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秘密~六十二話~

あんまりにも暇だったから 勉強でもしようかと机についていると

下が騒がしくなってきて 圭さんが帰ってきたことがわかった。


華子も凛も私が帰ってきても謝罪一つない。


  ほんとふざけんな……


背中にはまだ赤い痕がついているのに…



「痛いから わかりましたって!!」その騒がしさが近づいてきて

私は慌ててベットにもぐった。


  ドンドン


ノックする音 私は体を固くした。



「幸 入るよ。」

圭さんの声がして布団から顔を出した。



「ほら 謝れ 華子!!」


私のベットの前に華子と凛をつきだした。



「私には関係ないじゃん。」凛が圭さんに媚びるように言った。



「うるさい!!もとはと言えばおまえたちの喧嘩から始まったんだろ?

迷惑をかけた幸に ちゃんと謝りなさい。

俺をまた怒らせる気か?」



圭さんの声が怖いくらい怒っているから

二人は慌てて私の前にきて


「ごめんね。」と事務的に言った。

心は一つもこもってない。



「もういいでしょ?それより圭くんいつ引越すの?

どうして住所教えてくれないのよ!!」もう心ここにあらず。



一気にむかついてきた。

こっちはもしかしたら傷は残るかもしれないって言われて

うつぶせ寝だって苦しくて……



「土下座してよ。」自分でも怖いくらいつめたい声が出た。



「はぁ?」見るからにバカにした二人の顔に余計に怒りが爆発した。



「口で謝るのはいいから

土下座して。」




「なんなの?こいつ調子こいてねー?」



二人の顔が意地悪顔 MAXになっている。

負けるもんか・・・


圭さんが少し驚いた顔をしたけど 私の方を見てウインクをした。



「痛かったの。傷が残るかもしれないの。土下座して。」



「あんたが余計なことするからよ。」凛が凄んだ。



「これが睦月の顔だったら あんたたちどう責任とんの?

顔だったら一生傷残ったら?どうする気なの?」



「別にいいじゃん。睦月なんか家のために何もなってないしね。」

華子が吐き捨てるように言った。


「虚弱体質のマザコン男が 急に調子こいて

誰も何も言わないことをいいことに

圭くんに助けられて生きるしかできないただの社長の息子

どうだっていいわ。

外で迷惑かけんなら火傷で外に出られない方がよかったんじゃない?」


華子の言葉に耳を疑った。



「それってあんた 本気で言ったの?」



「あんた?世話になってるのにその態度何よ。」



「あんたに世話になってない。

あんたの親に世話になってんだよ。」私だって言いたいことうっぷんいろいろある。




「ちょっと生意気じゃね?園から来たくせに

うちの親がここに住まわせて 学費払って なのにその態度?

少し頭がいいからって 上から目線でしょ?

自分の身分も知らずにね~」華子が私を睨みつける。



「身分?何よそれ……」



「あんたちって人に不快感を与える血統なのよね。」



  あんたたち?


「あんたのおとうさんってすごく悪かったんですってね。

不良で喧嘩してばっかりで 迷惑ばっかりかけてたって。」

華子がニヤリと笑った。


  パパが?



「うちのパパが言ってたわよ。どうしようもないヤツで追い出されたって。

板垣家のガンのようなやつで 幸が板垣じゃないのは

おじいさんが許さなかったんだって それだけ嫌われていたのね。」


凛の鼻の穴が広がった。


「嘘つくな。」私はもう発狂寸前だった。



「いい加減にしろ。おまえらここに何しに来たんだ?」


圭さんの怒鳴り声に私たちは余りに怖くて黙り込んだ。

圭さんの後に睦月が見えた。



  睦月に悪いことしたかな


散々言われた睦月が傷ついてないことを祈った。




「おまえらってほんと最低だよな。

それじゃあ絶対に圭さんどころか他の男一人

近づくことねーな。

顔も醜きゃ心はもっと醜い

おまえらソックリだもんな。」



睦月が圭さんの後から出てきた。



事がまた複雑になってきた・・・・・・。

どっちにしても



華子と凛が最低すぎる。

私は父を悪く言ったのを絶対許さないと叫んでいた。

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