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第十九話 己の誇りとは

ゴールデンウィークももう終わり……

レポートまとめないとな……


キティとフォルが部屋に着くとキティはフォルに座るように促した。


「フォル姉さんは座っていて。今、紅茶を……」


キティが紅茶を入れるのをフォルが制した。


「私が来たのはキティの相談を聞くためだからいいわ」


そう言うとフォルはキティに隣に座るように促した。


キティはうなずくと静かにフォルの隣に座った。


「話って何なの?」


優しく問うフォルにキティは少しづつ話しだした。


「実は……私が<The First Navy Jack>を受け継いでいいのかしらって……」


キティの言葉に動じることなくフォルは聞き続けた。


「正直、受け継ぐのはコニーの方がいいんじゃないかって思うの……コニーの方が私より歴戦を戦い抜いているんだもの」


キティは昼間考えていたことを堰が切れたように語りだした。


「前の戦争、湾岸戦争の時もそうだった……インディ姉さんやコニー達が一生懸命戦っているのに私はただドックから見守ることしかできなかった……そんな私がこの旗を掲げていいのかしらって……」


自分が尊敬する姉から受け継いだ伝統ある海軍旗。それをこれといった戦果も上げていない自分が受け継いでいいのだろうか。自分よりも頑張って戦果をあげている妹であるコニーに渡した方がいいのではないだろうか。そうすればこの不安ともなんとも言えないこの複雑な気持ちが収まるのではないかと……

キティは心の中でそう考えていた。

その思いを言いながら涙を流すキティをフォルはそっと抱き寄せた。


「大丈夫よキティ。あなたならきちんとできる。この<The First Navy Jack>を受け継いでも恥じることのない指揮官に……」


「でも……」


「ベトナムの時困難な状況で作戦を成功させたのは誰?冷戦時アミーと一緒にCIAに協力して諜報活動をしていたのは誰?」


フォルの言葉にキティははっとした。

その様子に気付いたフォルはそのまま頭を静かになで始めた。


「キティはキティのしてきたことだけ見ていけばいいのインディやコニーのことは気にしないで自分のしてきたことに誇りを持っていけばいいの」


フォルの言葉をキティは目に涙を浮かべながらじっと聞いていた。

そして最後にフォルは笑顔で言った。


「だからキティ自分のしてきたことに誇りを持って」


笑顔で語るフォルの言葉にキティは涙をぬぐい心で思った。

そうだフォル姉さんの言うとおり……私が私であればいいのインディ姉さんやコニーにじゃない私のできることをすればいいそしてそれに誇りを持てればいいのだ!

先ほどまで重かった心が少し軽くなったような気がした。そして軽くなった心で誓うとフォルに対していった。


「うん。私、頑張るわ<The First Navy Jack>の名に恥じないように」


キティの吹っ切れた様子にフォルは心の中で安堵した。

おそらく今は完全に吹っ切るまでにはまだ時間はかかるかもしれないがきっとキティなら大丈夫。

フォルはそれまであった不安さがなくなったことに安堵したのだ。


「じゃあ私はこれで失礼するわね」


そう言うとフォルは席を立った。

その時キティはあることを思い出した。


「姉さん!さっきステージで唄っていたのは……」


キティの問いにフォルは振り返るとニコリと微笑んできた。


「コンスチュレーション元帥の友人よ」


フォルの言葉にキティ顔が真っ青になっていく。


「それって……三笠元帥!?」


キティの言葉にフォルはまたしても笑みで返してきた。


「その通りよキティ。先ほどステージで唄っていたのは世界三大記念艦の一人旧日本海軍戦艦『三笠』元帥よ」


フォルの告白にキティは口をパクパクと動かしていたが徐々に正気を取り戻し始めた。


「で、でも何で三笠元帥が……私は一度もお会いしていないのに……」


そのキティの疑問にはフォルが答えた。


「三笠元帥があなたに興味があるそうよ……でも別に気にすることはないって三笠元帥が言っていたわ」


「でも……」


フォルはこういうことに対しては決して嘘をつかないので本当なのだろうがキティとしてはどこか気まずかった。


「今度、顔を出した方がいいかしら……」


そう呟くキティにフォルは口をはさんだ。


「それは必要ないって三笠元帥がそう言っているんだし」


それでもキティはどこか不安そうだった。


「そんなにしつこいとジャック君に嫌われるわよ。」


「ね、姉さん!?それをどこで!?」


フォルの衝撃発言に大きく動揺するキティ。


「ブルーからちょっとね。」


キティはその瞬間ブルーがなぜ弱気になっていたかを悟った。おそらく最初はサラとインディが面白半分でブルーに酒を飲ませたのだろう。そしてそこにフォルが加わりさらにいろいろと聞き出した。

