……若いな」
クロード様はため息をつき、レモン水のグラスに手を伸ばしました。そのグラスを持つ手は、ワインを飲むような気軽さで、クロード様が大人な男性に思えます。
「僕はこの春、24歳になった。リラからしたら、僕は年上過ぎるだろうか?」
今まさに、大人な男性と思っていました。そんな風に尋ねられ、ビックリしてしまいます。年上過ぎるか……。6歳の年の差。確かに上ではありますが、上過ぎるかと言われますと……。
「難しい質問ですね。私はまだ学生。でもクロード様は、剣の騎士団の団長をされています。年齢というより身分的に……。学生の私からしますと、騎士団の団長というのは、雲の上の方というか、近寄りがたいというか……」
「!? そ、そうか……。そこが……。いや、そうか……」
クロード様は、しばらく考え込んだ後、懸命な表情で私を見ると……。
「リラ。確かに僕は騎士団の団長だ。だが、団長である以前に一人の人間。そこはリラと変わりはない。同じ人間だ。そうだろう?」
「は、はい。そうですね」
返事をして、パクリとお肉を頬張る私を見たクロード様は。とても安心した顔になり、ご自身もお肉を口にされます。そしてすぐにまた、口を開かれました。
「年齢については、年上過ぎると感じない……ということで、いいのだろうか?」
「そう……ですね。クロード様は大人の男性に見えますが、そこで年齢がものすごく離れていると感じることは……ないですね。むしろクロード様の笑顔は少年みたいで……その、言い方が不適切かもしれません。でも可愛らしいかと」
切り分けたお肉をフォークに刺したまま、クロード様の顔が、みるみる間に赤くなります。はにかむような笑顔になったクロード様は……。
「そ、そうか。そう言われると安心できる」
クロード様は……ご自身が周囲からどのように見られているのか、それが気になっているのでしょうか……? きっとそうなのでしょうね。
「クロード様は、年齢のことを気にされているようですね。でも見た目は若々しく、20歳ぐらいに見えると思います。むしろ私なんて……。年齢は17歳なのに、15歳ぐらい見えると言われ、困っているぐらいです」
「それは……! それは困るな」
「え!?」
ど、どうして私が実年齢よりも下に見られることに、クロード様が困るのでしょうか……?
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今晩、もう1話公開します!
22時台に公開します。
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