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第五話 それぞれの誇り

『読み応えがほしい』という意見をいただいたのでボリュームを倍増……のはずが約三倍になってしまいました。(当社比)


「ヴィルいないわね。」


「どこに行ったんでしょう?」


キティとカーティスはとりあえずヴィルがいるであろう『チャンセラーズヴィル』に転移したのだがヴィルの部屋を訪ねてもいなかったのだ。


「カーティス心当たりはある?」


「残念ながら……私もヴィルさんとあまり合わないので。」


「そう……仕方ないから別の場所を探しましょう。」


「そうですね、では次は……」


「カーティス!!」


カーティスが次にどこに行くか話そうとしたとき一人の少女が現れた。


「ヴィル……さん。」


キティはカーティスが振り向いた先を見ると一人の少女がいた。見た目カーティスより少し年上くらいだろうかと思われブロンドに若干灰色の混ざった腰まで届く髪を首の後ろで二つにまとめており灰色の瞳が印象的だ。


「貴様!またそんな恰好をしてどういうつもりだ!」


「ちょっと待って!」


カーティスに食いかかるヴィルをキティは止めた。


「あんたはたしか……。」


「先日、ここに配備されたキティホークです。」


「なぜ、そのあんたがここに?」


ヴィルは上官であるキティに遠慮もなく話しかけるがキティは気にしなかった。


「今日の歓迎会なんだけど海上自衛隊の子を何人か参加させてほしいの。」


「なんであんな奴らを参加させなきゃないんだよ。あいつらは所詮俺たちの傀儡だろ。」


「ヴィル!あなたなんてことを……。」


「第一、気に食わないんだよ!なんであんな連中に俺たちと同じ『イージス』をやつらが、俺たちの国に負けたやつらが持っているんだよ!」


ヴィルには世界最強の盾といわれるイージスシステムを持っていることに誇りがあった。しかし、祖国は敗戦国である日本にその最強の盾を渡してしまったことが許せなかったのである。


「所詮、いざという時に何もできない、国を守る気がないようなやつが持つこと自体間違っているんだよ。あの根性無しのやつらに持たせることが!」


「あなたいい加減に……」


パァァン!!


キティが声を荒げようとしたのを遮ったヴィルの頬をたたく小気味好い音……


「ヴィルさん!いい加減なことを言わないでください!」


ヴィルの頬を打ったのはカーティスだった。


「彼女たちは本気で日本を守ろうとしています。そのような人たちを根性無しとはいわないでください!」


「貴様!」


カーティスに掴みかかるヴィル。


「俺たちの国に負けた奴らに何ができる!奴らに『イージス』は使いこなせない!」


「『きりしま』さんたちは立派な方です!彼女たちならできます!」


「何を根拠に……カーティス、『ミストアイランド』にそのかされやがって!」


「彼女には『きりしま』という誇り高い名前があります!その名に負けないように頑張る彼女たちを見たことのないあなたに言われたくありません!」


「そんなことで……」


ヴィルが拳を振り上げたその時……


「二人ともいい加減にしなさい!!」


キティの怒号にヴィルは動きを止めキティの様子を見るとカーティスを放した。ちょうどその時この騒ぎを聞きつけたのか何人かに艦魂とともにブルーが来た。


「キティ司令、何があったのだ?」


「ヴィルに今夜の歓迎会に自衛隊の子を連れてきてもいいか聞きに来たらこうなってしまったの。私の判断ミスよ、ごめんなさい。」


「……。」


「ブルー!こいつの言うことなんか聞くな!」


ブルーは、はっきり言って悩んでしまった。昨日の件でブルーはかなり堪えていた本音としてはヴィルと同じように自衛隊の艦魂には来てほしくないが、キティの歓迎会である以上彼女が望むならそうしたほうがいいのだろうと……そんなときある一言で場の雰囲気が変わった。


