2.灰色
明けましておめでとうございます(_ _)
まだ2話目だしそもそも読んでくださる方が数人しかいませんけど…今年もよろしくお願いします。
「彩理沙ちゃんおはよう!」
今朝もいつもと変わらずいつものところで海玲と待ち合わせる。そしていつもと変わらず海玲が先に着いて待っている。
「海玲おはよう〜。」
私達はいつものようにローファーのヒールの音を静かな住宅街に響かせながら学校へ向かった。
しかしいつもと違うことがひとつだけあって、それは彩理沙が登校中終始誰かに見られているような気がした事だった。ただ海玲は気づいてないようだし楽しい会話を中断してしまうのも嫌だったのでその時は気のせいだと自分を信じ込ませていた。
校門の前辺りまで歩いてくるとほかの生徒の姿も見え始め、クラスメイトや友達と合流する。
やはりこの時も彩理沙は誰かの視線を感じていた。
8:30のチャイムが鳴り、担任が名簿とプリントを入れたカゴを持って教室に入ってくる。
「学活やんぞ〜席に戻れ〜。」
生徒は仲良く話していたのを中断し席に着く。私も海玲の席から離れ窓側の自席へと戻る。
「起立…気を付け…礼!」
日直の号令が朝の教室に響く。
「今日はみんないるな?遅刻もなし。オッケー。…で重要な連絡があって…。」
いつものように雑な出席確認をした後、担任はちょっと一呼吸置いて改まって言った。
「昨日学校周辺で不審者が出たという事だ。全身灰色の男が下校中の女子生徒3人を襲ったそうで、男は特に武器は持っていなかったが3人とも軽い怪我をした。まだ犯人も分かっていないので出来るだけ固まって下校するようにと。一応先生たちもパトロールをするから何かあったら近くにいる先生に言うように。よろしく。」
私は朝から重たい話だとため息をつきながら窓の外を見た。近くの家の屋根から小鳥たちが一斉に飛び立ち、灰色の何かが道路を横切るのが一瞬見えた。
「えっ、嘘…。」
私は鳥肌のたった自分の腕を抱えた。
今回はちょっと短めでした。次は長く書きます(>ω<)