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第三十二話 振り返る三カ月(後編) 

活動報告はどのくらいの方が見ているのだろう……と最近考えております。

たまには見てくださいね~

少しだけ雲が下がり暗くなった昼過ぎ、キティホークは飛行甲板に艦載機を露天繋留した状態でパース港の沖合に停泊していた。

現在、停泊しているパースはオーストラリアの西海岸、西オーストラリア州の州都で『世界で一番美しい都市』ともいわれている。

昔から軍とのかかわりのあるパースであったが、さすがにキティホークの様な大型艦は入港することができず仕方なくその沖合に停泊していた。


「クシュン!!」


そんな時、艦載機が並ぶ飛行甲板でキティは小さくクシャミをしていた。


「さすがに南半球……8月にもなると寒いわね」


もう少し厚着してくればよかったかしら、とキティは悩みながらも上着を取りに行こうとはせず、ただ手を擦り息を吐くだけであった。

キティの言うとおり7月、8月の南半球は冬である。

10日ほど前までは炎天下の気候だったというのに今はその逆で10℃程、この気候の変動は艦魂であるキティとしても少々つらかった。

幸い、キティの本体であるキティホークへの影響は出ていないが、乗組員の中では何人か体調を崩した者がおり運悪く、その中にジャックも含まれていた。

その事を思い出してキティは曇り空を見上げた。


「ハァ……久しぶりに話せると思ったのに……」


ここに来るまでは、キティもジャックも自分達のことで手一杯だったので、久しぶりに話せる今日を楽しみにしていたのだ。

しかし、見事に体調を崩したジャックによってその楽しみはお預けになってしまった。

本人は大丈夫だというのだが、班長であるカールに休むようにと言われているらしく、キティとしても症状が軽いのなら早く治してほしかった。

なので、先ほど顔を出した時に『ちゃんと休んでいなさい』と釘を刺して来たのだった。


「ハァ……」


再びキティがため息をつくと冷たい風が吹いてきた。

艦魂なのでそれほど関係はないだろうがさすがに何かあったらまずいので、キティが自室に戻ろうとすると目の前に光の粒子が現れ人型を作っていった。

そしてキティは目の前に突然現れた人物を見て驚いた。


「な、何で貴方あなたが……ここに?」


一方、キティが驚いた様子を見てその相手はご満悦だった。


「願っていた通りの反応をしてくれるとは……本当に分かってくれてるな」


そう言って、嬉しそうに笑うツインテールにしたプラチナブロンドの髪が風に流される。

同じように風に流される自分の髪を押さえながらキティは嬉しさ半分、呆れ半分と言ったため息を吐いた。


「驚いて当然よ、パーシー」


呆れた口調で言いながらもその表情は嬉しそうだった。

ここ最近は、ずっと親しい友人に会っていなかったのでどこかホッとした気分だった。


「とりあえず中に入りましょ、ここだと寒すぎるわ」


中に入ろう、とキティは提案するがパーシーは首を横に振った。


「すまないけど、それは無理だ」


キティが首をかしげると、パーシーは自分の後ろを指差した。

指差した方を見るとアングルド・デッキの端に一人の艦魂が後ろ向きで立っておりその後ろ姿にキティは見覚えがあった。


「今回はあいつに無理言ってここに来たからな、飛行甲板までだと言われているんだよ……頭の固い妹め」


文句を言うようにパーシーが話していると突然、大きな声がした。


「お姉ちゃん!聞こえてるよ!」


思わぬ返事にパーシーは目を丸くした。

最後の言葉はかなりトーンを抑え、しかも風下から言ったはずなのにパーシーの妹、ホーバートの艦魂であるホーの耳に入ったらしい。

パーシーは一端、ため息をつくと振り返った。


「ホー!だったら、前みたいな柔軟な頭にしろよ!」


すると、今まで後ろをむいていたホーは振り返るとこちらまでものすごい勢いで走って来た。

見た目はパーシーとそっくりだがツインテール大きなリボンでまとめていた。


「お姉ちゃんが悪いんでしょ!もうレーダーとかも下ろす準備をしているのに、どこかに行こうとするんだもん!」


「別にどこに行こうがいいだろ!」


「良くないわよ!受け継ぎの整理とかもあるのにホイホイどこかに行こうとしないでよ、もし、どこかに行っている時にレーダーを下ろされたら…どうなるか……わからないんだから……」