「総司令、私とヴィルさんに勝負をさせてください。」


「それは……」


「ここで白黒はっきりさせないと今後もこうなる可能性がります。」


「俺は構わないぜ、その腐れ切ったおまえの精神をとことんつぶしてやる。」


「……仕方ない許可しよう。」


ブルーは迷ったが今後もこのようなことがあってはいざという時に困るので白黒はっきりつけたほうがいいと思ったのだ。


「場所は……。」


「私の艦首側飛行甲板よ。」


「キティ司令!」


キティの発言に驚くブルー


「あそこは広いからちょうどいいと思うし、こうなったのは私のせいでもあるから……」


「……わかりました、キティ司令が言うのならそうしよう。時間は1000時からということでいいな、二人とも?」


「はい。」


「おうよ。」


ブルーは確認するとそのまま去って行った。


「ありがとうブルー。」




午前10時

キティホーク艦首側甲板

勝負の話を聞きつけたのか何人かの艦魂が集まっていた。


「見世物じゃないんだけど……。」


「そう怒るなよ、キティ。」


「あなたもよジャック。なんであなたがここにいるのよ。」


「小耳にはさんだだけさ。」


ジャックはどこで聞いたのかは知らないが艦魂同士の勝負を見に来たのだ。

キティが呆れていると二人が姿を現した。

ヴィルは動きやすいようズボンにタンクトップの姿だったがカーティスは今朝キティが見た時と同じ道着に袴の姿だった。


「貴様なめているのか!」


怒鳴るヴィルだがカーティスは冷静に答えた。


「なめてなどいません。あなたは第七艦隊屈指の実力者である以上、全力で行かせていただきます。」


「ではその格好はどういうつもりだ!」


「これはヴィルさんあなたへの戒めです。」


「なにっ?」


「あなたが馬鹿にした彼女たちの思いを込めて戦います。これで彼女たちのことを認めてください。」


静かに告げるカーティスにヴィルは答えた。


「いいだろう、だが勝てたらな。」


キティが前に出る。


「今回の勝負、このキティホークが見届けます。ルールは制限時間なし、相手に一撃を入れた時点で終了です。カーティス・ウィルバーが勝った場合これ以降の自衛隊艦に対する態度を改めること。チャンセラーズヴィルが勝った場合カーティスが個人的に自衛艦隊に会うのを禁止する。ということでいいですね。」


「はい。」


「あいよ。」


カーティスは刀を顕現させヴィルは槍を顕現させた。


「では、はじめてください。」


そういうとキティは手を振り上げた。


「うおおおおおお!」


最初に動いたのはヴィルで彼女は槍を構えると一気にカーティスに迫った。しかし、その獲物は空を切った。


「ちぃぃ!」


ヴィルが振り返るとそこには抜刀の体制に入ったカーティスがいた。


「はっ!」


カーティスが刀を振るうが一瞬遅くヴィルは間合いの外に出ていた。あまりの気迫に皆が一息ついた瞬間金属同士がぶつかる音が連続して起こった。

飛び散る火花、空を切り光る刃先、その様子はあまりに恐ろしくあまりにも綺麗だった。


「すごいなこりゃ……。」


ジャックが思わずそうつぶやいてしまうほど勝負は接戦でつかず離れずの攻防が1時間は続いている、せいぜい衣服の端などに当たるだけで双方決め手の一撃がないのだ。


「キティどう思う?」


「互いに限界が近いと思うからおそらく……」


キティがそう話していると攻防の様子は変わった。


「止まった。」


ジャックが言ったように双方が止まったのである。ヴィルは槍を構え振りおろせば確実にカーティスを仕留められる状況に、またカーティスも再び抜刀の構えでヴィルを仕留められる状況だった。

当の本人たちはこの状況にもかかわらず冷静だった。


「(このまま振りおろすよりこいつのほうが早く俺を仕留める……が)」


「(防御されればこちらがやられてしまいますか。)」


ヴィルとカーティスが止まっている間どれほどの時が流れたか分からないが今まで少しだけ吹いていた風が急に風がやんだ、そして……


ガキィィィィン!!


