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オウタとフックの登山?

オウタが登る所はトキノ達と同じ『坂道』を選択していた。



理由は簡単『最初に辿り着いたから』。『大きな流れ』の『運命』、そう思った。




オウタ「サキの言う事が正しいならトキノ達は今日、この登山を登りきる事ができない」




なんでそんな事を呟いたのか?分かり切っている。



昨日サキに聞いた事をトキノ達に共有しなかったからだ。




『目的』は、この『絵本』に入った以上『ホワイトボックス』を手に入れる事と断定できるらしい。



問題なのはこの第4ステージでは手に入れる為の『過程』の選択だ。





ーーーー



サキ「自分で自分の道を選ばなかった場合、多分だけど山頂には辿り着けない」


サキ「3人で行動したら、少なくとも2人は自分で道を選ばなかった事になるでしょ?」


サキ「だから、3人はステージ4はクリアできないと私は予想するね」



オウタ「それ、あいつらに言ってやらないと」


そう言いながら立とうとすると。



サキ「やめときなよ」


オウタ「え?」


サトミ「オウタ、シゲとコウタは話を聞いても、トキノと行動するわよ。分かるでしょ?」



オウタ「でも、分かってて行動するか、知らなくて行動してるかだったら、全然話は変わってくるだろ?」



サキ「そうだよ、変わってくるんだよ。だから止めた方が良い」


オウタ「なんで?意味が分からない」




サキ「もし、今の仮説を聞いて失敗するとするでしょ?今までの行動から予想すると、トキノが道を選択するだろうから・・・失敗した後トキノはどう想うと、思う?」



ーーーー



聞かなきゃ良かったなぁ。


ステージ3の意味知って、その流れで聞いてしまったから、どうしようも無いけどさあ。


伝え方を変えれば良かったんじゃないか?例えば・・・明日は1人づつ行動した方が良いと思うぞ?っとか?



いやいや、怪しすぎるか。絶対何か知ってるって気づかれて全部吐かされるよなぁ・・・。



うーん、良い伝え方が思いつかねぇ・・・。上手い方法があったハズだ。多分。




ーーー登山開始から3時間後ーーー




どう伝えれば良いか、そんな事をずっと考えながら登っていたが・・・。



オウタ「ハァ・・・ハァ・・・結構登ったろ?全然、着かねぇ・・・山頂が見えるような気配もしない」



サキの言う通りなら、この道は自分で『選択』したんだ。だから間違ってないハズ・・・だろ?


そうだったよな?



オウタ「もしかして・・・サキの仮説は間違ってたのか?」


いや待て。ここに来て2日目からのサキは別人の様に冴えてるから正しい・・・と思う。


いやでも。あくまでも『仮説』。『予想』。『憶測』。サキの発言を信じ過ぎてるだけか?




山頂の方を見上げる、登り始めてから全然変化が無かった。


ずっと登り続けてたので、汗も相当かいてるし、足の疲労も溜まっていた。



オウタ「休憩しよう」


道のど真ん中で座り込み、視線は登って来た道を見下ろす事になる。



オウタ「進むも地獄、退くも地獄ってやつ?」


体の疲れを少しでも回復させる為に体を後ろに倒して寝転がる。



体のストレスを地面に逃がした事で、他の部分の不調へと意識が向いた。喉の渇きだ。


オウタ「RQさん、水をくださーい」



RQが隣に、すっと舞い降りる様に出てくる。



RQ「どうぞ、お食事はどうなさいますか?」



ペットポトルに入った、500ミリリットルの水を受け取り、RQの質問に対してどう答えようか考えた。


オウタ(んー今、食べてもなー)



腹を満たした状態で登山って大丈夫なのかな?全然経験ないから分からないな。超長距離走は食事を摂るらしいけど・・・。


オウタ「いえ、いりません、ありがとうございます。」


そう返事をして、瞬き1つすれば、もうどこにも居なくなる。



さすがに、この疲れでは食えん!



フタを空けて、ゴクゴクと飲む。イッキに半分まで減っていき。


「ぷはー!生き返るわー」っと声を大にして言う。



オウタ「ハァ・・・」



ここは山だ、当然のように道の両脇には木々を生い茂っていて、1度入ると迷子になる。と一見して思わせる雰囲気を出していた。



オウタ「本当はこの道じゃなくて、この木の中にある秘密の道を探すのがステージ4の意味だったりしてな」


オウタ「・・・じゃあ、なんの為の整備された坂道だよ・・・」



昨日までの会話を全部台無しにしたような考えだけど、ここまで長く登ってきたのになんの変化もない景色を見続けていたら、誰でもそうなるだろ?



