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プライド~三十話~

読者様


タイトルがずっとしっくりこなくて

やっといいタイトルが思いつきました。

急に変更して驚かれたでしょうが これからもよろしく

おつきあいお願いたします。

「誕生日なんてしなくていいから。」



華子が言った。



私がいるのに気づかずに言い合いが始まった。



  おもしろい!!もっともめたらいいのに!!

そんな気持ちで私は向こうから見えないように

体を隠して耳を大きくしていた。



「もう誰にもお祝いなんかしてもらわなくていいわ。

おとうさまもおかあさまも 卑怯だから。」



「華子 いい加減にしなさい。」

叔父が言った。



「圭くんをどうして遠くにやったの?

高校だけ我慢しなさいって言ったでしょ?

H大に来るってずっと思ってたのに 嘘つき!!」


華子はすっかり憔悴しきっていた。



「中学校も行かない。」



「圭が頑張って勉強するのにか?

おまえは恥ずかしくないのか?

圭は専門的な勉強をして そして次は私の肩腕になるために

経営の勉強をしに大学に行くんだよ。

そんな圭に恥ずかしくないのか?」



「だって…もう五年も帰って来ないのよ。

一回もだよ。会いに行ったって何回行けた?」



夏休みや冬休みには圭に家族で会いに出かけていたけど…



「今度はもっと遠くなのよ。

またもっと会えなくなるじゃない……。」




「なるべく今度は帰って来るように話しておくよ。

高校の時はアルバイトもできないし 圭のことだから

私に負担をかけたくなかったんだろ。

今度はアルバイトもできるし

今までよりはもっと会いにきてくれるさ。」



「おかあさま 約束させて!! 

圭くんに絶対遊びに来るようにって!!」



「はい…はいわかったから…

もういいでしょう?

圭のことになると華子おかしいわよ。」



「おかしい?

私は真剣なのよ!!

絶対圭くんのお嫁さんになるから。

世間は認めなくても おとうさまとおかあさまは許してね。

子供つくらないで戸籍を入れないといいんでしょ?

私は真剣だから……。

それから圭くんが帰ってくるまで

お祝いとかしなくていい。願掛けするから。」



そう言うと部屋のドアをバタンと閉めた。




「困ったものだな。

最初は愛らしかったけど…さすがに心配になってきたよ。」


叔父がため息をついた。



「あなた…圭は…こっちに戻さない方がいいわ。

このまま戻って来なかったら華子もあきらめるから。

心配なの。華子は圭のことになると

気違いみたいになるから。」



叔母も叔父の隣に座りこんだ。



「何を言うんだ。俺は圭を頼りにしてるんだ。

睦月の肩腕になってもらって

この会社を二人で盛り上げてもらいたい。

人嫌いする睦月だって 圭にだけはなついているし……

うちには圭が必要なんだよ。」




「それはありがたいけど……。」



「今にきっと卒業するよ。

圭があまりに素敵な子だから 華子も魔法にかかっているけど

そのうち早めに圭にはよい伴侶を見つけて結婚させるから

安心しなさい。」



  本当だ



叔父は叔母にはとても優しい顔をするんだ。



「私はおまえを愛してるよ。

おまえの愛してるもの全部……俺は受け入れてるつもりだよ。」




「ありがとう……。」



叔母が叔父の肩に頭を乗せた。




その様子を見ながら 

少しうらやましいと思った。

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