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憎しみと愛~六十四話~

圭さんが引越してから 凛は来なくなったし

華子は部屋にこもるようになった。


そんな華子を叔父と叔母は心配していた。


「圭がいなくなってずっとあんな調子だぞ。

華子は大丈夫なのか?」



「なんだか体調がすぐれないとか言って…また学校も休んだの。

どうしたら圭をあきらめてくれるのかしら。」



華子は大嫌いだけど でも圭さんを愛する深い心の強さには

敵ながらあっぱれなところもある。



「好きな人とかが現れてくれたらいいんだけど……。

あなた…早くあのお話を進めて・・・。」




  お話?


二人の声に集中した。


「いい感じだけどまだ急がせても……

彼女はゆっくりと私を必要としてもらってから話てくれと言うんだ。」



  彼女?

私の心は凍りついた。


「圭にはまだ 彼女がそういう相手なのを話すなと言うから……

もう少し見守ることにするよ。

今の仕事も かなり彼女のサポートがきいているようだし

なるべく二人で組ませるようにはしてるんだが……。」




叔父と叔母が何か企んでいる

私は不安で胸が押しつぶされそうだった。



実際 最近の圭さんはとても忙しそうで

私は学校帰り毎日行っているけど 圭さんには会えずに帰ってくる。


昨日はとうとう悲しくて

電話口で泣いてしまった。


「お仕事なのに泣いてごめんなさい。でもあいたくて……。」



「ごめんな。ほんとごめん。

悲しい思いさせて…今の仕事がもう少しで一段落つくから

もう少し待ってて~~もう千倍可愛がってやるから~」

圭さんはいつもの圭さんで


「わがまま言ってごめんなさい。」と私が謝ると



「めっちゃ抱きしめたい。

やっぱ引越ししたのは間違ってたな。」と笑った。



目を盗めばいつでも圭さんを感じられるから……。



その仕事の中に 企みがあるのを知って私はさらに不安になった。



  どんな人なんだろう…


  キレイな大人の人だったら勝てるわけがない…



会えない時間は 不安を育てて行く・・・・。



「なんか最近 元気ないな~おまえもねえちゃんと同じで

圭くんいない症候群か?」



睦月は勘が鋭い・・・・



「え?何言ってんだか…凛が来なくてせいせいしてるよ。」

それは本当~~



「平和だよな~あの二人が騒がないんだからさ。

そう言えば この間圭くん見かけたよ。

すごいキレイな女の人と仕事してんだな。」


 


  !!!



「キレイ?」恐る恐る感情を見せないようにさぐりをいれた。



「スーツ来ててもスタイルのよさはわかったな~

こう言う感じ」と言って


 


「ボン キュ~~ッ ボン」



ウエストのくびれを象徴したジェスチャーで教えてくれた。




「へ~~そうなんだ~~」平静を保つのに必死




一瞬自分を素早く比べてみた。



  くびれ・・・・・ちょっと幼児体型かな私・・・・


「好きなヤツとうまくやってんの?」睦月の切り替えになかなかついていけない。


動揺してる自分がいる。



「え?」



「好きは人いるんだろ?」




「あ・・・うん……いい感じだよ…」心ここにあらずを必死に手繰り寄せた。



叔父の企み……

圭さんを私から奪おうとしてるのは 確かだった。

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