第十六話 姉妹と準備
すみませんまた予定が……今回はパーティの準備編になりました。
キティと本間が話していた頃ブルーリッジの会議室では急ピッチでパーティ会場の設営が行われておりブルーとカウスが中心となって作業を行っていた。
「そこのテーブルはもう少しこっちだ!そっちじゃない!」
「ブルー司令この花束はどこに……」
「それは会場の四隅に置くんだ……さっきのテーブル!今度は近すぎだ!」
ブルーは壇上に立ち予定表を見ながら指示を飛ばす一方でカウスは自ら設置の終わったテーブルの飾り付けをしていた。
「カウスさん、椅子をそろそろ出した方がいいかな?」
「お願い!」
いつもだったら必ず相手の顔を見て話すカウスだがこのときばかりは相手の顔を見ずに簡潔に答えた。それほど今回は時間がないのだ何せ昨日帰ってきて今日のパーティだある程度は残っていた艦魂たちがやってくれたがそれでも大変なのだ。
「これでよし!あとは……」
何とか一つ目のテーブルの準備を終えやり残しがないか周りを見渡したカウスは会場の端の方を見て固まった。そこには……
「ZZZZZ………」
腕を組みながら寝ているヴィルがいた。しかも口を全開に開け涎まで垂らしている。
「お・ね・え・ちゃ・ん………」
恐ろしく低い声に周りの艦魂たちはカウスが礼儀モードになったの気づき咄嗟に耳をふさいだ。
「この忙しい時に何、寝ているのぉぉ!」
その大声は厨房の一角を借りて調理をしているカーティスとライエン、そして二人を手伝っているケインにも聞こえた。
「カー姉、今のって……」
突然の大声にビックリしてカーティスに抱きついたケインはまだびくびくしながらカーティスに話しかけた。
一方、カーティスは一度手を止めたものの作業を再開していた。
「きっとケインさんが寝ているヴィルさんに怒鳴ったのでしょ。」
そう言いながらカーティスはメインディッシュにかけるソースを作っていた。姉の冷静な態度を見ても落ち着かないのかケインの目には涙が浮かんでいた。
その時ケインは声をかけられた。
「ケインさん大丈夫ですよ。」
ケインが振り返るとライエンが切り分けた肉が乗った皿を持って笑っていた。
「今日は忙しいのですぐに終わりますよ。カウスさんもそこのところは心得ていますから。」
そう言いながらライエンはカーティスのソースの味見をした。
「うん、おいしいわ。ありがとうカーティス。」
「どういたしまして。あとはソースをかけるだけでいいかしら?」
カーティスの問いにライエンは少し考え込み料理を確認してから答えた。
「ええ、でも今は向こうが終わっていませんからそちらの手伝いに行ってください。あとは私ひとりで間に合います。」
「そうですかじゃあとは頼みます。ケイン行くわよ。」
カーティスが会場の手伝いに行くと言うとケインはビクッと反応した。
「うぅ……、怖いよ〜カー姉、行きたくないよ〜。」
怖がるケインにため息をつきながらカーティスはケインに近寄るとコツンと頭をたたいた。
「カ、カー姉!?」
突然叩かれたことに戸惑うケインにカーティスは一言いった。
「いつまでもビクビクしないの!司令も待っているんだからさっさと来るの!」
そう言うとカーティスはケインの襟をつかむとズルズルとケインを引きずりだした。
「カー姉、どうしたの昨日から人が違うみたいだよ〜!」
ケインの言葉を無視してカーティスはそのまま会場へと向かっていった。
その様子を見ていたライエンはカーティスの行動に驚きつつもそっと口元を緩めた。
「どうしたのライエン?」
ライエンが振り返るとそこには今回の主役であるキティがいた。
「司令!いつの間にここへ?」
驚くライエンにキティは笑顔で答えた。
「今来たばかりよ。たぶんまだ会場の準備が終わってないと思ってこっちに来たの。」
本当は会場の前まで行ったのだが入ろうとしたときにカウスの怒鳴り声を聞いてこっちに来たのだがキティはそれをあえた隠した。
「ところでさっきなんか嬉しそうだったけど、どうしたの?」
