20年後
サキが夕日に向かってボートを進める。その姿をRQが見届ける。
ふっ、っとボートの姿が消えた。『絵本』の外へと帰れた証拠だろう。
踵を返し、洋館に入る扉の前に立つ。
RQ「ふう」
一息つくと、扉を開けて中に入る。
紙吹雪が今もなお舞っている中で、先ほどとは違う風景があった。
ボマー「お疲れさん」
そう言って、RQに赤ワインが入っているワイングラスを渡す。
RQ「ふぅ、おつかれさまシゲ」
2人が大理石で出来た長テーブルへと向かうと
医者「オウター、お疲れさん」
と言い、フックにワインを渡す。
フック「お疲れー、ありがとコウタ」
キャバ嬢「サキ、あなたもお疲れ様」
ワインをシールドに渡す。
シールド「ありがとう、お嬢」
全員がワインを片手にテーブルを囲む。
シールド「コウタさー、ナースさん全員を嫁さんそっくりにするって相当好き過ぎじゃない?怖いよ」
医者「だって、長い事会えないんだぞ?さみしいじゃん!」
RQ「さすがにヤバいよね(笑)」
医者「トキノもそう思ってたの!?」
フック「全員思ってるわ!」
ボマー「はいはい。楽しい話は乾杯の後にしねーか?」
RQ「じゃあオウタが乾杯の音頭よろしくね」
フック「了解、それじゃあ、みんな」
そう言って、1度みんなを見回して、語る。
フック「まさか2回も『絵本』の中に来る事になるとは思わなかったけど、とにかく、過去の俺達に『ホワイトボックス』を渡すができた。
フック「全部、みんなの協力のおかげだ。シゲだけなんか最後違う事やってたけどなー」
ボマーに視線が集まる。
ボマー「ごめんって。ちょっと違う事したらどうなるかなーっておもっちまったんだよ」
頭を掻きながら謝る。
フック「くっくっく。でも、最終的には全部上手くいったと思う。ふー」
フック「俺達の『夢』の為にもう少しココに滞在する事になると思うけど」
一呼吸して、ワインを前に出す。それを合図に皆も乾杯の準備をする。
フック「『ホワイトボックス争奪戦』を無事終えた事を祝して!」
全員「かんぱーい!!」
ワイングラスをコツン!とした瞬間。
パリィィィィン!と全員のグラスが割れた!
全員「・・・」
全員が驚いて、口をあけて止まってしまう。数秒間の沈黙のあと
全員「げらげらげらげら」
テーブルに並んだ食事に、ガラスの破片とワインがブチまかれたが、それでも6人は笑う。
異世界で夢と自由を手に入れた6人の『記録』 おわり