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第三十四弾 ノックは二回
足音の主が玄関のドアを「コン、コン」と、二回ノックする音が聞こえる。
「誰かいますか――!」
声色から判断するに、若い女性の声だ。
リーネがここを訪れて来た時と同様の、鬼気迫る声。
恐らく、リーネが住んでいた村から逃げて来た人だと、頭の中で認識した。
「貴方、お一人ですか?」
「ええ、私一人です。不躾なお願いですが、家の中に入れて貰えないでしょうか? もうすぐ日が暮れ、この雨の中、夜の森を行動するのは自殺行為なので」
「この声!」
リーネは俺の背後から飛び出し、外にいた人物を中に招き入れた。




