第十四話 姉妹の誓い
これが十代最後の投稿……になる予定。
ここで十代最後の決意。
次の投稿は二十代初日を目指す!
キティと『はるな』話していた頃カーティスは『みょうこう』の部屋の前にいた。
「『みょうこう』さんよろしいですか?」
カーティスは確認するが返事はない。カーティスは失礼だとは思いつつもドアのノブを回した。
「『みょうこう』さん失礼しm……!」
ドアを開けたカーティスは部屋の様子に驚いた。
かつて訪れた時は明るく奇麗に整っていた部屋だったが今は面影が残らないくらいひどく汚い状況だった。
カーティスは唖然としつつも部屋を見回すと部屋の隅で何かが動いた。
「『みょうこう』さん?」
すると再び部屋の隅がビクリと動いた。
カーティスは部屋の隅まで駆け寄り物をどかすとそこには何かに脅えるように丸くなり震えている『みょうこう』がいた。
カーティスは『みょうこう』の変わりように驚きつつも『きりしま』から頼まれた“最初にしてほしいこと”を実行した。
「『みょうこう』……」
いつもと違うカーティスの言い方を不審に思ったのか今まで反応のなかった『みょうこう』が振り向いた。
次の瞬間
「しっかりせんか!『みょうこう』!」
カーティスはいつもとは全く違う荒い口調で『みょうこう』をはり倒した。
一方、張り倒された方の『みょうこう』は茫然としておりただカーティスを見つめていた。
カーティスは『きりしま』に頼まれた時のことを思い出した。
出港前の横須賀
「えっと、それは……」
カーティスは『きりしま』の頼みを聞き一瞬戸惑った。
「これは拙者と姉上が話し合い決めたこと……本当は姉である拙者か姉上がやるべきなのですが……引き受けてくれませんか?」
「それは……」
このとき『きりしま』がカーティスに頼んだことそれは……
『こんごう』の真似をして落ち込んでいる『みょうこう』に喝を入れてほしい。
呆然と倒れ伏している『みょうこう』にカーティスは大股で近づくと胸倉をつかむと再び声を荒げた。
「貴様はいつまで落ちこんどんるんだ大馬鹿者が!」
「お姉ちゃん……私、私には……日本を守れない」
ぼろぼろと涙を流す『みょうこう』をカーティスは思いっきり殴り飛ばすと『みょうこう』馬乗りになりさらに殴った。
「そんなことを言うな!貴様にしか日本は守れん!」
「でも……でもっ」
カーティスは再び『みょうこう』を殴った。
「何、あまったれてんだ貴様!それでも私の妹か!私たち姉妹の誓いを忘れているんじゃあるまいな!」
その一言に『みょうこう』は、はっとした。それは今年の3月……『ちょうかい』が就役した日だった。
その日『みょうこう』はわくわくしながら自室のモニターの前にいた
「早く会いたいな〜。」
今日は自分の妹が就役する日。これで横須賀、佐世保、舞鶴、呉の主要4港にイージス艦が配備されるのだ。
「『みょうこう』あまりはしゃぐな。」
「姉上の言うとうりです。」
すでにモニターには長女の『こんごう』と次女の『きりしま』がいた。
「でも〜。」
『みょうこう』が不満を漏らすが……
「いい加減にせんか!」
『こんごう』の怒号一発。『みょうこう』はシュンと縮こまってしまった。
「姉上、ほどほどに、『みょうこう』もしっかりしなさい。そんな顔で有一の妹と会うのは嫌でしょ?」
『きりしま』が間に入り二人を落ち着かせる。『こんごう』は少しやりすぎたと思ったのか顔を若干赤くしながら「すまん」と言い『みょうこう』も気持ちを持ち直した。
するとモニターから通信音が鳴った。
『みょうこう』は緊張した面持ちでモニターを見つめた。
「はじめまして。こんごう型ミサイル護衛艦4番艦『ちょうかい』です。」
そこに映し出されたのは眼鏡を掛けきりっとした顔立ちの女性だった。
「あ、あなたが『ちょうかい』?」
「はい。『みょうこう』姉さん。」
『みょうこう』は内心がっかりした。というのも“可愛い妹ができる!”と考えていたのだが実際は自分よりも大人じみた妹にひどく意気消沈した。
「しっかりしろ『みょうこう』。あなたが姉なのは変わらぬ事実、自信を持て。」
『みょうこう』の気持ちを察したのか『きりしま』が励ます。
「だがこれで我々、姉妹は全員揃ったわけだ。」
『こんごう』の言うとうり日本の新たな国防の担い手がそろったのだ。その言葉に他の3人は表情を引き締めた。
「我々は世界最強の防空システムを持つことを許された誇りある艦であることを忘れないでほしい。」
