表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/73

レース終了!

『鍵のかかった部屋』



貰った鍵を使い、扉を開く。赤を基調とした洋室に入ると。



コウタ(思った以上に何も無いのな。ここがゴールなのにファンファーレも鳴らないし)



そんな事を考えながら、この部屋で、不自然に目立つ白いテーブルへと向かうと。


ドガァァァァアン!と、壁が吹き飛び。砂煙が舞う。



コウタ(敵か?)



腰を低くして戦闘態勢をとりつつ、様子を窺うコウタ。


そんな事なんか露知らず、部屋に軽快な独り言が響きわたる。



シゲ「『鍵』なんて無くても、壁をぶっとばせば同じだよなー」



シゲが楽しく言いながら入ってくる。


それを見て


コウタ「おぉー!シゲ!」


シゲ「おぉー!コウター!」



タタタっと2人が同時に向かい合う。



シゲ「おつかれさーん!」


パチッ!っとハイタッチ。



と同時にシュゥゥゥゥー!と初めて聞く異音。



2人は同時に音がした方向へ顔を向けると、真っ黒な球体を目にする。



目が点になりながら



シゲ(なんじゃありゃ)


コウタ(あんな綺麗でデッカイ球体は見た事ねー)



と思って様子を窺っていると。『能力』を解除したサトミが現れる。



サトミ「あらっ?私がアンタ達より遅かったって事かしら?」


ニコっと笑いながら2人に話かける。



一人称が変わってる事も気づかずに


シゲ「オジョー!」


コウタ「カッコイイ登場してくれんじゃん!お嬢!」



3人は無事に『ホワイトボックス』を手に入れる事になる。



ーーー



RQ「『ホワイトボックス』が全て獲得された為、これにて『ホワイトボックス争奪戦』を終了します」


RQの拍手と共に、パンッ!っと破裂音が鳴ると同時に紙吹雪が舞う。



控室から出て来たトキノ、オウタ、サキを含めた6人を祝福するように、



舞っている紙吹雪が、龍の姿に成り飛び回ったり。


花火のように破裂したり、6人の周りを竜巻のように舞ったり。



そんな紙吹雪の祝いを、各々が楽しんでいた。



いつのまにか用意してくれた食事が、長テーブルの上にズラっと並んでる。



トキノは相変わらずパシャパシャと動画を撮りながら。ニコニコしている。


シゲとコウタは「コレが最後かもしれないからなー!」とバクバクと飯を食べている。


サトミは「紙吹雪っていう安物使ってるのに、ここまでゴージャスにするなんて。まぁ及第点ですわね」とノンアルコールシャンパンを飲んでいる。



オウタはコーラを片手に、ふかふかのソファでくつろぎ。


サキはメロンジュースを飲みながら、どんどん変形していく紙吹雪を楽しんでいた。



RQ「お楽しみになった後は、好きなタイミングでお帰りください。『絵本』の外へはボートに乗って夕日に向かって進めば帰れます」



いつの間にか、部屋の構造が変わっていて、出口のみの部屋になっていた。


「はーい」「了解」「わかった」「ありがとうございます」「最後の最後までボート移動なのね」「・・・(ぺこり)」


と各々が返事して、しばらくの間宴を楽しむのだった。



ーーー



出口前にて、6人は集合していた。



シゲ「よしっ!オウタ!帰るぞ!」


オウタ「おう、みんなー!帰るゾー!」



オー!と拳を振り上げる6人。いつも黙って付いて来ていたサキも楽しそうに拳を挙げている。



バーン!と扉を開いたオウタに続き、全員が洋館から出ていく。


6つあるボートの前に居た、Vと書かれた旗を肩に担いだRQが深く頭を下げた。



RQ「お疲れ様でした。お気をつけてお帰りください」



全員が頭を下げてから。




シゲ「トキノ、俺のボートに乗ってけよ」


トキノ「ほんと?ありがとー」



シゲとトキノは一緒に行くようだ。



シゲ「先にいくぞー!」


そう言うと、我先にと夕日に向かってボートを進める。



サトミ「何焦ってんだか、オウタ、私も先に行くわよ」


その背中は誰よりも大人の様に見えた、レッドカーペットを歩くようにボートに向かい、リムジンに乗るようにボートに乗る。


アクセルを踏むと。風を楽しむように、夕日へと向かった。



コウタ「俺も行くか」


独り言のように、オウタに向かっていうと。答えも待たずにボートに乗って夕日に向かってアクセルを踏んだ。



オウタ「サキ、行くか」


そう誘うが、一緒に乗るわけじゃないらしい。同じでタイミングで別々のボートに乗る。



サキ「オウタ、先行ってて」


オウタ「おっけー」



先に夕日に向かうオウタに対して、サキは旋回させてRQの元に向かう。



RQ「どうかなさいましたか?」


サキ「ありがとう、最後に・・・感謝を伝えたくて」


RQ「そうでしたか・・・では、最後ですし謝罪させてください」


サキ「謝罪?」


RQ「はい。この先は地獄です。本当は、この楽園にずっといて欲しいのですが、そういう訳にもいかず・・・」



サキ「・・・」



RQがサキから視線を外し、どこまでも続く砂漠に視線を移す。



RQ「ココには、目的があり。誰にでも超えられる、少しの高い壁があり。衣食住もある。それに対して『絵本』の外には」


RQ「目的もなく、生きる為に生き。労働は時給に置き換えられ、己の実力があってもなくても、評価はされず。なによりも『夢』が無い」


RQ「そんな場所に帰す事を、お許しください」



旗を突き刺して、両手を前に組み、深々と頭を下げる。



サキ「なに言ってるのかなー、少なくとも私は、手に入れたよ『夢』を。シールドが辿ってる『夢』を目指そうと思うんだ。『夢』を手に入れるチャンスをくれたのはRQのおかげ、ありがとう」



RQが顔をあげ、サキを見る。



サキ「せっかくだし、シールドに言っといてよ『次は負けない』ってね」



RQが、くすっと笑い。



RQ「分かりました。きっと、次は勝てますよ」


その言葉に、ひっひっひ。とサキは笑った。



RQ「貴方にコレを差し上げたいのですが」



突き刺していた旗を抜き、サキへと差し出した。



サキ「うーん、ソレは大きいしー。それに・・・もう、貰ってるからさ」


そう言って、髪留めに手を添えた。ソレにもVと書かれた旗のデザイン。



RQ「ふふっ、そうでしたね」



2人が笑い合うと、少しの沈黙が訪れた。



・・・その沈黙に耐えられなくなりサキが口を開く。



サキ「ねぇ、どうせだし、その・・・地獄に行くからさステージ6って事にして、開始の合図してくれない?いつもみたいにさ」



RQ「ふふ。えぇ、良いですよ」



旗を担ぎ、夕日に向かってRQが歩き出す。


サキも夕日に向かってボートを向ける。


RQが振り返り、旗を空へ掲げる。



RQ「これより、第6レース・・・スタート!」



ブンッ!



第5レース


1位 シールド


2位 サキ


3位 オウタ


4位 コウタ


5位 シゲ


6位 サトミ


失格 トキノ



『ホワイトボックス争奪戦』 おわり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