それだけ言うとホーは黙り込んでしまった。

今年の十月の退役に向け準備を始めたパーシーの本体であるパースは、少しずつではあるがその装備を下ろし始めているようだった。

ホーの言うことも確かなので、パーシーもさすがにそれ以上は何も言えないらしく黙ってしまい、二人の間に何とも言えない空気が満ち始めていた。


「ハイハイ、二人とも元気出して」


重苦しい空気を破ったのはキティだった。

キティは手を叩いて、二人の注意を自分へと向けさせる吐息をついた。


「まだ、パーシーは現役なんだから無茶しちゃだめよ。後、ホーも少しくらい大目に見たら?」


「キティ……」


「キティさん……」


二人はキティが自分達を励まそうと振舞ってくれたのに驚いた。

それはこの状況はある意味、キティにも当てはまることだったからだ。

特にキティとの付き合いがあるパーシーは少し違和感を感じた。まるで無理やり自分の気持ちを押しこめているような……


「ところでパーシーは何でここに来たの?」


「その事なんだが……」


キティの振る舞いに違和感を覚えつつもパーシーは今回、来た目的について話し始めることにして、自分の制服のポケットから二つの、あるものを取り出した。


「これを預かっておいて欲しい」


「これは……」


キティはパーシーがとりだしたものに見覚えがあった。

そう、確かこれはキティとパーシーが出会ったころに見たものだ。

そして、それは……おそらくパーシーにとって、とても大切なもの……ベトナム戦争時にアメリカからパースへ送られた二つの勲章だった。


「なんで私に?」


「お前との思い出の物だからさ……今度、会うときに返してくれればいい」


この勲章をもらった時、彼女パーシーはキティと共にいた。

そして、その時二人で抱き合う程喜んだものだった……。

パースが思わず当時の事にふけっていると、キティはそっと手を出して来た。


「分かった……」


そう言ってキティは二つの勲章を手に取った。

手に取ったそれはどこか当時の思い出を少しだけ彷彿とさせた。

キティに、勲章を預けたパーシーはどこか満足そうだった。もしかしたら自分の艦名の由来の地でこの勲章を預けることが出来たからかもしれない。


「お姉ちゃん……」


パーシーは心配そうに自分を見つめる妹の肩に手を乗せるとキティを振り返った。


「じゃあ、そろそろ帰るな」


そう言って踵を返すと、パーシーのツインテールが大きく揺れた。

それを見たキティは少し困惑した、髪の色が自分の知っている彼女の髪の色よりも薄くなって、ほとんど白っぽくなっていたからだ。

先ほどまでは全く気付かなかったのに……


「パーシー!あなた!」


キティの呼び止めに一端立ち止まりパーシーは少し困った顔で振り返った。


「もう先が長くないからかもな……」


「縁起でもないこと言わないでよ」


彼女は茶化すように振舞うが、キティはそれを否定した。

良い籠るパーシーの隣でホーは心配そうに二人の様子を見ていた。


「あなたはまだ、頑張るんでしょ……パーシー。……結果はまだ出ていないじゃない」


キティは親友であるパーシーに彼女がいつも口癖のように言っている言葉を投げ掛けた。

その言葉に一瞬反応したパーシーはそのまま目を伏せると一言答えた。


「ああ、必ず預けた物をとりに来るさ」


パーシーはそれだけ言うと、ホーと共に光の残滓を残してその場から転移していった。






その後、約3日間パースに留まったのちにキティホークは出港。

出港後はインドネシア、マレーシア、シンガポール、タイといった東南アジア各国との個別演習が予定されていた。

そして、今現在キティホークはベトナム沖を航行していた。


「何度言ったらわかるんだよ!」


最近のことを思い出していたキティは、その大声で現実へと引き戻された。

