オウタの迷い
朝8時に起床したオウタはテントから出ると周りを見渡した。
オウタ「まだ誰も起きてないのかあ?ふぁ~」
あくびをしながら、サキは今日も1人で行動してるんだろうなあ。と考える。
オウタ「ん?お嬢のテント空いてるな」
オウタ「もう起きてるのか?」
中を覗くと誰もいない。
もう1度、今いるキャンプ場を見渡す。でもお嬢が居る気配が無い。
この感じ、居ないな。多分だけど・・・お嬢も『1人で行った』
証拠なんて無いけど、なんとなく分かった。
オウタ「この流れ。どうしようか」
昨日の晩飯にサキが言った言葉。ずっと引っかかっている。
俺の行動のせいでお嬢は成長できなかったんじゃないかって。
シゲがキレて、サキが離れて・・・。
うやむやになってるけど。ちゃんと考えないといけない気がする。
俺はどうするべきなんだろうか。
考えながら噴水近くにある長椅子に腰掛ける。
RQ「おはようございます、朝食はいかがですが?」
オウタ「ッ!おはようございます。いただきます」
RQ「和、洋、中。どれでもいけますが、いかがなさいますか?」
オウタ「えっと、じゃあ・・・」
ーーー
オウタ「いただきます」
手を合わせて、シャケおにぎりを頬張る。
オウタ「うめぇ~」
4つある内の2つを食べた所で声をかけられる。
フック「よぉ」
オウタ「んぐっ!ゴホッゴホッ・・・どうも、おはようございます」
フック「モグラ・・・いやソレは卒業か。次はダクトの方が良いか」
オウタ「ダクト。またヒントですか?フックさん貴方達は、NPCですよね?」
フック「一応『参加者』だけど、まぁそう思ってくれても問題無いぞ、もし違っても、今この瞬間には関係ないし、どうでも良い事だ」
オウタ「・・・」
オウタ(また、まどっろこしい言い方)
なんて返答すてば良いか分からず、無言の時間が訪れる。
そんな時間に痺れを切らしたのか、隣にフックが座わった。
フック「今日は俺とステージ3に行かないか?」
オウタ「・・・え?」
予想してない言葉が放たれた事に、目を点にして考える。
この人と?ほとんど初対面みたいなモノなのに?なんで?
フック「お前、迷ってるんだろ?あのブサイクの正論に対して自分がどうすれば良いのか」
オウタ「・・・」
俺達の会話まで筒抜けかよ。
自分で迷うのはともかく、他人に指摘されるとなんか腹が立つ。
フック「あいつらは3人で1組って感じだし、貴族っぽいやつもブサイクも既にステージ3に行ったぞ」
フック「もしかして、あの3人と一緒に行こうとしてるのか?」
フック「また、同じ事を繰り返すのか?」
同じ事を繰り返す・・・みんなの『何かを手に入れるチャンスを俺が奪う』・・・また繰り返すのか?
フック「『皆をまとめる』ってそういう事なのか?」
オウタ「ッ!?・・・なんでソレを・・・」
俺は『皆をまとめたかった』。みんなの前に出て。みんなの為に何かを成しえたかった。
そうする事で・・・義母さんが俺にしたように。『みんなを助けられる』と思ったからだ。
だけど・・・サキに言われた。『俺の行動のせいでサトミは成長できなかった』と。じゃあ、どうすれば良かったんだ。見捨てるのが正解だったのか?
フック「ホワイトボックスは『欲しいモノ』を手に入れられる。お前の母親が手に入れたかったモノ・・・知りたくないか?」
オウタ(そこまで知られてる・・・クソっ。気分の良いモノじゃないな、でも・・・)
知りたい。義母さんが手に入れられなかった『ホワイトボックスの中身』を。
フック「まぁ急に俺と一緒に行こうって言われても、行くわけないよな」
フックは立ち上がり
フック「俺はもう行く。一応アドバイスだ。この絵本の中では独りで行動する事を推奨している」
フック「理由は1つだ。お前の『欲しいモノ』は『己自身で手に入れる』ものだからだ」
言うだけ言って、フックは歩いて行った。
俺の欲しいモノ。
この大きな『流れ』から・・・。
行こう。ステージ3に、独りで。
フックに引っ張られるようにオウタも立ち上がりスタート地点へと向かうのであった。




