再生不要 詩
1
何の為に生まれて。なんの為に生きるのか。
貴方はまだ分からない?
だから私が教えてあげる。貴方は聞くつもりなんてないでしょうけど。
巡る巡る時の中で、私達はいつも迷路の中にいる。
そこから抜け出したいと想いながら。闘い方も逃げ方も分からない。
間違っているとなんとなく判る、だけど、どうせ誰も何も知らないんでしょう?
だから私達はこの暗闇から抜け出せない。いつか、いつか。
2
私のアドバイスを聞いてくれた?
聞いてないだろうね。泣いてばかりで。怒ってばかりで。私の事も見てくれないもの。
私は理解した。知ってるの。だから、与えたい。本当の『愛』を。
背伸びしたって正義の味方には成れない。『正義』の定義さえ私達はうやむやだから。
いつか夢見てた事でさえ、歳を重ねる事に白い目で見られる。
栄光を掴みとっても、栄光に縛られて不幸に成っていく。
だけど私達は『栄光』が欲しくてたまらない。
なんの代償も払わずに。ただ欲しい。
だって、そうしないとダメなんでしょう?だってソレを手に入れる為の人生なんでしょう?
3
やっぱり貴方は私の話を聞いてくれない
与えているのに、受け取ってくれない。
だから、私はこの『愛』を・・・ただ置いていくよ。
光が射した気がした。『心』が言っている、そこに向かえと。そこに向かいたいと。
『敵』が道をふさいだ、怖い、でも笑う。
『闘い』の時が来た!『逃げる』時が来た!
向かう先が分かる!絶対に辿り着いてみせる!
2030年1月1日
タイトル『幸せなんて存在しない』 作詞 放送室 作曲 放送室
ネット上に投稿された曲だった。
投稿者のコメント欄に。元にした『詩』から制作したと書いてあり。
心に響いた人にも、この『詩』を元にオリジナルの曲を好きに作って欲しい。
幸せなんて存在しないけど。こんな世界で穏やかに生きる為に、この曲を置いておく。
と、追記で書かれていた。
再生数はどんどん伸びていった。だけどコメントは1つも付かなかった。
グッド評価もバッド評価の数も増えていった。
だけど、不思議な事に『詩』を元に、多くの人がオリジナルソングを作っては投稿された。
暗い歌詞なのに、楽し気な歌い方。
暗い歌詞だから、暗いままに。
暗い歌詞だけど、希望がある歌に。
だれもが熱中した曲は『原曲』を差し置いて。地上波でも流れた。
だけど最初の投稿された『原曲』が忘れられた訳じゃなかった。
オリジナルソングが流行れば流行るほど。
『原曲』として扱われている『幸せなんて存在しない』の再生数が上がっていたからだ。
トキノ達が好きで歌っているものでさえ、原曲ではない。