振り返るとそこでは、ヴィルとカーティスが未だに舌戦を繰り広げていた。


「だから、カウスには言わないでくれ!他になら何でもするから!」


「駄目です」


必死にカウスへの報告を止めさせようとするヴィルだが、カーティスにはその気はないようだった。

そろそろ仲裁に入ろうか、と思案するとヴィルの後ろが光った。


「ッ!?」


気づいたヴィルが振り返ろうとした瞬間、すごい音がして何事か、とキティが思っていると光が収まっていき、そこには吹っ飛ばされたヴィルと大きく拳を振りかぶっている、見た目が20歳ぐらいの艦魂がいた。


「何、ヘコヘコ頭下げてんだよ貴様!それでもアタイらの妹か!!」


ものすごい剣幕で怒鳴るその艦魂は、そのままヴィルに馬乗りになった。


「フォージ姉!?ちょっと待て、何か誤解している!」


必死に抵抗するヴィルだがフォージはそのまま胸倉をつかみ、ヴィルを殴ろうとする。

さすがにこれは不味いと思いキティとカーティスが止めようとした時、フォージの後ろに再び転移の光が生じそこから現れた艦魂がその腕を止めた。


「は~い、そこまでにしとくっす」


そう言ってにこやかに笑う彼女の頭で星型の髪留めがキラリと光った。

そして彼女はキティの方に振り返り、手を挙げて挨拶してきた。


「お久しぶりっす!姉貴!」


キティは笑みを浮かべうなずいた。


「久しぶりね、コニー」


そこに現れたのはキティホーク級二番艦のコンステレーションの艦魂、キティの妹であるコニーあった。

第十九回 アメリカ合衆国海軍特別広報放送局~略してたまテレ


キティ「どうもキティホークです」


カーティス「カーティス・ウィルバーです」


キティ「前回と同じ挨拶……完全にネタ切れみたいね」


カーティス「まぁ、最近別の連載物の更新が忙しかったですし……」


キティ「コラボだったから、仕方がないと言えば仕方がなかったわね」


作者「分かってくれて、ありがとうございます」


キティ「これでこちらの作業もはかどるんでしょ?」


作者「…………悪いけど、来月は更新できn……ハブッ!!」


カーティス「それはどういうことですか?」


作者「なぜにカーティスが殴る!?」


キティ「説明をお願いします(最近、出番が無いから気が立ってるのね……って、私が殴ると思ってた?)」


作者「実は11月間だけ別の艦魂の連載をしようかと……」


キティ「誰のですか?」


作者「それはまだ言えない」


カーティス「1カ月で終わるんですか?」


作者「すでに半分くらいまでいっているから多分……というより必ず終わらせる」


キティ「だから私達の更新が止まると」


作者「……はい」


キティ「…………」


カーティス「キティ司令?」


キティ「仕方ないわね、前々から言っていたみたいだし今回は目を瞑るわ」


作者「!!!」


キティ「でも、そう言ったからにはちゃんと一カ月で書いてくださいよ!」


作者「努力いたします!!」


カーティス「良いのですか?」


キティ「私の友人の話らしいから特別よ」


カーティス「はぁ……」


キティ「では、一カ月ほどお会いできないようですが、司会はキティホークと」


カーティス「カーティス・ウィルバーでした」


キティ&カーティス「「感想・評価だけではなくメッセージもお待ちしております」」





と言うわけで誠に勝手ながら次回の更新は下手すると12月になってしまいます。

なお問題の作品は11月9日に投稿を開始したいと考えておりますが、場合によっては変更する恐れがあります。

詳しくは来月の9日ごろに予定している活動報告をチェックしてください。


三ノ城


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