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プライド~三十一話~

三階に上がると

シノさんとナオさんの話声が聞こえた。



「旦那さまと奥さまにはお話した方がいいかしら。」




「圭さんが誰にも言うなっていったんでしょ?

それじゃあ 知らない振りしておいた方が…」




「そうよね。

とりあえず圭さんが言ったように寝るとこだけ

用意しておいたし……

明日は大変な騒ぎになるわね。

華子さんもあんな感じだし

私は 凛さんが来ないことを祈りたいわ。」



  私も…そう願いたい……



「それにしても圭さんはすごいわよ。

高専で勉強して 今度は大学でまたやるんだから

たいしたものよね。

睦月さんがあの調子だから 旦那さまも安心できないし

甥の圭さんがしっかりしてくれていたら

後継者のことは全然心配もないでしょう。」



圭って人はすごい人何だと思った。

勉強が好きなのかしら……私はそんなに勉強はしたくないと思った。



「ここに帰ってきてもうるさいのがいるから

帰ってきたくないんじゃないのかしらね。」



「それは言えるわ。

ほら あの時は私も驚いたけど

凛さんと華子さんを引っぱたいた時

あんなに怒った圭さんを見たのは初めてだったわ。」




「ああ…なんか勝手に入って行って見つけたものに

言い寄った時でしょ?あれって小学校に上がる前だったわよね。

どっちにランドセル買ったんだって……

大変だったわよね。

ところであのランドセルはどうしたんだっけ?」



「捨てたんじゃなかった?かなり発狂していたから

怖くてどうしたのかわかんないわ。

でもあれってどっちに買ってあげたんだと思う?」



「華子さんでしょ?

それを凛さんに見つけられて言えなかったんじゃないの?」



「圭さんをめぐってバトルすごいから~」



「でも華子さんは…どう頑張ったって…ムリでしょうけどね。」



「いろいろありそうね。

圭さんの結婚相手が思いやられるわね~」



そう言いながら二人はお茶をすすった。



  うんうん


いろいろあったんだ……。




  ランドセルか……



私は部屋に飾ってあったランドセルを抱きしめた。

誰がくれたのかわからない

私の宝物………。


華子と凛は

「もうかっこわるいから」と言って四年生でもうリュックに変えたけど

私は6年間使い続けた。


「いつまで使ってるんだろうね~」


大きくなってきた体に乗っているバランスの悪くなった

ランドセルを二人にバカにされたけど

私にはどうしても放せなかったから……。



卒業した時は 誰も来てはくれなかったけど

ランドセルが祝ってくれているような気がした。



「圭って人 明日来るんだって。

ちょっと興味あるよ。明日どうなるんだろ。」



少し胸がドキドキしていた。

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