キティの質問にライエンは言いにくそうに答えた。
「なんとなくなのですがカーティスさんが変わったような気がして……」
そう言うとライエンは料理の準備を再開した。キティは完成した料理を見回しながらライエンに声をかけた。
「カーティスが?」
キティはカーティスの最近の様子を思い出すが別に変った様子はなかった。
ライエンは手を動かしながらキティに答えた。
「正確に言うならケインさんに対してですけどね。」
「ケインに対して?」
キティの質問にライエンは手を止めると何かを思い出すように話し始めた。
「はい、今までカーティスさんはケインさんを助けるためにいつも気を張っていました。」
一息つくとライエンはキティのほうに向きなおった。
「なのでケインさんに少し甘かったんですよ。でも最近は少しずつですがケインさんに厳しくなっているんです。この前の演習で何かあったのかも入れませんね。」
ライエンはそう言うと再び作業を開始した。キティには心当たりがあったおそらく『みょうこう』との一件だろう。どのようなことがあったか詳しくはわからないが『こんごう』が絡んでいるとあの後『はるな』から聞いていた。
「いいわね姉妹って……」
キティは近くに姉妹がいるということに少しだけうらやましかった。かなわないことだがキティは誰か姉妹と合いかった自分の悩みを聞いてくれる姉妹が……それがついポツリと出てしまった。
「司令?」
キティの声が聞こえたのかライエンが振り返っていた。
「何でもないわライエン。……そろそろ会場に行ってみるわね。」
そう言うとキティは逃げるように厨房から出ていった。
一方、キティが向かっている会場では先ほどカウスの怒号を受けたヴィルがせっせと働きさらに途中から来たカーティスとケインの手伝いもあって作業がグンとはかどっていた。
「そろそろ終わりそうだな。」
ブルーは予定表と状況を見比べながらそう言った時カウスの大声が響いた。
「お姉ちゃん!早く椅子を持ってきて!」
「無茶言うな!」
ブルーがそちらを向くと椅子を片手に一個ずつ持ち運ぶカウスとなぜか片手に五個も持ち運ぶヴィルがいた。
「寝ていたんだからその分働いてよね!」
事実であるカウスの言葉にヴィルはただ黙るしかなかった。
「相変わらずだな。」
「総司令。」
その様子を笑いながら見るブルーにカーティスが声をかけた。
「どうしたカーティス?」
ブルーの問いにカーティスは耳打ちで答えた。
「お客様です。」
その一言にブルーは眉間にしわを寄せた。
「今日は誰もこないはずだぞ。まさかまた……」
「総司令お静かに!」
ブルーはまた『はるな』たちが来たのだと思い大声を出しそうになったがカーティスは止めに入った。
ブルーはカーティスがよほどのことがない限り自分の言葉を遮らないのを知っていたので不審に思い深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
「……来たのは誰なんだ?」
ブルーの問いにカーティスは首を横に振った。
「わかりません。しかし、伝えにきたケインはかなり驚いていたのでかなりの方かと……」
言葉を濁すカーティスにブルーはあごに手を当て考え始めたがすぐに手を戻した。
「わかった。場所は私の部屋だな。」
カーティスはうなずくと口を開いた。
「ここは私が代行を務めますので急いでください。」
「あとは頼む。」
ブルーはカーティスに予定表を渡すとすぐに自室へと転移していった。
すると入れ替わりでキティが会場に入ってきた。
「あら、ブルーは?」
キティは指揮をとっているはずのブルーがいないことに首をかしげるとカーティスは答えた。
「総司令はお客様が来たのでそちらに行かれました。」
キティは誰が来たのか聞こうとしたとき大きな音が響いた。
「もう!お姉ちゃん何やってるの!」
どうやらヴィルが運んでいた椅子をぶちまけたようでカウスの大声が飛び交い始めた。
キティとカーティスはため息を漏らした。どうやらはパーティが始まるのはまだまだ先のようだ。
