19:トリコロール剣術祭†
まずは国王陛下が、剣術祭の開催を、喜ぶお気持ちを述べられます。それが終わると、軽やかな音楽にあわせ、青・赤・白のそれぞれのチームの騎士が、騎乗で広場に入場です。観客はそれを、拍手と声援で迎えます。国家の斉唱が終わると、一組目の剣術披露の始まりです。
剣術披露では、対戦相手と剣で戦います。その際、定められた技を披露することが求められるのです。その技を披露しつつ、勝利を争うのですが……。例え勝利しても、定められた技が披露できていないと、減点となってしまいます。最終的に、高ポイントの方が勝利という扱い。降参をして負けていたとしても、ポイント数で逆転することもあるのです。
ただ、剣術の詳しいことなんて、庶民はもちろん、貴族の令嬢も、さっぱり分かりません。ゆえにとにかく相手を降参させたら、拍手喝采。ポイント数で逆転があると、ブーイング……これは一般観覧席で発生します。そうなることが分かるので、騎士の皆様は、降参からの逆転にならないよう、必死にストレート勝ちを目指すのです。
個人戦は、トーナメント方式。勝利した方が次の対戦に進みます。最終的に、一人の優勝者が決定です。チーム戦は、各個人が所属するチームカラーに、勝利するごとにポイントを加算。最終的に、獲得ポイント数が多いチームが優勝――ということになっています。
会場に設営されているトーナメント表で、お目当ての騎士がいつ出場するか、確認することが可能です。確認できると、主に女性の皆様は、おしゃべりに興じます。会場内外で販売されている、軽食やお菓子を手に入れて。一方の男性は、真剣そのもので、すべての試合を見守るのです。一般観覧席や特別席はこんな感じですが、ロイヤルボックスと貴賓席は違います。
ロイヤルボックスと貴賓席の観覧者は、すべての剣術披露を見る前提です。ロイヤルボックスの皆さまが、観覧に集中する必要があるのは……立場上、仕方ないと思います。貴賓席の女性が、すべての剣術披露を目にするのは……出場している騎士の関係者という立場上、必要なことでしょう。
もちろんお手洗いに行くことはできます。ただ、軽食やお菓子を買いに行くことはできません。代わりにお菓子や飲み物を、給仕の係の方が届けてくださいます。この時、提供されるのは、ロイヤルボックスの皆さまと同じもの。王族御用達のお菓子をいただけるので、とってもラッキーです!
このお菓子や飲み物を食べる時は、ロイヤルボックスの皆さんも、多少会話をされますが……。それ以外はおしゃべりもなく、剣術披露に集中です。ヒロインさんは、王太子様の隣の席を狙っていました。でもこの様子ですと、例え隣の席に座れても……会話はほとんど、できなかったと思います。
出場する騎士は、各チーム10名、合計30名です。クロード様は10組目の出場。一つの剣術披露が3分、ブーケの投げ入れ、回収に約5分なので、約1時間半後にクロード様は登場です。
7組目の剣術披露が終わった時、ジュニアの部による剣術演舞が行われました。音楽にあわせ、剣を使った演舞を披露するのは、まだ騎士見習いになったばかりの、12~14歳の少年達。これは男女問わずに人気のようで、ジュニアの部による剣術演舞がアナウンスされると……。それまで動き回っていた女性達も、着席しました。
音楽にあわせ、少年たちが入場すると拍手喝采です。
悪役令嬢さんは、弟さんがこの剣術演舞に出ると言っていました。夢キスにおいて、悪役令嬢さんの家族の情報は、文字のみ。弟さんの容姿は分かりません。でも悪役令嬢さんに似ているなら……間違いなく美少年です。カバンからオペラグラスを取り出し、少年の顔を一人ずつ見ていきます。
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