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愚かなる人類

ちょっと長めな説明回。

かつて、世界は希望に満ちていた。


魔物たちと生存圏を争いながらも、様々な技術を駆使することで人間側が優位に立っていた。


数々の強敵を打ち倒し、次第に人々は『人間こそがこの世界の支配者である』と考える様になっていった。


そんな傲慢な考え方が日常となる頃、人々はとある地下洞窟を発見した。


そこは、今までに感じたことがない程の魔素に満ちた場所だった。


魔物は魔素を取り込み強化される為、発見された地下洞窟の攻略は世界共通の急務事項とされた。


世界各地から送り込まれる精鋭たちの侵攻は凄まじく、地下洞窟は瞬く間に攻略されていった。


攻略の最新情報が流れるたびに、世界中が歓声に包まれた。


たが、この快進撃が後に大きな禍を呼ぶと言うことを、その時の人々は知る由もなかった。


数年の攻略を経て精鋭たちがたどり着いた地下洞窟の最奥には、魔物たちの頂点に君臨するドラゴンがいたと言う。


見上げるばかりの巨体に、内包される魔素の異常な濃度を感じた精鋭たちは、ドラゴンの討伐を決めた。


そして始まったドラゴンとの戦いは、壮絶を極めた。


ドラゴンの頑丈な肉体はどんな物理攻撃も受け付けず、輝く鱗がことごとく魔法攻撃を弾いた。


巨大な尾の一振りで薙ぎ払われ、鋭利な牙や爪が防御を砕き、様々なブレスが広範囲に放たれ周囲は地獄と化した。


あまりの惨劇に、人々は自分たちが何に手を出してしまったのかを理解し、このまま世界は滅ぶのだろうと絶望した。


世界を崩壊させるほどの戦いは、しかし、人々の予想を裏切り、唐突に終わりを迎えた。


それは、誰が放ったものかは分からないが、誰かの放った一本の矢がドラゴンの喉元を貫いた。


よく見ると、矢が刺さっているのは一枚だけ色の違う鱗だった。


だが、その一本の矢がもたらした変化は劇的だった。


色の違う鱗を貫かれたドラゴンは、今までの脅威が嘘の様になりを潜め、攻撃が通る様になったのだ。


そこから人々の猛攻が始まり、ついにドラゴンは倒された。


人々は喜びに沸いたが、その喜びも長くは続かなかった。


ドラゴンの体内に溜め込まれた魔素が、世界を覆ったのだった。


その濃度は、世界中を巡ってもなお濃く、魔物たちを凶悪に染めていった。


そうして、人々はようやく理解した。


ドラゴンとは、濃すぎる魔素を体内に留めるための世界のセーフティー・タンクだったのだと。


そうして、世界に、いつ明けるとも知れない暗黒時代が訪れた。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


濃過ぎる魔素の影響で魔物の上位化が進み、中には王級の魔物が統率する集団も数多く現れた。


そんな魔物同士の勢力圏争いなども起こり、それに巻き込まれる様な形で、人々の生活圏は徐々に縮小されていった。


安全な土地が減り、物流も滞り、魔物の脅威に日夜怯え続ける人々は、希望もなく、滅びを待つばかりであった。


しかし、世界が高濃度の魔素に侵されてから1000年の時が過ぎる頃、奇跡は起きた。


ある朝、人々が目覚めると、あれほど濃く漂っていた空気中の魔素が幻のように消え失せていたのだ。


まるで世界が生まれ変わった様であったと当時のことを語る文献には記されていた。


変質した魔物が元に戻ることはなかったが増えることも無くなり、少しずつではあるが下級の魔物の姿が見られる様になった。


時間の流れと共に、人々は着実に勢力圏を取り戻していった。


そうして世界が希望を胸にいだき歩き始める中、誰かが言った。


「竜王の逆鱗に触れてはならない。触れたが最後、世界は再び絶望に包まれるだろう」

『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に変えてくれても、、、良いんですよ?(。・ω・。)

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