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憎しみと愛~六十三話~

悔しかった…悔しくて部屋に当たり散らした。

ここでいろいろ辛い思いもしたけど 今日くらいは腹の立つ日はめずらしい。


「何にもしらないくせに……

最高のパパのこと…バカにして絶対許さない……。」



私は枕を壁に叩きつけ 暴れ続けた。

この怒りをどこにぶつけたらいいんだろう。



「頭冷やして来よう……。」



さすがに暴れすぎて疲れて……


私は久々にバルコニーのドアを開けた。



ここで圭さんと初めてキスしたんだった。



 絶対明日 圭さんのとこに行こう。



そう思ったらスーッと怒りがひいた。


ベンチに横たわって目の前に広がる星を見ていた。



「絶対に幸せになってやるんだ。」

あの二人の悔しげな顔を想像して少しだけ幸せな気分だった。



だって…私の隣には

憎き あの二人が愛してやまない人が私を支えてくれるんだから



私と圭さんが愛し合ってるって知ったら

あの二人どんなに悔しがるかしら……


想像したらおかしくて笑えた。



「あはは・・・あはは.....。」



  今に…今に見てなさい



板垣家に対しての復讐心で一杯な心が けがれていくのを

私はまだ気が付いていなかった。



ただ ただ憎くて……

私と圭さんの愛までもその汚れが広がっていく……。




その時だった



「痛っ!!」


ひさしぶりだったあの傷が痛くて痛くて



  やだ やめて 絶対やめて……



「こんな痛みは絶対偶然なんだって…そんな呪いなんて

あるわけないじゃん……。」



私は必死にそう思った。

思うようにしていた。



  邪魔しないで…



もうすぐもうすぐ 私は幸せになれるんだから……



ベンチの上で痛みにのたうちまわりながら叫んだ。



「絶対 負けないから!!」



絶対幸せになるんだ。

くだらない偶然なんてクソくらえだ……。

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