ちょっと昔の小さくて壮絶な忍者たちの物語
「忍者」──。
それは今よりも昔のお話。
大名や領主に仕え、主に隠密な行動をする者たち。
伊賀や甲賀などは徳川家に仕え、その中でも「服部半蔵」などが有名である。
しかし、全ての忍者がそうとは限らない。
どこにも仕えず己の目的のために行動し、普通の忍者とは少しかけ離れ、変わった忍術を使う忍者たちがいた。
「獣流忍者」
自然の生き物たちと分かち合うことでその力を借り、戦いに活かす忍者。
他の流派に比べ圧倒的に数が少なく、後継者がいないため世間では滅びたとまで噂された。
しかし、そんな獣流忍者にも生き残りがいた。
ネコ科の動物たちの力を借りた術を扱う「星野日丸」。
イヌ科の動物たちの力を借りた術を扱う「星野月丸」。
彼らは双子の兄弟でそれぞれ別々の師範代により獣流忍者へと育てられた。
そんな彼らの父親も元々忍者であったが、ある忍者の手によって命を落とした。
その忍者とは、水流忍者で毒を扱うのを得意とする「川之鎌ゲコ蔵」。
水を操る忍術に合わせ、毒を使った戦術が得意であり、主に鎖鎌を武器として扱う忍者。
二人は父親の仇を取るため、戦うことを決意する。
この物語は大きな歴史の片隅でこっそり起こっていた忍者たちのお話である。