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第十話 フォール・イーグル(前編)

ついにやってしまった……まぁ猫は嫌いではないですけどね。

それにしても韓国の艦は読みづらい。

フォール・イーグル当日 日本海


キティホークから轟音を立て次々と艦載機が発艦してゆくのキティは見ていた。今回の演習の内容は北朝鮮が韓国へ侵攻してきたことを想定したの海兵隊や陸軍の支援である。


「なんかあの時を思い出すわね………」


キティの頭によみがえる光景それは今では見なくなってしまったが当時最新鋭だった機体がボロボロになって自分に着艦する光景だった。そしてその機体がまだましであったこと二度と戻ってこなかった機体もいたということを思い出していた。

その時キティは後ろから声をかけられた。


「司令。」


キティが振り返るとそこにはカーティスともう一人別の人物いた。


「どうしたの?」


「韓国海軍の方々が司令室に来たのでお知らせにきました。」


カーティスがキティの質問に答えるともう一人が気まずそうに口を開いた。


「もしかして邪魔でしたか?」


「そんなことないわよカウス。」


キティは首を振りながら答えた。

キティがカウスと呼んだのはタイコンデロガ級17番艦『カウペンス』のことである。彼女とは硫黄島からの訓練の後に合流したのだ。

その容姿は13歳程度で首のところで切りそろえられたブロンドが目を引いた。

カウスは相変わらず暗い顔をしていたのでキティは本当のことを話した。


「ちょっと昔を思い出していただけよ。だから気にしないで。」


それでもカースは暗いままだった彼女は一度へこむとなかなか戻らないのだ。キティがどうしようか考えあぐねているとカーティスが間に入った。


「司令とりあえず韓国海軍の皆様が待っているので急いだほうが……」


「それもそうね。カウス行きましょう。」


そういうとキティはカウスの手を取り皆がいるという司令室へ転移した。






キティたちがつくとそこにはヴィルとライエンそして韓国海軍の三人いたがそのうちの二人はキティがよく知る人物だった。三人はキティに気付くと立ち上がり敬礼した。


「はじめましてキティ司令。今回の演習で指揮艦を務める広開土大王クァンゲトデワンです。」


「はじめましてクァンゲトデワンさん。」


「クァンでいいですよ。」


広開土大王クァンゲトデワン級駆逐艦、韓国初の国産の駆逐艦で1998年の7月に就役したばかりの新型艦である。

そのネームシップであるクァンは見た目が18ほどですべての髪を首元でまとめていた。

キティたちが握手すると他の2人も声をかけてきた。


「お久しぶりですキティ司令!」


「元気にしていた?キティちゃん!」


「ニューさん!その呼び方はやめてくださいって言っているでしょ!!」


キティは顔を真っ赤にしながら反論した。


「残念でした〜。いまは大田デジョンよキティちゃん!」


「デジョンいい加減にしなさい。キティ司令に失礼です。」


キティをちゃんづけにして呼ぶのは忠北チュンブク級駆逐艦の五番艦『大田デジョン』である。そして彼女をたしなめるのがネームシップの『忠北チュンブク』である。彼女たちはもともとアメリカのギリアム級駆逐艦『シャヴァリア』と『ニュー』と呼ばれていたがそれぞれ1972年と1977年に韓国に引き渡され『忠北チュンブク』『大田デジョン』となって現在にいたっている。


「え〜。」


「『え〜』じゃないの!第一あなたは昔から……」


チュンブクの説教が始まった。キティとライエンはいつものが始まったという反応をし他の三人は唖然としていたがカーティスが一番最初に回復してキティに静かに尋ねた。


「司令ほっといてよろしいのですか?」


「ええ、あの程度なら昔からよくやっていたわ。」


キティはそう言いながら先ほどより厳しい口調でデジョンを説教するチュンブクに目を向けた。そしてライエンが補足しに入った。


「あの方々はいつもあんな感じでしたからね。特にチュンブクさん、当時はシャヴァリアさんですね。彼女は説教をするとなったらたとえ上官でもとことん説教をしました。当時は『指導のシャヴァリア』と恐れられていましたからね。」


「それって……」


「キティ司令、実はあなたに聞きたいことがあります。」


カーティスは聞きなれたフレーズをライエンが言ったので聞こうとしがクァンがキティに声をかけたのでそちらに目を向けた。


「何かしらクァン?」


「先の北朝鮮のロケット発射……あれは弾道ミサイルなのでは?」


クァンは真剣なまなざしでキティを見つめるがその裏にある感情をキティは見抜いたがあえて冷静にかえした。


「それはどういうことかしら?」


「あなたたちアメリカはあれを弾道ミサイルだと知りながら隠していると我々は考えております。返答は?」


どやら彼女はキティが弾道ミサイルについて何か知っていると感づいているようだ。キティはどうすべきか悩んでいるとヴィルが割って入った。


「フリゲート艦ごときが何、偉そうに話してんだよ。」


「私は駆逐艦ですが?」


ヴィルのいちゃもんに冷静に答えるクァンだがその表情の裏には殺気が感じられた。


「何が駆逐艦だあのサイズどう見てもフリゲート艦じゃねえか。」


確かに『クァンゲトデワン』は国際艦種にはDDH(ヘリコプター搭載駆逐艦)となっているが実際に排水量等を考えるとFF(フリゲート艦)といえる。その一言が発せられた後クァンのほうから何かが切れる音をキティたちは聞いたが当のクァンは静かに答えた。