そんなことが起きているとは知らないブルーは自室に着くなり固まってしまった。
そこにはブルーと同じように固まっているケインと四人の客人がいたしかも四人ともアメリカの艦魂で知らないものがいないほどの艦魂であった。
「……………。」
口を開け驚いているブルーに一人が少し恥ずかしそうに声をかけた。
「そんなに驚かないでくださいブルー総司令。」
ブルーは何と返事をしようとするが声が出ない。
「おいおい、姉さんたちはともかく私と最後に会ってからそんなにたっていないはずだぞ。」
確かに四人の中で一番最後に会ったのは彼女だった。
「そんなに驚くことなのかな〜?」
ブルーの様子を不思議そうに見つめる彼女たち。
「仕方ないわよ、私たちは本来ここにいることは……いえ、来ることはないはずだから……そうよねブルー。」
確かにそうだ彼女たちはここにいるはずがない、正確にいえばここ日本にはいないからだ。
「な、なぜあなたたちがここに……」
ブルーの言葉に四人は顔を合わせるとクスリと笑った。
「当然、妹のお祝いにね。」
そう言うと彼女は先ほどと同じように微笑んだ。そしてブルーはやっと先ほどから微笑んでいる彼女の名を口にした。
「…………フォレスタル元帥!」
第一回 アメリカ合衆国海軍“臨時”特別広報放送局〜略して裏テレ
作者「略せてないじゃん!」
コニー「何、勝手に一人で突っ込んでいるんすか!台本と違うっすよ!」
エンター「コニー姉さま、始まってますよ!」
アミー「急いで!急いで!」
コニー「あ!え、えっと……」
ケティ「……今回は本編をキティ姉さんに紹介させずらいので急きょ私たちが魂テレをやります。」
コニー「(ケティ、ナイスフォローっす!)」
アミー「でも臨時だから“裏テレ”だよ!」
エンター「略せていないのはいつものことなので……」
ケティ「……無視すること。」
作者「少し変だったけどお疲れ〜。」
コニー「あんたのせいっす!」
作者「まあ、落ち着いてくれ。せっかく本編でフォレスタルが出たんだから。」
アミー「そうだね!そう言えば一緒にいたのって……」
エンター「当然、s……んぐっ!」
ケティ「……それ以上は問題発言。」
コニー「まあ、ほとんどわかっていると思うから問題ないっすけど……」
アミー「私も行きたかったな〜。キティお姉ちゃんの所。」
コニー「俺たち姉妹で引退しているのはアミーだけっすからね。」
エンター「でも、移動するの大変そう……」
アミー「フォルお姉ちゃんの場合ベトナム戦争の方が大変だったよ。」
コニー「フォルの姉貴は大変だったっすからね。」
ケティ「……?」
作者「確かに……ケティ、フォルのことが気になるのか?」
ケティ「……気になる。私はいなかったから。」
作者「だったらJIN先生の『波乱万丈艦魂記《空母フォレスタル》〜そして彼女は平和を知った〜』を見るのをお勧めするよ。」
コニー「いいんすか?そんなこと言って。」
作者「一応、JIN先生とキャラ設定を共有しているから話的に問題ないと思う。」
コニー「そう言うことじゃないっす!」
作者「?」
アミー「作者さんの文章力の無さをみんなに教えるようなものだよ!」
作者「はうっ!」
作者に何かが突き刺さる。
ケティ「……JIN先生の方が素晴らしい、こっちは全然なってない。」
作者「グハッ!」
さらに何かが突き刺さる。
エンター「私よりも問題のある作者さんですね。」
作者「オブッ!」
さらにry
コニー「さっきから作者さんに刺さっているこれなんすかね?」
ケティ「……槍型の爆弾。」
全員「「「「…………。」」」」
コニー「全員逃げるっす!」
アミー「逃げろ〜!」
エンター「問題多すぎです!」
ケティ「……こんな終わり方ですが次回もお楽しみに。」
コニー「感想・評価待っているっすよ!」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン
臨時放送局崩壊。