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呪い~八話~

クラスで人気の 生き物係

私はまだやったことがなかった。

いつもそこにいるのは 凛だったし……

競争率も激しいし……


でも動物は大好きだった。

学校帰りには必ず立ち寄って うさぎのピョンちゃんに

「また 明日ね~」と声をかける。


猫を欲しがる私に

私が小学生になったらねと母が言った。



それももう夢になっちゃったけどね……。



今回は学期ごとに決める最後の係だった。

いつものように数人手をあげた中に 凛はいなかった。



私は恐る恐る手をあげてみた。



「さっちゃん やってみたいの?」

担任が言うと 一斉にみんながふり向いた。



「はい。」小さい声で言った。


私が声を発するなんてめずらしいことだから

クラスメートはものめずらしそうにしていた。



「はい!!」


まっすぐ手が伸びた凛が立ちあがった。


「私もやりたいです。」



  え・・・しないっていったじゃん・・・・



「そう……一人多いわね。」



担任に

「それじゃいいです」そう言えずに私は困った。

凛と一緒にやりたくないし

一人多いなら自分があきらめた方がいいと思っていたけど

流れてきに投票することになって

みんながざわついた。


顔を伏せて手をあげる。

自分には投票できない。

もちろん私は凛には手をあげない。



  どうせダメなんだろうけど


ほとんどあきらめかけていて

顔をあげると



  え・・・・?



なんと凛の投票を遥かに超えて

黒板にはほとんどのクラスメートの票数が私に入っていて

顔をあげた子たちはどよめいた。



担任もこの場は逃げるべきと思ったのか


「それじゃあ みゆちゃん けんたくん こうくん それから

さっちゃんで決まりね。責任持ってやってくださいね~。」


みんなが一斉に拍手をした。


凛は顔を真っ赤にして下を向いていた。



  怒ってるよ……

  ざまーみやがれ……


卑屈な私は優越感に浸る。

担任が教室を出て言ったらすぐに



凛が机をバンと叩いた。



「なんで?みんな私に入れないの?」

凛にはいった票はたった三人だった。

それはショックだったと思うけれど……。



「ね?ひよりちゃんは?私に入れたの?」


この間まで一緒に係をしていたひよりちゃんの顔がひきつった。



「なおちゃんは?ともちゃんは?」



キンキラ声を張り上げて 仲間内に聞きだした。



「なんで私が三票なのよ!!」

凛は私に大差で負けたことに納得がいかない。

私が手をあげたから 意地悪しようと思って自分もあげて

このざまだし・・・それは凛があまりに気の毒だなって思う。



「おまえさ~わかんねーの?」


こうくんが立ち上がった。



「何が?」



「おまえなんか 係になったって仕事全然しないじゃん。

小屋の掃除だって フンがやだとか手が汚れるとか言ってさ

おまえと組んだやつみんな困ったんだ。

だいたい動物も好きじゃないのになんでおまえ係やりたいの?」



こうくんの発言にみんなも口ぐちに

凛の事を言いだした。

思いがけない展開 私はワクワクしてる。



「とにかくおまえとは一緒に仕事したくない。

教室の掃除だって 給食当番だって

おまえいっつも幸に やらせてるだろ?

先生がいる時だけいい子ぶって。

幸はおまえに押し付けられたって きちんとやってくれるし

あたり前の結果だろ。」



こうくんは男子の中でも元気で活発で頭もいい子だった。




こうくんの言葉にさすがの凛も何も言えなくなった。

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