「あなたこそ駆逐艦ではなくて?」


ヴィルたちタイコンデロガ級は艦種こそ巡洋艦だが実際はスプールアンス級駆逐艦の船体が使われているのだ。クァンの一言に対してヴィルは怒鳴りあげた。


「何だと!」


「何でしょうか。」


たがいに睨みあう二人。見るからに怒っているヴィルと一件冷静そうでありながらも目だけはヴィル以上の怒りを出しているクァン。その二人の様子を見ていたキティたちの横から声が出た。


「あ〜あ、始まっちゃったか……」


キティたちが見るとデジョンがまたかという顔で見ていた。


「デジョンさんどういうことですか?」


カーティスの質問にデジョンは頭をひとかきすると手招きをした。キティたちはデジョンによるとヒソヒソと話し始めた。


「クァンは自分の体(船体)にコンプレックスを持っていてな。なんか言われるといつもあんなになるんだ。」


クァンが睨み合う二人を見ると皆そちらを見た。


「いつもならチュンブクが止めに入るんだけど………」


そういうと皆はあたりを見回した。そして恐ろしいものを見た。


「あ、あれって……」


「うわぁ……」


思わず引きつった声を出すライエンとデジョン。それもそのはずであるそこには睨み合う二人よりもすさまじい気を発するカウスとチュンブクがいた。

睨み合っていた二人も気づいたのかそちらを見たとたん凍りついた。


「お・ね・ちゃ・ん……」


「ク・ア・ン……」


その発言にヴィルとクァンは後ずさりした。その気迫は該当者でないキティたちさえ後ずさるほどだ。


「カウス!これにはわけが……」


「チェンブクさん……」


二人は弁明しようとするがカウスとチェンブクはそれを許さなかった。


「「いい加減にしなさぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」」


カウスとチェンブクは見事なまでに声を合わせて怒鳴りつけるとカウスはヴィルに、チェンブクはクァンにそれぞれ説教を始めた。


「お姉ちゃん!いつも言っているでしょ!人様に迷惑をかけちゃだめって!」


「だ、だけどあいつ俺たちのことを駆逐艦って………」


「それぐらいのことでいちいち突っかからないの!第一お姉ちゃんは……」


ヴィルを説教するカースは先日のカーティスとの争いにまで突っ込んでいる、もう一方のチュンブクとクァンの方はというと……


「クァン!あなたはこれからの韓国海軍をリードする存在なのになんですかあの態度は!」


「し、しかし……」


「口答えしない!あのくらいの言葉無視できなくてどうするんですか!」


カースとはまた違った説教だがその様子は二人とも似ていた。そしてその様子を見ていたデジョンはつぶやいた。


「カウスってチュンブクに似ているな。」


そのつぶやきにキティは答えた。


「まぁ艦隊では今、カウスのことを『指導のカウス』って呼んでいるし……」


「つまり、チュンブクの指導精神はカウスに受け継がれたわけか……『Three pillars of propriety(礼儀の三柱)』の他の二人は?」


するとキティはカーティスとライエンを指差した。差された二人は顔を赤らめたがデジョンは「なるほど」と納得した。


『Three pillars of propriety(礼儀の三柱)』とは第七艦隊の艦隊内で得に礼儀正しい三人のことを指し、指揮官への礼儀を示す『執務』、客などをもてなす礼儀を示す『(まかな)い』、そして礼儀の基本を示すための『指導』の三つから選ばれ二つ名が与えられる。ちなみに現在の構成は『執務のカーティス』、『賄いのライエン』、『説教のカウス』となっている。


二人の説教が始まってからだいぶたちキティが止めに入ろうとした時、緊急の放送が流れた。


『友軍機消息不明!繰り返す、友軍機消息不明!』


その放送に皆凍りついた。


第10回 後書き大会!(大会じゃないじゃん!)

キティ「今回のゲストはこの方たちです!」


カウス「初めましてカウペンスです。」


クァン「広開土大王クァンゲトデワンです。」


キティ「では早速カウスから紹介どうぞ。」


カウス「これですね。」


カウペンス

身長:140センチくらい

体重:秘密です。

見た目年齢:13歳ぐらい

家族構成:姉16人、妹10人

好き:礼儀正しい人、アメリカ

嫌い:礼儀正しくない人(特にヴィル)

特徴:切りそろえられたブロンド


キティ「ヴィルかわいそうね。」


カウス「もう少し礼儀を覚えてほしいです。」


クァン「そろそろよろしいですか?」


キティ「はい、クァンさん。」


クァン「では……」


広開土大王クァンゲトデワン

身長:160センチぐらい

体重:見ないでください。

見た目年齢:18歳ぐらい

家族構成:妹3人(1998年では予定)

好き:韓国、まだ会っていない妹

嫌い:北朝鮮、自分をフリゲートという人

特徴:髪をすべて首元でまとめている。


クァン「私は駆逐艦ですのでお間違えなく。」


カウス「ところで作者さんは?」


キティ「今回は忙しいみたいなので手紙を預かりました。」


クァン「内容は?」


キティ「えっと……『次回は後編』」


カウス「これだけですか?」


キティ「そうみたい……」


クァン「これだったら手紙なくても良かったです。」


キティ「確かに……とりあえず次回もお楽しみに。」


カウス「感想・評価お待ちしています。」


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