トキノ、シゲ、コウタの登山の結果
既に日が傾いてオレンジ色に見える時刻だった。
3人は、既に疲れ果てていて、体に砂が付く事など、お構い無しに寝転んでいた。
トキノ(ハァ・・・疲れた。もう無理、歩けない・・・)
シゲ(やっぱり、この木々?の中に入るべきだったかもしれない、絶対、この中に隠された道があったんだ)
シゲ(でも、もう遅い。俺達は疲れ切ってる・・・)
コウタ(このステージはダメだ。意味不明だ。ただ登るだけだろ?)
コウタ(なのに、なんで辿り着けない?もし『ステージの意味?』を『理解』してからっていう前提条件があったとしてもだ)
コウタ(ヒントも何もないし。シゲとも話してたように俺達プレイヤーが勝手に考えた事じゃないのか?)
3人は既に会話すらできなかった。足は棒になったかの様に麻痺していて、もう1度立ち上がる選択肢なんて頭に無かった。
トキノ(ダメかー。この3日間、なんとか成ったから・・・失敗なんて考えて無かったなー)
トキノ(失敗したら、こんな感じなんだ。2人に悪い事しちゃったかな?)
トキノ(ちょっと喋らない時間を長くなっちゃったし・・・どう切り出したら良いだろう・・・)
会話は無いが各々の思考は止まらない。
シゲ(やべぇ、ほんとに『自信』を失っちまう・・・。『良い所全然ねぇ』)
シゲ(『良い所』見せて、トキノにアピールしようと思ったんだけどなあ)
シゲ(でも・・・俺。『諦めないぞ』。『諦めてどうする』って言うんだ?)
自分の出来る事何か。なんとかトキノに振り向いてもらう為に何が出来るのか考えるシゲ。
コウタ(早く5時にならねぇかな?この時間が無駄過ぎる)
コウタ(どっちにしろ『明日が本番だろ?』)
コウタ(『本番』の『ホワイトボックス争奪戦』に勝利すれば『ホワイトボックス』が手にはいる!)
既にこのステージは諦めたらしいコウタ。今できる事を考えるシゲやトキノと違って、明日の事で頭がいっぱいらしい。
3人は別々の方向を向いて、別々の事を考えていた。だから時間が『加速』してる事に気づく事は無かった。
17時。RQがふっと舞い降りる様に現れた。
3人はすぐに気づき、起き上がる事なくRQの方を見る。
RQ「17時になりました、レースを続ける事は可能ですが、今よりレースのリタイアをする事が可能です、皆さんはどうなさいますか?」
3人は視線を合わせる。少しの沈黙の後。
コウタ「リタイアします」
代表して言ったのはコウタだった。
ーーー第4レース シゲ、コウタ、トキノ 失格ーーー