43:まさか全部がプレゼント……!?
落ち着かないまま、でもバトラーに言われ、ひとまずリビングルームのソファに両親が腰をおろしたところ。リッシュモン家――クロード様からの使いが来て、怪我の具合――1週間程度で治ることが、伝えられました。そこでようやく両親は、安堵できたそうです。そこに再び剣の騎士団の騎士様が来て、今回の事件の犯人や目的などを報告してくれました。すると今度は、バティア公爵家の使いがやってきます。
バティア公爵家の使いは、私のおかげで、リビオ様が怪我もせず、さらわれずに済んだことへの感謝を述べます。さらに沢山の御礼の品を届けてくれました。まずは私のドレスがボロボロになったことへのお詫びです。ドレスを新たに仕立て直せるよう、シルクの布、宝石、毛皮を贈ってくださいました。加えてワイン、お菓子、フルーツなどが、心配をかけた家族へのお見舞いとして、ケース単位で運び込まれます。
それだけでも驚きだったのに。
続いて王室の馬車が到着し、今度は王太子様からということで、医薬品、お見舞いの花束、お菓子が差し入れられました。お菓子は王室御用達のもの。伯爵家であっても、めったに食べられないものです。花束の花は、なんと王宮の庭園に咲いているもの。これまた普通では手に入ることがない、珍しい花ばかりです。医薬品についても、王族が使う薬品や薬が含まれており、使うのが恐れ多いという状態。
お父様は、バティア公爵様と王太子様に、慌てて御礼の手紙をしたためます。お母様は、バトラーと一緒に、贈り物の対応に大わらわです。
さらに訪問者が来ました。
それはリシス商会の方です。従業員がご迷惑をおかけし、申し訳ないということで、謝罪に来ていました。お見舞いの品として、花束、輸入菓子、香水、そして洋酒を届け、帰っていったとのこと。
加えて、デュ・プレシ公爵家の使いも来て、お詫びの手紙、綿の生地やお菓子などを届けたというのですが……。お父様は、綿の生地は雑巾に、お菓子は家畜の餌にすると宣言し、お母様やバトラーが必死に止めたとか。そうこうしているうちに、私が帰ってきたということです。
「まったく。デュ・プレシ公爵家といえば、かつての名門だったのに。商人上がりが、その名に泥を塗るようなことをしおって」
話しているうちに、お父様が興奮してきました。デュ・プレシ公爵家の使いの者が来た時のことを、思い出したようです。召使い総出で、落ち着かせました。
何はともあれ、無事に私は屋敷に帰還。そのためこの日の夕食は、予定通りクロード様の優勝、私の帰宅を祝うものとなりました。お父様は、悪役令嬢さんのお家からいただいた極上ワインを飲み、すっかりご機嫌です。用意された料理はどれも美味しく、あの恐ろしい出来事は、すっかり過去の出来事に思えていました。
夕食が終わるまで、アンヌさんが着せてくれたドレスでいたのですが……。さすがに寝る準備をしなければいけません。ココに手伝ってもらい、ドレスを脱ぐことにしました。
「リラ様、こちらのドレス、とても気に入られたようですね。確かにお似合いですから。お気持ちはよく分かります。でもアクセサリーも含め、すべてプレゼントしてくださるなんて。クロード様は気前がいいですね。いえ、リラ様だからこそ、そうしてくださったのだと思いますけど」
「え、それはどういうこと!?」
てっきりすべてお借りしているもので、お返しするつもりでいたのですが。まさか全部がプレゼント……!? ペンダント、イヤリング、髪留めには宝石のペリドットが使われています。その金額は、とんでもない額のはずです。こんなものを簡単に、いただくわけにはいきません。それにドレスは、妹さんのもののはず。
そう思い、ココに尋ねると……。
今日は夜にもう1話公開します!
20時台に公開します。
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いつもとは違う時間です。
【お知らせ】
★Episode2 本日12時台 にも更新★
『悪役令嬢完璧回避プランのはずが
色々設定が違ってきています』
https://ncode.syosetu.com/n6044ia/
秀麗な表紙絵も登場!
ぜひ遊びに来てください~♡