3日目 シゲ、コウタのキャンプ
ーーーコウタ視点ーーー
変な気分だ。
俺もシゲも死んじまってトキノを1人にしてしまった。
恥ずかしいし。何故か悔しい。
守らないといけないのに。『守らないといけない人』なのに。今日に関しては完全に守られた側だったかもしれない。
どうやって透明のサメを倒したんだろう?聞いてみても「秘密だよ~」って言って答えてくれない。
昨日ぐっすり寝たから、あんまり疲れてない。
今日はステージに入ってから動き回る事も少なかったし、戦いもスグに死んでしまって俺の出番なんて無いに等しいモノだった。
だから、キャンプ場に入っても退屈だった。
トキノ「動画の編集でもしてくる~!」
と言って、トキノはテントに籠っている。
シゲ「ちょっと確認したい事があるから」
と言ってキャンプ入り口に向かっていった。
久々に、ちゃんと独りになった気がする。
俺は長椅子に座って、絶え間なく噴き出ている噴水を見ている。
コウタ「暇だな・・・」
『ホワイトボックス争奪戦』は明後日。遅いな、早く時間、進まないかな?
それとも、俺が『求めていたモノ』は昨日のステージ2にあったのか?
サキが言うには『能力の成長』と『進路の決定』だっけ?なんでも良いけど。どうでも良いけど。
もう手に入らないのか?サキ、もっと早く教えてくれれば・・・何かが変わったのか?
いや、無理か、結局、無理か。どっちにしろ、シゲとトキノが居る限り、俺は独りで行動できないんだから。
でも『最終日』だけは必ず。2人にはごめんだけど。『ホワイトボックス』は必ず手に入れさせて貰う。
横になって、トキノはどうやって倒したんだろう?と考え始め、退屈からくる眠気に身を任せたのだった。
ーーーコウタ 『ホワイトボックス争奪戦』を既に待つーーー
ーーーシゲ視点ーーー
シゲ「なぁ、どうやってあのサメを倒したんだ?どう『能力』を使えば勝てるんだよ?」
トキノ「もぉ!だからヒ・ミ・ツ♡だってぇ~」
シゲ「いいじゃん、教えてくれよートキノ~」
あんだけ、しつこく聞いたのにトキノは結局教えてくれなかった。
クソッ!なんで教えてくれないんだ。教えてくれれば、2度と同じ失敗はしないのに!
クソッ!クソッ!また、また守れない!
俺が『トキノを守らないといけないのに!』
好きな人1人守れない、それだけじゃない、昨日とは違う、昨日はコウタがトキノを助けたけど。
今日は、トキノが俺達を守ってくれた。
守りたいと思った『トキノに守られた』・・・。俺の能力でどうやったらステージ3をクリアできたんだ?
それを知るチャンスなのに。逆に守られるなんて・・・そんなの『俺なんて必要ない』ないじゃないか。
まただ、結局この疑問にたどり着く。昨日も。結局どうすれば良かったのか、そればかり考えてる。
違う・・・。『この絵本の中』だけじゃない。学校でも・・・どうすれば良かったのかばかり考えてる。
自分はどう生きればいいのか、何が正解なのか。誰も教えてくれない。
何がダメなんだよ?教えてくれよ・・・。
頼む・・・お願いだから・・・教えてください・・・。
トキノ「動画の編集でもしてくる~」
キャンプに着くなりトキノがテントに向かって走っていった。
シゲ「・・・」
コウタ「結構早い時間に着いたよなー。朝メシも遅かったし、もう少しで夕方かな?でも全然腹減ってないや・・・なにする?シゲ」
シゲ「・・・」
無言で歩いていくシゲ。いつもならスグに返事するから様子がおかしい事には当然気づいた。
コウタ「シゲ?どうした?」
シゲ「あっ、ごめん、俺ちょっと確認したい事があるんだ」
なにか思いついたように、そう言うとコウタから離れてキャンプ場の入口の方へと戻っていく。
コウタ「そっか、りょーかい」
今日の順位は?順位が気になる。
シゲが向かったのは入口にあるであろう、順位表だった。
アイツは何位だ?俺より早く着いてるよな?着いててくれよ?なあ。
第3 レース 順位
1位 シールド
2位 サキ
3位 サトミ
4位 オウタ
5位 コウタ
6位 トキノ
7位 シゲ
まだ着いてないのか、シールドの女が1位、女に負けてんのかよボマーめ。
昨日、あんだけ俺をコケにしやがったのに。なんで女に負けて、さらに『俺』よりも遅いじゃねーか
ふざけてんのか?やる気あんのかよ!次会ったら絶対にハチの巣にしてやるからな!
誰かにあたらないと、誰かに怒りをぶつけないと、どうして良いかわからなかった。
クソッ!イライラが止まらなねぇ!
サキは2位か、サキが?あのサキが?なんでだよ、なんで!?
なぁなんでサキが正しいみたいになってんだ?いっつもダンマリでよ。
俺達の後ろを付いてくるだけの女子でよ、喋りかけても噛み噛みでさ。
俺達が『優しい』から一緒にいられるような女子なのに。
急にちゃんと喋って・・・かと思えば、俺を責めるような事言いやがって・・・。
クソッ!クソッ!こんな事、考えたい訳じゃないのに。
誰かを、サキを、ボマーを責めたい訳じゃないのに、だれかを責めずにはいられない。
責めたいのに、責めるつもりじゃないんだよ・・・。
なんでこんな気持ちになるんだ・・・。
いやな汗が噴き出る。昨日に引き続きストレスが溜まっていく。
どうしたら・・・いいんだ?
なぁ?『ホワイトボックス』・・・俺の欲しいモノ。
ほんとに俺は求めて良いのか?求めたら、俺、アイツらと・・・一緒にいられない。
俺は、一緒にいたいのか?本当に?・・・『嘘だ。』分かってる。
サキ・・・良いなぁ、俺もお前の様に・・・。
ーーーシゲ ステージ2 未だ抜けられずーーー




