4日目 サキ、サトミ、オウタのレーススタート
サトミ、オウタ、サキ 視点
ーーー時間4時30分ーーー
RQ「おはようござます、サキさん」
もうすっかりモーニングコール係になっているような自然な状況だった。
サキ「んー・・・おはようございます」
こんなに朝早くても4日目の今となっては当たり前になってしまったが、朝が強くなったわけではない。
『絵本』の外に出てしまえば、起きる時間もズレてしまうだろうけどね。
RQ「第4レースが30分後に始まりますが、朝食はいかがいたしましょうか?」
サキ「ありがとうございます。でもいりません」
RQ「わかりました」
朝食は食べない。あんまりお腹が空かないから、シンプルな理由でしょ?
のそのそと服を着替え、昨日の夜の時点で準備しているリュックの中身を確認して、テントの外へと出る。
サキ「4日目、今日はなんだっけ?初日にRQが説明していたような気がするけど、よく覚えてないよ」
頭がまだフル回転していない状態なので、ボソボソと喋る。
サキ(RQに聞いちゃってもいいけど・・・別にいいや。どうせすぐ分かる事だし)
そんな事を考えながらスタートラインへと向かうと、いつもと違い何人かが待機していた。
サキ(え?今日は多いな、あれって・・・サトミ?オウタ?)
そこには、サトミとオウタ。昨日に引き続きシールドもいた。
サキ「お、おはよう。今日は早いんだね」
サトミ「おはよう。ええ、スタート時間が5時って聞いてから、いままで大幅に遅れた事が恥ずかしくて仕方ありませんもの」
オウタ「おはよう。なんでこんなに早いんだろうな?フックとボマーとキャバ嬢はまだっぽいし・・・結構自由なんだな」
そう答える2人に笑みで返し。
サキはシールドの方を向き手を挙げて挨拶すると、シールドも同じ動きで返してくれた。
今日はまだ太陽が出ていない為、辺りはまだ完全には明るくない。2日目と同じで朝日と共にスタートするのだろう。
サキ「なんでかは分からないけど、多分5時スタートはRQの趣味じゃないかな?」
オウタ「趣味?」
サキ「レース順位の事聞いた時、趣味って言ってたでしょ?」
オウタ「あぁ、言ってたな。でも、このレースのドコに楽しみを見出せるんだろうな?あんまりレースっぽくないし」
サキ「たしかに、みんなでよーいドンだったらレースっぽいんだけどねー」
2人の会話に入るようにサトミも参加する。
サトミ「この感じ、朝日と共にレース開始するのが趣味じゃありませんこと?健康的ですわね」
サキ「んー不思議な事だけど、昨日は太陽が既に出てたんだよね。だから朝日とは関係ないかも?」
サトミ「そうなの・・・予想が外れてガッカリだわ」
露骨に肩を落とすサトミ。
ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・。
雑談をしているとRQが歩いてくる。オウタ達を追い抜いて、さらに歩いていくと私達に背中を向けたまま立ち止まる。
風が吹いていないのに関わらず、なびく旗。それを強く握り拳を上へと突き上げる。
RQ「これより第4レースを始めます!」
ぶんッ!っと旗を振りレースが始まった!
瞬き1つすると。ボートがスタート地点から離れた場所に出現する。
シールドがボートに向かって走りだした!
サキ「私も行くよ、2人はどうするの?」
サトミ「わたくしも行きますわ、1人で」
オウタ「俺も行く、また次のキャンプ場で会おう」
サキ「りょーかい」
そう言って3人も別々のボートへと、胸を張って、歩いていった。