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第二弾 銃持ち
「ハァ? 何で俺、そんな危険な場所に侵入してるの? 森にマツタケを採取しようと意気込み、迷子になった遭難者か?」
記憶を辿ってみても、日本人と言う事は覚えているが、自分の名前を思い出すことが出来ない。
まさに、俗にいう記憶喪失って奴だ。
それに俺の恰好が、色々とおかしい事に気が付いた。
旅用の長袖シャツ、黒のズボン、丈夫な革靴と、ここまでは分かる。許容範囲だ。
だが、腰にある物には、本当に身に覚えが無い。
小型のリボルバーらしき銃が、腰に着いているホルダーケースに収まっていたからだ。
「嘘だろ!? 俺はこの森で、狩りでも楽しんでいたのか!? 猟銃法で捕まるだろ……」
俺はホルダーから銃を抜き取り手にやる。
次の瞬間! 脳内画面にステータスが表示された。