金属がぶつかり合う音、カーティスの抜刀をヴィルが防いだ。

つまりヴィルが勝ったのだ。



しかし……



「こいつ……やってくれたな。」


ヴィルが受け止めた刀、それは『鞘』付きだった。


「はあああああああ!」


カーティスは気合とともに鞘から刀を抜き峰をヴィルの肩にたたきつけた。


「勝者、カーティス・ウィルバー!」


キティがそう告げた瞬間、他の艦魂たちからどよめきが起きた、第七艦隊屈指の実力を持つヴィルが負けたのだから仕方ないだろう。

そんな中、キティはカーティスに駆け寄った。


「大丈夫だった?」


「ええ、何とか……」


「カーティス!」


突然倒れるカーティス、キティが受け止めようとするが間に合わない!と思った瞬間ジャックが何とか受け止めた。


「ありがとうございます。ジャックさん。」


「気にするな。」


「とりあえず休ませないと……」


「ちょっと待ちな。」


キティがカーティスを自分の部屋につれていこうとすると叩かれた肩を抑えながらヴィルが話しかけてきた。


「カーティス、なぜあいつらのために俺と勝負しようと思った?」


その質問に対しカーティスは微笑みながら答えた。


「彼女たちの誇りと、私の誇りが同じだったから、でしょうか……。」


「どういうことだ?」


「私は『イージス』を持っていることでアメリカを守っているという誇りを持っています。ヴィルさんあなたもそうではないのですか?」


「まぁ……そうだな。」


「彼女たちも同じ思いです。『イージス』を使い、何としてでもこの国を守ると……」


一息つくカーティスをその場のだれもが見守った。


「結局、みんな思っていることは同じなんです。『祖国を守りたい』という気持ちは……」


「けっ……その気持ちに負けたのか俺は……」


「ヴィルさん?」


「ルールは、ルールだ負けた以上何も言わない、だが俺はまだあいつらを信用はしないからなそれだけは覚えとけ。」


そういうとヴィルは転移した。


「カーティス、休みなさい。後で『きりしま』さんたち迎えに行くんでしょ?」


「はい……なんか変ですね側近なのにキティ司令に世話を駆けさせてしまって。」


するとキティは首を振り言った


「気にしないであなたはよく頑張ったから。」


「そうですか……」


それだけ言うとカーティスはまぶたを閉じた。そしてすぐに規則正しい寝息が聞こえ始めた。


「悪いけどジャック、カーティスを私のベットまで運んでくれる?」


「ああ、だけど後でご褒美くれよ。」


「何?」


「お前のくち……」


ジャックは見たキティのその笑顔に隠された形相と後ろからどす黒いオーラが出ているのを。


「……やっぱりいいです。」


「よろしい。」


キティは笑顔でそういうとカーティスを抱えたジャックとともに自室へ向かうのであった。


第五回 後書き大会!(大会じゃ無いじゃん!)

キティ「今回は五回目ですが……作者さんは?」


カーティス「総司令と『しらね』さんに連れていかれました。」


キティ「きっと……」


???「あんなヘボ作者はほっとけ!」


カーティス「ヴィルさんそれは言いすぎです。」


ヴィル「知るか!」


キティ「そう言わないで、とりあえずヴィルのプロフィールね。」


ヴィル「見たけりゃ見な。」


チャンセラーズヴィル

身長:160センチ後半

体重:ぶっ殺す

見た目年齢:17歳ぐらい

家族構成:姉15人、妹11人

好き:アメリカ、イージス、たまに会う妹たち

嫌い:日本、日本の艦魂(特にきりしま)、たまに会う姉たち

特徴:灰色の混じったブロンドの髪、武術は第七艦隊の中でもかなりの実力者。


ヴィル「見るとはよほど暇か物好きだな。」


キティ「失礼なことはいはないの!」


カーティス「あ、作者さん。」


作者「た、助けてくれ……」


キティ「どうしたんですか?」


作者「ブルーと『しらね』に草薙先生の支援に出られなかったからって八つ当たりを……草薙先生の支援については草薙先生の感想欄をご覧ください。」


キティ「それは……」


ヴィル「そう言えば貴様、おれも出してなかったよな?」


作者「ゲッ!」


ヴィル「どういうことだ?」


作者「……ごめんなさい!!」


ヴィル「誤ってすむなら警察はいらねんだよ!吹っ飛びやがれ!!」


作者「それはトマホ……!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン


カーティス「この分だと支援に出ていない方々にやられそうですね。」


キティ「そうね……次回の予定聞けませんね。」


ヴィル「どうせ歓迎会のことだろ。」


カーティス「そうですね。」


キティ「では次回をお楽しみに!それと意見や感想、質問があったら感想やメッセージ送ってくださいね。」

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