第8話 名前の無い少女
一部文字化けは仕様です。
目の前に広がる白い世界で大きな布切れを纏った何かがいた。
「縲後d縺」縺ィ莨壹∴縺セ縺励◆縲」
そいつは僕に対して語りかけて来るのだが何を言っているのか一切理解が出来なかった。
ただ、それは凄く悲しそうに僕を見つめていた。
「…い!!しっ…りしろ!!」
「良かった!生きてた!」
誰かの声で目を開けると涙を浮かべ真っ赤な顔をしたナカちゃんが僕を見つめていた。
「あれ…?あの大きい鯨みたいな奴は?」
「覚えてないのか!?」
ナカちゃんが言うには僕が二人を突き飛ばし飲まれた数秒後に敵は内側から不可解な大爆発を起こした。
そして死んでしまったと思われた僕は数時間後に肉片の中から発見されたらしい。
ショウコさんは、ずっと黙っているし
ナカちゃんはワンワン泣きながら僕を揉みくちゃにするし状況が分からなかった。
それからまた数日が経ち泊地は先日の修繕に追われている。
僕はあの時の事をあまりよく覚えていない。
ただ、あの時、確かに僕は一度死んだのだ。
大きな歯に体が押し潰される感覚を記憶は無くとも体が覚えていた。
でも、不思議な事に体には全く傷跡は無く
一応、医師の診察も受けたのだが特に問題は無かった。
((蛙の診察の経験など無いぞ!と医者に神妙な顔をされたのは内緒))
「少し昔の話を聞いてくれないか?」
屋上から眼下で進む泊地の修繕作業を見つめる僕の背後で声がした。
振り返ると声の主はショウコさんだった。
ショウコさんは僕の返答を聞く前に語りだした。
今からちょうど約十年程前に海岸である少女に出会った。
「どこから来たのか?親はどうしたのか?」
何を聞いても彼女は口を開く事無く、ただ彼女の顔をじっと見つめていたそうだ。
その少女にショウコさんは昔の自分を重ねたという。
奴らの襲撃により家族が目の前で肉片になり恋人は自分を逃がす為に盾となった。
弱い自分が憎くて悔しくて、そこから必死に努力して這い上がった。
物言わぬボロボロの少女の目にショウコさんは闘志を見たのだという。
話の中の少女はきっとナカちゃんの事なのだろう。
でも、どうしてその話を自分にするのか?と僕が口を開く前にショウコさんは思いもよらない一言を発した。
「お前、ここの提督にならないか?」
ショウコさんは僕の目を見て言った。