表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/190

憎しみと愛~六十八話~

圭さんが板垣の家で食事をする夜は 凛もやってきて

二人は競い合って圭さんのそばに陣取る。



私はいつものように騒がしい食卓に 料理を運んだ。



何もないかのように演じる私たちが

秘密を楽しんでいるようで楽しかった。



華子と凛が かわるがわるに圭さんに話かけていた時

睦月が帰ってきた。



「おかえりなさい。」


叔母はとろけそうな笑顔で睦月を迎える。



「睦月 またいい男になったな。」圭さんも眩しそうにしている。


睦月はまた少し背が伸びてすっかり声も男らしくなった。

どこか圭さんに似ているのは 叔母が圭さんのおねえさんだから。



「圭くんも相変わらず大変そうだね。

うちではまたうるさいやつらに囲まれて

一人暮らしを始めたら 大人の女の人と・・・・・。

やるな~圭くんは~~

今度そういうテクニックも教えてもらわないと……。」



華子と凛の手が止まった。

そして私もその言葉に激しく動揺した。



「圭 何かいい人がいるの?」叔母がすかさず尋ねた。



「睦月 余計なこと言うなよ。

誤解されるだろ?それでなくてもうるさいのに。」

圭さんの顔も警戒顔に変わった。



「ほら松下女史のことだよ。」



圭さんが叔父にそう言った。



「松下くんは優秀だろう?」



  叔父が言ってた人が・・・・・


「うん。優秀だよ、彼女のおかげでずい分やりやすいから。」




  結婚相手にって企んでいる人が……



「めっちゃ美人だよな。

圭くんはあんなキレイな人と仕事してるんだ。」




  睦月のバカ・・・・・



聞きたくないのに・・・・・。



「女じゃないよ。あの人は絶対に

結婚とかしないんじゃないかな。

女でいるのがもったいないよ。」




「頭のいい人だからな。

きっとお前の仕事にも欠かせない存在になるよ。」



叔父の言葉の意味を知っている私の心は落ち着かなかった。




  企んでるんだよ



そう叫びたくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