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秘密~五十四話~

圭さんが帰ってきて 板垣家は大変な活気だった。

凛は毎日のようにやってきては 娘を迎えに父親洋一までもが

毎晩ギリギリまで家に居座った。



シノさんやナオさんが帰ってからは私だけになるから 最悪だった。



私は自分の時間がなかなかつくれなくて

キッチンのカウンターで勉強や宿題をしていた。



圭さんは目も合わせてくれなかった。

ここでは事務的に私に接する圭さんは

二人っきりになって私が



「あのとき こうしたでしょう~」と執念深くつめよると



「ごめんね」 その分キスをしてくれる。



圭さんのお城に私の洋服が増えた。

最初は 近くのスーパーで圭さんがワンピースとボレロをかってくれてて


午前授業で飛んで行った日

私はそのワンピースに着替えて髪の毛をおろして

圭さんと手をつないでスーパーで買いものをした。



「新婚さんみたいだね。」嬉しくて嬉しくて

天にも昇る気持ちだった。



愛する人のためだけにつくるささやかな料理

そして反応をたしかめながら二人で食べる食事


わいのわいのと一緒に片づけて

私はソファーに圭さんをおいやって掃除をダッシュでやった。



「いいよ~そんなこと

俺が休みの時 時間作ってくるからさ、

それよりさ…おいで……。」圭さんがむくれてる。


むくれてる顔が可愛い。

わざとに反応を楽しんで圭さんの手から逃れた。



「怒ったからな~」そう言って圭さんは寝室に入って行った。



  子供みたい…


そう思って吹き出した。

あんなに落ち着いた様子の圭さんが 子供みたいに駄々をこねたりむくれたり



少ししてからベットに近づくと



「やっときたか~~」



「キャ~~」



私はあっという間にベットに引き込まれて圭さんのお仕置きを受ける。



「圭さんのガキ……。」



「何よ~~許さん~~」


圭さんによってどんどん私は幸せな女になっていく

心も愛で満たされて

体も圭さんの唇や指・・・そして舌で未知への扉を開いて行く。



呪いの傷にキスをしてくれる。

優しい指が傷を撫ぜてくれる。



私の 呪い を知っているかのように・・・・。



あんなに激しく愛してくれた圭さんは板垣家では 全く違う人になる。

圭さんの方が

主演男優賞のようだった。



ベットに入ると隣の部屋から二人で決めた暗号でささやきあう。



コンコンが五つ あいしてる


どちらかが眠りにつくまで静かに愛してるを語り合う。


コンコンコンコンコン



秘密の時間は私を どんどん変えて行く。


幸せになれない幸から 幸せな幸へと……。

圭さんのためにもっともっとキレイになりたい……。

もっともっと輝きたい。



私の愛される自信に拍車がかかって

幸せな秘密がどんどん増えて行く。



圭さんが板垣の会社に就職して なかなか時間がとれなくても

私は毎日お城に通う。



そこで圭さんを一杯感じる。

白いコピー用紙にたくさんの愛を書いて テーブルの上に置いて帰ってくると

必ず圭さんからのお返事が書かれている。



お城から携帯に電話をして 外回りをしていたら

圭さんは必ず帰ってきてくれた。



短い時間で忙しく愛を語り合い 抱きしめ合う。



まるで魔法にかかったように私と圭さんは時間を惜しんで愛し合う。


「愛してる…」


その魔法は私を美しくしてくれる気がする。



「俺のもの……。」幸せな愛の言葉に包まれて私は幸せの絶頂に立っていた。




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