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トケナイ氷  作者: 朱手
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第II章騎士団とナイト 8話・準備

遅くなってさらに今回は短いです。いつも読んで下さる方々、ごめんなさい。


「クソッ、俺はあの女一人を確保出来ないどころか、傷一つも付けること出来なかった。

あの女はいったい……」


ブラッドは任務に失敗してしまった自分を許せなかった。


それもそのはず、ブラッドは国際的にも有名なナイトで絶対に強い部類に入る。

それゆえに彼はプライドが高く、自分が許せなかった。


「―ホルアクティ―」

三対の翼を持つ大きな炎に包まれている鳥が現れた。


『なんだ ブラッド。

我に何か用か?』


「俺は弱いのか?」


『そんなことか。

お前は強い、だがまだ完璧に私の力をお前は支配してはない。』


「俺はまだ強くなれるということか?」


『お前次第だ。』


「そうか。なら俺は強くなる。

だからお前は俺と共に在れ。」


『私は初めからそのつもりだ。』


二人は会話が終わるとホルアクティは還り、ブラッドは何処かへと歩いて行った。




 □ □ □




「師匠ー、探してきました。」

サーは夜な夜な見る夢をトラクトにどうにかしてもらおうと言われた物を集めてきた。


「おお、早かったのう。」

トラクトはサーの持ってきた物を一つずつ見ていった。


「水、ある。ガラスのボール、ある。執陣筆(シツジンヒツ)、ある。ん?おい、ワンコロ鏡はどうした?大きな鏡二枚も持って来いと言っただろう。」


「今から創るんですよ。」

ムフフと笑いながら少し水を手に取り魔力を篭める。

以前シードが見せた具現化をサーなりにやって見せた。

それを見たトラクトは驚いていた。


「ワンコロ、おぬしもうそんなことまで出来るようになったのか。」


「師匠が修行見てくれたからですよ。」

サーはお世辞を言うと魔法陣を書くための魔力がインクのペン、執陣筆をトラクトが手に取り、陣を描きだす。


「よいしょ、こらしょ、どっこいしょ!」

トラクトは変な掛け声が終わると共に描き終えて、ボールに水を入れて、陣の真ん中に置き、端に鏡を置き、合わせ鏡にした。


「よし、夜まで待つか!」

「えっ、まだ昼間ですよ!」

「そうじゃな、その間に修行をつけてやろう。」

トラクトは目を怪しく輝かせながらサーに近付いて行った。




 □ □ □




ハァハァと息を切らせながらサーは仰向けに寝転がっていた。

サーとは対照的にトラクトは汗の一つもかかずにに立っていた。


「そろそろ始めるか。」

寝ているサーを蹴り起こしながら陣のチェックをしてスペルを唱える。


「 ―二つの鏡にある

    千の世界

   扉を開けろ

  我が求める扉は

 魂の叫び声の聞こえる

 “過去と悪夢の扉”―」


トラクトがスペルを唱え終わると真ん中に置いた水の入ったガラスのボールが光だした。


「ワンコロ、水の中へ入れ。」

「ハイッ!」

サーは素直に違う世界の扉となった水の中へ入って行った。


過去と悪夢の世界へと。





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