表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武具ぐるみ!  作者: シハラ
chapter1 人形の目覚め
2/2

ぬいぐるみ、早くも死す?

まだ話しを纏め終えていないので、お手数ですがもし新しいページの更新があったら、念の為前のページを読み返すようにお願いします



 はい、お騒がせして申し訳ありませぬ。瞼が無いから目を閉じれないままカメラを連写された訳だが別段、目には何の支障は無かった。カメラのフラッシュで視界が染まりはするが落ち着けば平然と眺めていられた。反射的に眩しいと感じていたようだ。試しに窓から見える太陽も直視して(視線を移して)みたがいくら見つめても視力に異常は起きなかった。ぬいぐるみになった影響なのか?


「メイド長。もう朝食は出来ておりますぞ。病気も程々に頼みますぞ」


 そう言って何処からか現れた老齢の執事が呆れた顔でメイドさんを見つめていた。てかこのロリコンがメイド長て………どういう人選なんだよこの屋敷は。


「あら、もうそんな時間でしたか。時の流れは残酷ですわね。」


 5分以上も撮り続けていた気がするのだがまだ足りないと言うのか。俺に分ける位の分は撮っただろうに。


「お嬢様も寝ていないで早く起きてくだされ」


「………寝てにゃい………起きてりゅ………」


「目を閉じたままでは人は起きたとは言えませんぞ。それに、今日の朝食にはお父様もご一緒するのですぞ」


「……え?お父様、いるの?」


「ええ。昨日の仕事が早めに終えられたそうで。しかし今日も仕事で忙しくなる故、ゆっくり出来るのは朝方までですぞ」


「あ、あわわわ、早く着替えないと!ゲリュートさん、イオお願い!」


「はいはい、承りました」


 おっと、お嬢様のお着替えタイムのようだ。紳士である男子諸君は見ないようにアッチ向いてホイだ。


 え?俺はどうなのかって?いやーしょうがないけど体が動かないからね。瞼も閉じれないから不可抗力だね!ていうかあのメイドがお嬢様に手を出さないとも限らないから見張ってないと!そもそも俺は今ぬいぐるみだから幼女の着替え見ちゃっても何の問題も無いよねえ!!











 はい、結論から言いますと、全く見れませんでした。

 何かメイドさんが呪文らしき謎言葉を呟いたかと思えば宙に黒いカーテンらしき物が現れで着替えシーンを遮られた挙げ句ゲリュ爺が俺を抱えながらベッドを直したり窓の外を眺めたりで…………


 いやいや、別に残念じゃ無いよ?メイドさんがお嬢様に何かするんじゃないかと心配だっただけであって下心なんてこれっぽっちも………え?あからさまな嘘を吐くな?もうバレバレだって?ははは、何の事やら…………はい、すいません。俺はロリコンです………


 ま、まあそんなことよりさっきの黒いカーテンって、もしかしなくても魔法だよな?呪文かなんかブツブツ言ってたし。死んだら神様とエンカウントしたり気付いたら異世界で〇〇になってた!とかでお馴染みの異世界…………転生?転移?どっち?

 まあ何故か気付いたら俺は異世界で人形になっていたと。うん、何で人形やねん!これじゃあ起承転結の起すら始められへんぞ!お嬢様にこうやって抱えられるだけでお話が終わってまう!………それはそれでありだな。


 んで、今お嬢様に抱えられて食堂に向かっている間に考え事をしてたが、何か見覚えってか既視感あるんだよねこの廊下。めっちゃ朧気に頭の中で浮かんでは沈んでるような記憶が。あれか?このぬいぐるみにある記憶的な奴なのか?だとしたらすいませんねぇちょっと返却日未定の間お世話になりますよ。





 はい、高そうな家具やら絵画が並ぶ廊下を眺めてる内に食堂へ足を運ばれました。どれもこれも既視感満載であまり感動出来なんだ。まあ別にそんな大層な感性は持っとらんけど。


「お父様!おはようございます!」


「ああ。おはようカレナ」


 食堂の扉を開けると共にテーブルの奥に座ってる金目金髪のダンディーなおっさんに駆け寄って抱き付くお嬢様こと、カレナ様。ほうほうお嬢様の名前はカレナ様だな、記憶した。


 お嬢様が席に着いて始まったブラークフェスト。え?発音違う?気にすんな。

 さて、カレナ様の朝食の邪魔になるからとメイド長に抱えられて傍らから見守る状態と。どんな朝食かな~明らかに金持ちだしさぞ化し良いものを食べて…………うん、豪華。それしか言えない。俺の感性に期待するな。てかこちとら嗅覚も無くしてるというのに視覚のみだけで飯テロを受けてんのやぞ。ぬいぐるみだから腹空かないけどそれが逆に辛いっての。あ~幼女が上品かつ美味しそうにご飯を食べてる絵を見るだけとは辛いですわ~体動かんからハスハスもクンカクンカもいえ何でもありません。


「お父様?昨日のお仕事はどうしたのですか?」


「ん?昨日の仕事は珍しく早く片付いてね。カレナと朝食を一緒にする時間を取ることが出来たのさ」


「………ということは、この後はまたお仕事があるのですね……」


「……すまないな。だが、今日の仕事が終われば明日は夕方までゆっくり出来そうなんだ」


「えっ!?本当なの!?やったあ!!」


「ああ、本当だとも。ただし、今日はカレナにも手伝って欲しいことがあるんだ」


「え………まさか…………」


「リガーリナ家とチカデマター家のご子息さんの御相手を頼んだぞ。頑張ってくれ」


「………うぅ…………はい」



 ふむ、普段は仕事詰めのパパだけどちゃんと娘に愛情を持っている。久々らしい一緒の朝食でカレナ様もそりゃ張り切ると。(ただの早起きだが)で、今日の仕事が金持ち同士の集まりでここの家に集合予定。大人の話しだから子どもは子ども同士で遊ぶように、と。しかし!カレナお嬢様はどうやら人見知りする幼女可愛いじゃねえ、そのご子息さん達の相手を頼まれてパパの為にも少しは頑張ろうとする幼女健気で可愛いという事か。


 うーむ、人見知り幼女は良いが、それよりは笑顔のカレナお嬢様だしな。しかしこんなぬいぐるみにゃ何の力にもなれねぇ。くそっ、動け!俺の体よ!!カレナ様を頑張れって頭よしよしして励ましてやるんじゃああああ!!






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