愛される自信~四十八話~
「おとうさま 圭くんの就職決まったんでしょ?
もういいじゃない。教えてくれても……。」
華子は最近こればっか叔父に聞いている。
「まだだよ。
圭にも一応覚悟っていうものがあるからな。」
叔父がはぐらかす。
「もうもったいつけないで早くこっちに帰ってこればいいのに。」
華子はそう言うと部屋に戻って行った。
「あなた…」叔母
「どうした?」
「圭はうちの会社で働いてもいいのかしら。」
「どうしてそんなことを言う?」
「このまま華子と離した方がいいんじゃないかしら。」
「ん……。」叔父も難しい顔をしていたけど
「圭には こっちに来たらすぐにでも見合いをさせて
早めに落ち着かせようと思っているんだ。」
「お見合いね・・・・。
圭が納得するかしら。」
「ああ見えても圭は そんな決まった女はいない様子だし……
おかしな虫がつくまえに俺がしっかりした奥さんを見つけて
圭の憧れのうちのような家庭を築かせる。
それでいいんじゃないかな。
うちの会社の将来には 圭は欠かせない。
そのために勉強してくれたんだ。」
「それはそうだけど……。」
「睦月もまだまだあんなんだし……
圭に肩腕になってもらわないと 安心して死ねないよ。
圭に経営をまかせたら 二人でゆっくり海外で暮らそう。」
「海外ね…すてきね…。」
叔母の声がすこし 明るくなった。
大切な圭さんが 私と好き合ってるなんて知ったら
この人たちどうなるかしら
華子だって…きっと気が狂うだろうな。
楽しみだわ
そこに睦月の正体も ばれたら
この幸せ家族はいったいどうなるんだろう。
もうすぐ もうすぐ
「幸 進路はどう考えているんだ。」
「あ・・・まだ何も考えてないですけど……」
「今からしっかり準備しておかないと。」
「はい。」
叔父は書斎に入って行った。
「睦月 遅いわね……。」暗い窓の外を見ながらため息をついた。
睦月はきっとあの仲間たちと
街を徘徊しているんだろう。
キレイな横顔だった。
少しだけ圭さんに似てる気がしたした。
叔母さん圭さんは 私のものです。
心の中でつぶやいた。
あなたは祝福してくれますか?
叔母はカーテンを閉めて 部屋を出て行った。




