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3日目 オウタとサトミのキャンプ

Vと書かれた旗を手に立っているRQに「お疲れ様です」と挨拶してキャンプ場へと入っていく。



なんとなく目に入った看板を見ると。



第3 レース 順位


1位 シールド

2位 サキ

3位 サトミ

4位 オウタ



オウタ「おぉー、やっぱりスタートする時間が早いとゴールも早いのか?」


オウタ「でも、フックもボマーもまだ着いてないから一概にそうは言えないのか」



ステージ3で一皮覚悟を決めた事で、オウタの顔つきが変わっていたが、それに気がつく人は少ないだろう。


看板を確認したのも目に入ったからで、特別に気になったわけではない。


レース順位でさえ、どうでも良かった。



オウタ「さてと、サキにちょっと聞きたい事があるんだけど・・・」



キョロキョロと周りを見渡すと、サトミが目に入った。




オウタ「え、嘘だろ?すげぇー」



サトミが『懸垂トレーニング』している姿を目撃した。


まさかサトミが鍛えているなんて初めて知った。その興味からサトミの元へと向かう。



オウタ「よっ、サトミって鍛えてるんだなー、すげぇな」



バーの上に向かってアゴを近づけようとするが、力尽きて、ぶらーんっと、ぶら下がる。その勢いで手を離して、地面に両足をつけると。



サトミ「はぁ、はぁ・・・オウタ・・・まぁ、ね。」


肩で息をしながら地面に座り込む。呼吸を整える為、会話は続かない。




背伸びして、バーを掴めば足が離れるくらいの丁度良い高さの鉄棒、そこにサトミが掴んでいた懸垂していたハンドタオルをぶら下げていた。




オウタ「鉄棒はRQに用意してもらったのか?この2枚のタオルは?」



サトミ「あぁ、それはね、お父様からのアドバイスで筋トレは最短の時間で最高の結果を出すための、ちょっとしたテクニックですわ。って言われてもよく分からないですわよね?」



オウタ「う、うん。ソレがどうしてタオルになるんだ?」



サトミ「懸垂は背中と上腕二頭筋を鍛える事が出来るんだけど、実は『前腕』も鍛える事もできますの」



サトミ「『前腕』は『掴む力』を強くすれば発達する部位でして、『掴む力』は『親指』を強く使えば鍛えられるから」



サトミはタオルを掴むと、親指側を見せてくる。



サトミ「バーは『ぶら下がる』事で懸垂できますけど、タオルを使えばより『掴む力』を必要とするから『前腕』も開発できるって事よ」



疲れているのか、説明が分かりにくかったが。目を点にしてオウタは聞いていた。


説明しているのに、反応が無いオウタの方を見ると。変な顔をしているオウタに向かって。



サトミ「なんて顔してるのよ。ふふふ」と笑った。



オウタ「懸垂できるのも凄いし、さらに難しい事してるんだなぁーって」


オウタが笑いながら。おもむろにバーに手を掴み、懸垂はじめる。



オウタ「ふっ!ふっ!・・・ウー!」


勢いに任せて2回程バーより上に顔をもっていけたが、3回目は届かず、手を離してしまう。


オウタ「ふー、ふー」


肩で息をして、ドヤァ顔を見せつける!



その姿を見て、普通に関心している表情で言った。


サトミ「おー、凄いですわね。普段からトレーニングしてないのにもう少しで3回いけそうですわよ!」




オウタ「サトミは何回できるんだ?」



サトミ「回数はいつもバラバラですわね。普通にバーに掴まる時は最高で5回」


サトミ「タオルでの時は2~3回・・・って所ですわ。」



オウタ「毎日やってるのか?」



サトミ「週2~3回ってところですわね、オウタは?トレーニングしませんの?してる男子は結構いると勝手に思ってましたけど」



オウタ「俺はしてないなぁ~」



サキに聞きたい事があったが、サトミと筋トレの話で盛り上がってしまい、すっかり忘れてしまった。



絵本の中に入ってから3日目なのだ、この世界にいる事の緊張感も無くなり、久々にリラックスした時間を2人は過ごす事ができた。


だから、ステージ3の話などそっちのけで。サトミが筋トレを始めた理由や、オウタがしてない理由という身の上話が始まり、ただの雑談で盛り上がる。



もしかしたら、コレからが彼らの素を見れる次期なのかもしれない。

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