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折れる心~二十七話~

帰り支度を終わらせたシノが



「おじょうさまたちと知り合いなの?」と聞いてきた。



「前の学校の時 凛と同じクラスだったから……

園の子ってすごくいじめられた。」




「そうだったの……。」シノが気の毒そうに言った。




「凛さんは意地悪だから……

あそこの家はみんな意地悪で有名なのよね。

家政婦事務所でもあそこにいかされたらみんな

リタイアしちゃうんだって。」



「凛が意地悪なのは遺伝なんだ……。」

思わず口から出てしまった。



シノは大爆笑



「あはは…あ~~ほんと遺伝なのよね~

おかしい~~あはは…

私たちも凛さんが来たらほんと気を使うのよ。

凛さんのおとうさんは旦那さまのいとこなんだけど…

これまた曲者で…おまけに奥さんもかなりの神経質で……

私はよかったわ。

ここはいいもの。旦那さまも奥さまも

本当にいいかたで。」



  いいかたかな…?



私にしてる仕打ちはいい人だとは思えない。



「でも知らなかったわ~旦那さまが双子だったなんて。

私も結構長いのよ。

先代がいらっしゃる時から働かせてもらってるから。

でも一度もあったことなかったけど

幸ちゃんのおとうさんに似ている?」



「顔だけです。

パパはもっと顔をくしゃくしゃにして笑ってた。

幸には笑ってるパパしか思い出せないから。」



「そう。

旦那さまはそうね笑わないわね。

ご家族といらっしゃる時…特に圭さんが来た時は

とてもご機嫌なんだけど……。」




「圭さんって・・・?」




「奥さまの弟さんですよ。今 地方の高校にいって寮に

入っているのよ。家にいる時は大変

華子さんと凛さんと毎日奪い合いで大ゲンカして……

だから圭さんも嫌気がさして 向こうに行かれたんだわ。」



そうだろうな……

そこに圭って人がいなくてもこの様子だもん…

それはイヤになるわ……。



「それに勝手に部屋に入って凛さんと華子さんが

何かしたらしくて…いつもそんなに怒らない圭さんが

人が変わったように怒って……それから少しして

地方の高校に志望校変えたって言いだして

もう大変だったの。

ほんと圭さんのことになると普段クールな華子さんも

性格変わっちゃうし……

旦那さまも奥さまも頭痛いんじゃないかしら。」



シノの情報は結構おもしろい。



「睦月さんも圭さんにはなついていたし……

圭さんって人はほんと私たちにも優しい挨拶をしてくれて

小さい頃から本当にできた方だったわ。」



「小さい頃から・・・?」




「奥さまとはずいぶん年が離れているのよ。

いろいろあって奥さまは家庭的に不幸な方で……

圭さんの面倒をずっと見て来たの。

お優しい天使のような方だから……圭さんも穏やかに

育ったんでしょうね。」



確かに叔母の笑顔は本当に美しいと思った。



「旦那さまも奥さまにはメロメロなのよ~~

うふふ~~

あら…もうこんな時間 

じゃあお風呂は九時半に…お掃除してあがってね。

今日教えた通り。ここに書いてあるから。

幸ちゃんの仕事は八時までで終わり。お風呂まで

あとは勉強してお風呂に入って お掃除したら終わりだからね。」



役割表を確認してシノは帰っていった。



八時まであと一時間か……

インターフォンが鳴って 


「おとうさまが下りてきなさいだって~」華子の声



  また何か言いつけるのかな



  テレビみたいな……



やっとつけたテレビを消してリビングに向かった。

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