レンは基本的にあまり前に出ない性格である。一部どうしようもない例外を除くがそのような性格なのでおそらく遊びに入った三人を止めには入らなかったのだろう。


「姉さん……!」


いくらなんでもこれはやりすぎだと思った時キティはふとあることを思いついた。

そしてキティは早速それを実行に移した。


「でもある程度は必要なんじゃない姉さんだって昔はマケインさんのこと気になっていたんでしょ」


キティは特に『マケインさん』と『気になっていた』の部分を強調して言った。

そしてその言葉は見事にフォルの急所を直撃した。


「な、なんでそこでマッキーが出てくるのよ!」


そこには元帥としての威厳も何もなかった。


「今はマッキーは関係ないでしょ!」


「ジャックだって関係ないわよ」


そして二人は睨み合ったがしばらくするとどちらともなく笑いだした。

それからしばらく笑ったのち先に口を開いたのはフォルだった。


「ごめんなさいキティ少しからかい過ぎたわ」


それに対しキティも答えた。


「こっちこそごめんなさいついカッとなって」


キティがそう言ったのを聞くとフォルはそのまま部屋を出て行こうとする背にキティが言葉をかけた。


「ありがとう姉さん」


キティの言葉にフォルは肩越しにうなずくと部屋を出て行った。




翌日、フォルたちは荷物をまとめキティ甲板に集まっていた。


「じゃあねキティ!元気でね〜」


そう言いながらサラが抱きつこうとするが今回も昨日のようにレンとインディの手によって阻まれた。


「も〜なんで邪魔するの〜!!」


頬をふくらませ抗議するサラだがレンが一言。


「キティに迷惑よ」


インディは全くだといわんばかりに大きくうなずいた。


「そんなことはないもん!ね、キティ〜」


サラは絶対そんなことはないと思いキティの方を見るがキティはただ苦笑いをしているだけだった。

自分の予想とは大きく違う結果にサラは落ち込んだ。

しかし、次の瞬間には何事もなかったかのようにすくっと立ち上がると一言。


「じゃあ、次からは気をつけるね〜」


その様子にフォルたち姉妹はため息をつきキティはいつもながらのサラの気持ちの区切りのよさに驚いていた。


「キティ頑張ってね」


「たまには連絡するからな」


「ええ、姉さんたちもお元気で」


早々に立ち直ったレンとインディにキティがそう言いうとサラ、レン、インディの順にキティの頬にキスをして次々と転移していき最後にフォルだけが残った。


「じゃあねフォル姉さん……昨日はありがとう」


フォルは首を振りキティを抱きしめた。


「キティまた不安なことがあったら相談してね」


フォルはそう言うとウィンクをしてそのまま転移していった。


「賑やかなお姉さんたちでしたね」


先ほどからずっと少し離れた場所にいたカーティスが声をかけてきた。


「いつものことよ……あと10年もすればみんなでいつも会えるのにね」


振り返らずに東の方角を見ながら言って笑うキティにカーティスもまた笑ってうなずいた。


第七回 アメリカ合衆国海軍特別広報放送局〜略してたまテレ


前回のあらすじ〜略してあらすじ(まんまじゃん!)


サラのわがままに泣きだしたレン。それを見たキティ達はレンの暴走が近いという……

はたしてレンの暴走後の本性とは!?


レン「ねー、ねー、サラ姉さん私もか待ってよ〜」


サラ「わかったからそんなにくっつかないでよ〜」


何やらサラにべったりなレン。


カーティス「……あれはいったい……」


キティ「はは……レン姉さんの本性?」


インディ「だな」


フォル「そうね」


カーティス「思っていたほどではないようですが……」


キティ「それはサラ姉さんが暴走しないようにしているからよ」


カーティス「?」


フォル「レンは本当はすごくかまってほしい子なの」


インディ「普段は理性で抑えているけどな」


カーティス「それのどこに問題が?」


キティ「あえて言うなら独占欲が強いというかなんというか……」


フォル「自分にかまってくれなくなりそうになると手段を選ばなくなるのよ」


カーティス「それはいったい……」


インディ「ずいぶん前の話だがとある艦魂がいたんだ。そいつは誰であろうと気に入れば襲いハァハァする奴だったんだ」


キティ「そしてある日レン姉さんがその艦魂に襲われたの」


カーティス「えっ!大丈夫だったんですか?」


フォル「ええ、レンが暴走してね」


カーティス「それはどういうことですか?」


キティ「最初はされるがままになっていたんだけど……」


インディ「そいつが他の艦魂に手を出そうとした瞬間暴走してな」


『私だけを受け止めていてください!』


フォル「そう言って三日三晩それが続いたの」


カーティス「それって……」


キティ「それからその艦魂は誰も襲わなくなったわ。今アメリカにそのような艦魂がいないのはみんなレン姉さんに壊滅……いや更生させられたのよ」


インディ「まあそれでも両想いやなんかはあるがな」


サラ「ふぅ〜、やっと落ち着いたよ〜」


フォル「お疲れ様サラ」


サラ「暴走させたらいったいどうなるか分からなかったし眼鏡にも手を掛けなかったからね〜」


カーティス「そのレンさんは?」


レン「……ここです」


顔を真っ赤にしているレン


レン「ごめんなさい。また私の悪い癖が……」


キティ「レン姉さん安心して暴走はしていなかったから」


インディ「キティの言うとうり」


レン「よかった」


フォル「でもこれって前回と続けて話すようなことかしら?」


全員「「「「「……(確かに!)」」」」」」


作者「どうだ調子は?って何この気まずい雰囲気」


キティ「いえ何でもありません」


カーティス「何の用ですか?」


作者「えっと……言いづらいんだけど次から更新が不定期になるかも……」


キティ「どうしてですか?」


作者「……一身上の都合?」


カーティス「質問を質問で返さないでください。」


作者「ごめん悪かった!最低でも二週間に一度今まで通り偶数日に更新するから!だからみんなスズメバチを巣に戻して!そしてカーティスも日本刀しまって!」


キティ「量はどうなるんですか?」


作者「……それなりの努力を目指します」


キティ「……わかりました」


作者「キティ!」


キティ「でも今回だけは許しませんホーネット!」


作者「わあああああああああああああああああ!!!」


カーティス「作者さんが司令やフォル元帥達のスズメバチに襲われていますが今回はここでお別れです」


キティ「評価・感想、メッセージもお待ちしています。」


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