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7.エルフの幼女 その1

キュウは精霊だが人間の姿になることもできるようだ。

頭に狐耳がついた少年の姿になった。


「かわいいーーーー!」


目がハートになっているリリスはもうキュウにぞっこんの様子。


「この姿ではあまり長くはいられないけどね」


「いいのよ。あなたは存在が神よ!推しよ!!萌えるわ!!!」


そういえばルーパーも推しとかいってたっけ。

リリスも感化されているようだった。


もしかすると俺達は何か通じ合えるものがあるのかもしれない。


「トオル、ちょっと」


さっきまでの推しに抱きついての至福の表情から一変。

こっちに振り返る間に感情を記憶の彼方に置いてきたのだろうか?

いつもの俺用の冷ややかな表情に戻っていた。


どうやら通じ合うものはなさそうである。

我ながら淡い期待であった。


「そういえば昨日なんだけど、誰かに尾けられていた気がするの」


隣町からキュウを連れ帰ってきた昨日から不穏な気配を感じていたようである。


「まぁでも、あんたが狙われていることは100%ないでしょうから、可愛いあたしが狙われているんだと思うわ。命を捨てて護衛しなさいよね!」


「命を懸けてだろ!そんな簡単に拾った俺の命を捨てるな」


朝っぱらからこんなやり取りを交わした本日、俺達は神殿と昨日達成した依頼の報奨金をもらうために冒険者ギルドへ行く予定である。

ちなみに、昨日パーティを組んだカイロとは隣町で分かれて、カイロは放心状態でどこか別の町に向かっていった。


そして、俺達が宿舎を出て目的地に向かっている途中。


「さっきの話だけど、近づいてきてるみたい。100メートル、50メートル。どんどん近づいてきているわ」


俺には何も感じないんだが、リリスがそういうので後ろを振り返って確認してみた。


えぇーっと・・・あれは・・・


こういう時って振り返っても何も見つからないのが定番なのではないだろうか。


道端の茂みから黒い細長いしっぽらしきものがはみでている。

それは風に反応するように左右にくねくねとゆれている。

俺達はそれを少し泳がせてみることにしたけど、振り返る度にはみ出したしっぽがみえた。


「いらいらするわね。もう!出てきなさい!!」


反応が分かるくらいにしっぽはびくっと動いた。


「あなた、さっきから頭隠してしっぽ隠さずよ!!」


ぴょん!


しっぽが直立したかと思えば、


「お主、なかなかやるのじゃ!」


と言いながらその正体を表した。

耳が尖り、黒いしっぽが生えている幼い少女であった。


「この隠れみの術を破るとは、お主褒めてやるぞ!」


「それもう二度と使わないほうがいいわよ!」


どうやらこの幼女には愛想を振りまくメリットがないと判断したようだ。

まぁまぁとなだめかせて、


「君は?どうして俺達を尾けていたの?」


リリスの肩元で精霊モードに戻ったキュウも目をぱちくりさせていた。

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