そこで一息つくと妹3人を見た。3人は表情を引き締めただじっと『こんごう』の話を聞いているのを見て表情を緩めた。
「そう緊張するな、私は東シナ海、『きりしま』は北太平洋、『みょうこう』は日本海、『ちょうかい』は南太平洋をにらむ盾となるがいつも気を張り詰めるのは酷だろう……だから今ここに私たち姉妹だけの誓いを立てよう。」
その言葉に『きりしま』はうなずき『みょうこう』は驚きそして『ちょうかい』はただ『こんごう』を見つめた。
「私たちの立てる誓いそれは…………」
自分のできることをしろ、今できないことを悔やむな。
『みょうこう』は誓いを思い出したのかただ呆然としていた。カーティスは目に涙を浮かべながら『こんごう』の口調で話し続けた。
「その誓いのに込められた意味を言ってみろ!」
すると『みょうこう』は涙を流しながら言いだした。
「その意味は……」
「声が小さい!」
「その意味は『自分のできることは必ずやり遂げること。そしてたとえ今できなくても出えきることを精一杯やることで後世への教訓を残すこと』です!」
『みょうこう』は泣き叫ぶように誓いの意味を言った。そしてその時『こんごう』が最後に言ったもう一つの言葉を思い出した。
『何か出来なくても自分ひとりで抱え込むな……自分にできないことは私たち姉妹もできないのだから。』
その時の『こんごう』の顔がとても優しかったことも……
「お姉ちゃん……ごめんなさい……私……誓いを……」
「もう一人で抱え込むな……もう苦しまなくていいのだから泣いていいぞ『みょうこう』……」
「お姉ちゃん……わああああああああ……」
『みょうこう』はそのままカーティスに抱きついて泣き続けた。
それからしばらく泣き続けた『みょうこう』は泣き疲れたのか眠ってしまった。
カーティスは『みょうこう』をベットに移そうとしたがしっかりとカーティスの服を握った手がそれを許さなかった。
しかし、カーティスはそれでもよかった『みょうこう』が誓いを思い出した。これで少なくとも最悪の結果は避けられるだろうあとは『みょうこう』次第だ。
「ありがとうございます。……『こんごう』さん」
カーティスは誰もいないのに口を開くとモニターがついた。
「気づいていたのかカーティス。」
「というより『こんごう』さんが頼んだのでしょ。」
『こんごう』は参ったという感じで肩をすくめた。
「私が小型通信機で『こんごう』さんの言うとうりに動く……通信だけでは限度がありますからね。こっそり見ているものだと思いました。」
実はここに来る前、カーティスたちが佐世保の近くを通った時に海上自衛隊の潜水艦の艦魂から通信機を渡されていたのだ。
つまり『きりしま』からの頼みだけでは不安に感じた『こんごう』は独自の対策を取ったのだ。
「ばればれか……だが感謝するのはこちらだ。」
『こんごう』は静かに頭を下げた。
「本当は我々、姉妹で解決する問題なのに世話を駆けさせてしまったな。」
するとカーティスはクスリと笑った。
「そんなことはありません広い意味で見れば私たちは姉妹ですよ。『こんごう』義姉さん。」
すると『こんごう』は一度、面を食らったようなをしたがすぐに『みょうこう』を起こさないようのどで笑った。
それから一通り笑った『こんごう』は話し始めた。
「まぁ、いいさ……だが後で今回の事件アメリカの対応についてはしっかり聞かせてもらうからな。」
「ご安心を、すでに司令が『はるな』司令に話しました。」
「そうか、それは楽しみだ……後は頼むぞカーティス。」
そういうとモニターの画面が切れた。
カーティスは真っ暗になったモニターをしばらく見つめた。
「“誓い”ですか……」
そういうと自分にしがみついて眠っている『みょうこう』に目線を移した。『みょうこう』は気持ちよさそうに眠っている。
「私たちが“誓い”を立てられるようになるのはいつになるんでしょうね……」
カーティスの姉妹、アーレイバーク級は今だ建造が続いている、前に『こんごう』たち姉妹の誓いのことを長女のアーレイバークに話したことがあった。その時、姉は笑いながら「じゃあ、私たちも全員揃ったら何か誓いを立てましょ。」と言った。
「早く私もみんなと誓いを立てたいな……」
いつもと違う口調の静かに言った独り言……それは一人の女の子として言ったカーティスのささやかな願いでもあった。
それからしばらくして『みょうこう』が目を覚ましたがカーティスに寄り添って寝ていたことにビックリして混乱したものの落ち着くとカーティスに迷惑をかけたことを謝った。
