48:驚くほど変わりました‥・*・‥
この日は私にとって、不思議な一日でした。
いつも最後尾の窓際の席で、背景として溶け込み、ひたすら目立たないように過ごしてきたのに。休み時間の度に、悪役令嬢さんに声をかけられたり、ジョフリーさんに声をかけられたり。ロマンに声をかけられるのは、たまにあることなのでまだしも、王太子様にまで声をかけられると、本当に驚いてしまいます。
お昼は、いつも校内のカフェテリアの、目立たない端の席で食べていたのですが。そこに悪役令嬢さんと王太子様がやってきて……。まさか三人でお昼を食べることになると思わず、本当にビックリしてしまいます。カフェテリアの端の、目立たない席だったはずなのに。気づくとロマンとジョフリーさんまでやってきました。とてもにぎやかで、楽しいお昼休憩の時間になっています。
屋敷へと帰宅した後は、宿題の前にまず、手紙を読ませていただきました。悪役令嬢さんの弟さんからの手紙です。その手紙には、大変美しい文字で、私への感謝の気持ちが綴られていました。さらに今、騎士見習いとしてどんな訓練をしているのか、目指している騎士が誰であるか(クロード様でした)など、読んでいると微笑ましい気持ちになります。
これからも季節の挨拶など、たまに手紙を送りたいと書かれていたので、私は返事の手紙を書くことにしました。
まずはあの騒動のふりかえり。お互いが無事であったことを喜ぶ言葉。そして一日も早く、一人前の騎士になれるよう応援していること。さらにこれからも、季節の手紙のやりとりをすることに問題はないと書きました。
弟が二人いるのですが、さらにもう一人増えたようで、なんだか温かい気持ちになります。その気持ちのまま、宿題を片付け、もう一通の手紙に取り掛かりました。そう、クロード様の手紙の返信です。
今朝、思いがけず会うことができたクロード様は。
カードを添え、またも美しいお花を贈ってくださっていました。帰宅すると、美しいお花が届いている。これほど嬉しいことはありません。しかも贈り主はあのクロード様なのですから。
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Dear リラ
今朝は、君の元気な笑顔を見られて安心した。
だが、馬車の中で君の話を聞いて驚いた。
金貨を巡り、あんなことがあったとは。
その身に何もなくてよかった。
とても怖い思いをしたのに、よく頑張ったね。
でも今後は、くれぐれも無理はしないように。
可能な限り、君を守りたいと思う。
Best regards クロード
*。゜+◆.+゜*。+◇.+゜*。゜+◆.+゜*。+◇.+゜*
カードに書かれた短いメッセージでしたが、クロード様の優しさが伝わってきます。思わず笑顔になりながら、クロード様に手紙を書きました。
◇
王太子様の馬車で学校に登校した日から。
私を取り巻く環境が、驚くほど変わりました。
クラスメイトになった悪役令嬢さんは、当たり前のように、毎日私に声をかけ、お昼にも誘ってくださります。気づくとそこには、王太子様、悪役令嬢さん、ロマン、ジョフリーさんもいて、そこに私を加えた5人がいる――それが当然になっていました。
クロード様からは、毎日のように花束とカードが届きます。おかげでクロード様へ手紙を書くことが、宿題と共に毎日の日課になりました。夕食会の招待の日も、決まっています。来週の土曜日です。今週末の日曜日は、クロード様に御礼でプレゼントするアスコットタイを買いに行くつもりなのですが……。
なんといつもの仲間が、付き合ってくれることになりました。男子3名の意見を聞きながら、選ぶことができる――これは失敗がなさそうで、心強く感じます。
ちなみにクラス替えになったヒロインさんは、何度か教室をのぞきに来ていましたが……。悪役令嬢さんの姿を見ると、すぐにどこかへ行ってしまいます。これでヒロインさんが、王太子様をあきらめてくれたら。
そう思わずには、いられません。
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