オウタ「でも、なんか気になるな。この木の中になんかあってもおかしくない気がする。サキもほら『銃』とか手に入れてたし」


ステージ2の時も今も、進んでも進んでも同じ景色だし、『進路の決定』と『過程』の選択って・・・被ってね?



被ってるよな?だったらやっぱり・・・ワンちゃんあるんじゃ?



オウタはゆっくり立ち上がり、木々が生い茂る道なき道へと足が向く・・・。


オウタ「少しだけ入ってみて、すぐ戻る」


だったら大丈夫のハズ。ちょっとだけ、ちょっとだけだから。



立ち上がり、整備された道から、脇道へ、片足を・・・。



その時ッ!脇腹に異物を入ってきた!



その違和感を感じた瞬間、異物の感覚から逃げるように体を大きくひねり、体の中にある関わらず無意識に手を近づける。


その手が触れたのは、『ワイヤー』だった!『ワイヤー!?』・・・『ワイヤー』だって!?




オウタ「体の入っているのはッ『フック』の『能力』か!」


グイッ!っと引っ張られて体が宙に浮き、道の中央へと戻される!



オウタ「ガッ!」空気が肺から抜けるだけの声を出す。


引く力が弱まり。体が地面に叩きつけられて、体が横になった事で平行感覚も一瞬失ってしまう。



痛みは無い。でも異物が体に入ってるだけでとても気分が悪いし。視界がぐらぐらする。



オウタ(でも、上だ、上の方からの攻撃だ、引っ張られたのも上の方からだ)


オウタ(くそっ!殺し合いか?戦うのか?今回、戦闘は無いハズじゃないのか!?)


オウタ「はっ、はっ!」なんとか呼吸を整えようとする。



とにかく、立ち上がれっ!


バッっと立ち上がり、山頂の方を向いた!いつ無くなったのか、体の中にあった異物は無くなっていた。



1人の男が降りて来る、予想通りフックだった。



オウタはそれを確認すると同時に地面を殴り、ボッ!っと『穴』を空ける。



フック「よお?一緒に登らないか?」


オウタ「は?」




降りてきといて?


俺よりも高く登っているのに?なんで?


山頂まで既にいった?なのに戻ってきた?



フック「悪かったよ、でもお前。道じゃない所入ろうとしたろ?」


フック「そんな意味のない事を止めるには必要な事だったんよ」


フック「だから・・・な?自然に考えて、ルール通り。ただ登ろうぜ?な?」



オウタ「戦闘は?」


フック「しない。ただ登ろう、な?寄り道するにしても、本当になんの意味の無い道を選ぶ必要ないだろ?」



オウタ「・・・」


能力を解除して『穴』も塞がった。それがオウタの回答だった。



ーーー



そこから先?別になにも無かった。


フックさんはNPC役として俺の行動を修正したに過ぎないし、なりより、何を話せばいいか分からないし。



ザッ、ザッ・・・と。フックさんの背を追いかける形で登っていく。


なんとなく視線を下げて『足元』を見ながら進んでいた、だからだろう、いつのまにか山頂に着いた事にさえ気づかなかったのは。



フック「着いたぞ。お疲れさん」


オウタ「え?もう?」


スマホを取り出し、時間を見ると2時15分だった。



オウタ「もうそんな時間だってたのか」


フック「なぁ、今日の事忘れるなよ?」



オウタ「え?」


何を?なんの事?


そんな疑問を抱えつつもフックに聞き返す前に行ってしまった。



山頂・・・ここが山頂、おおっ。めっちゃ良い景色。



でも・・・あれ?なんか変だ。なんだこの変な感じ。


よく分からない、もやもやが何のか考えながら山頂からの景色が良く見えるイスに座る。



フックが進んだ方を見ると、RQを呼んだのか何か会話している。



オウタ「おぉー!良い景色だ・・・あっ!」


あっ!分かった、このもやもや。汗だ、汗もかいてないし、


そういや、長時間登ってるハズなのに喉も乾いてない・・・って考え始めたら喉乾いてるわ。



ぐ~っとお腹が鳴る。腹が減った。RQを呼ぼう。なに食べようかな。



でも、なんでこんな短時間で着いたんだろう?いや時間はちゃんと進んでるから感覚の問題なんだけど・・・。




辿り着いた山頂。だが複数の疑問を抱いて下山する事になるオウタだった。




ーーーー第4レース オウタ 順位5位ーーーー 

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