その後キティと『はるな』の話が日本とアメリカの艦魂に伝えられいくらか反発もあったがそれほど大きな問題にはならずむしろ結束を高めた。
それも相まって演習も無事に終わりキティ達は98年最後の任務を終え横須賀への帰路に就いた。
第四回 アメリカ合衆国海軍特別広報放送局〜略して魂テレ
キティ「始まりました第四回『魂テレ』。司会のキティホークと……」
カーティス「カーティス・ウィルバーです。」
キティ「今回はこのお二方の紹介です。」
カーティス「『こんごう』さんと『ちょうかい』さんです。」
こんごう「『こんごう』だよろしく。」
ちょうかい「お初にお目にかかります『ちょうかい』です。」
カーティス「ところで『こんごう』さんが持っているのは……。」
こんごう「ん?これは作者のなれの果てだ。」
カーティス「ご愁傷様です作者さん。」
キティ「気を取り直して……今回はさらに『きりしま』さんと『みょうこう』さんに来ていただきました。」
きりしま「皆さま覚えておられますか?」
みょうこう「前回は無愛想で失礼しました。」
カーティス「以上が第三回の出演者です。」
キティ「では早速『こんごう』さんから自己紹介お願いします。」
こんごう「これが私のプロフィールだ。」
こんごう
身長:170センチ
体重:命が惜しかったら見るな
見た目年齢:19歳
家族構成:妹三人
好き:妹たち、日本
嫌い:妹たちを苦しめるやつ、日本と敵対する国
特徴:普段は厳しいが誰よりも妹たちを大切に思っている。髪型は『きりしま』より長めのポニーテール
きりしま「拙者は姉上の髪形と同じですが姉上は拙者より5センチほど髪は長いです。」
キティ「なんか二人ともかっこいいですね。」
カーティス「次は『ちょうかい』さんです。」
ちょうかい「少ししか出てませんがどうぞ。」
ちょうかい
身長:170センチ
体重:内緒です。
見た目年齢:18歳
家族構成:姉三人
好き:姉三人、読書
嫌い:読書の邪魔をされること
特徴:ベースラインが違うせいか三人の姉よりも優秀だがどこか抜けている。眼鏡の度が合わないのかいつも眼鏡をいじっている。
みょうこう「なんで眼鏡変えないの?」
ちょうかい「なんとなくです。それにそれほど問題ありません。」
みょうこう「そうなの?」
ちょうかい「はい。」
こんごう「だったら眼鏡を取れ!」
ちょうかい「そうしたら特徴が無くなります。」
きりしま「それが本音か……。」
キティ「ところでカーティスが『こんごう』さんのことを義姉といっていましたが詳しく説明していただけませんか?」
こんごう「我々はアメリカのイージスシステム搭載ミサイル駆逐艦アーレイバーク級を元に作られているのでまず義姉妹の関係になる。」
カーティス「そして順番ですが私が就役したのは1994年の3月で『こんごう』さんは1993年の3月に就役しています。」
きりしま「つまり姉上はカーティス殿より1年も早く就役していたことになる。」
キティ「なるほど。」
ちょうかい「ちなみに『こんごう』姉さんはアーレイバーク級を含む義姉妹関係でも年長者です。」
キティ「詳い説明お願いできますか?」
カーティス「私たちアーレイバーク姉妹でこんごうさんより年上なのは長女のレイ姉さんと次女のバリー姉さんだけです。」
みょうこう「『こんごう』お姉ちゃんってすごいでしょ。」
キティ「すごいというかなんというか……。」
カーティス「それだけアメリカと日本の間で協議が行われていたということでしょう。」
こんごう「ところで次回はどうなっている?」
キティ「作者さんに聞かないと……。」
全員作者のなれの果てを見みる。
キティ「無理そうですね。」
こんごう「ちょっと待て、『きりしま』!」
きりしま「承知!」
ばきっ!ぼきっ!ばきゃきき!!
作者「はっ!ここは!?」
キティ「いったい何が?」
みょうこう「気にしちゃだめですよ!」
ちょうかい「作者…さん、次回の予定は?」
作者「今、『さん』付けるか迷わなかった?……まぁ、いいや。次回は横須賀に戻ってタイトルにある『The First Navy Jack』がキティに届きます。 」
こんごう「長かったな。」
きりしま「十五話……」
作者「し、仕方ないだろ!
キティ「とりあえずあとでゆっくりお話を……次回もお楽しみに。」
カーティス「感想・評価等もお待ちしております。」
作者「十代最後の投稿なのに……だ、だれか助けてー!」