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サトミが勝利した理由

バチュン・・・穴だらけになり倒れたゴリラと、返り血を浴び仰向けで空を仰ぐサトミ。



サトミ「ふふふ、『遠距離攻撃』ねぇ?」


サトミ「まさか、私の能力でも使えるとは・・・ちょっとリスクっていうか犠牲っていうか?」



サトミは右足に意識を向ける。膝から先が無い右足を。



サトミ「RQ治療をお願いしますわ」



RQ「戦闘終了を確認しました」


RQ「『勝者に栄光を。敗者に成長を』」



男性の医者とナースさん達がやってきて、サトミを手術台に丁寧に乗せると、治療が始まる。


血を流した結果の貧血か、麻酔でもかけてくれたのか。睡魔が襲ってくる。



まどろみを受け入れる・・・瞼を閉じる・・・。



ーーー



私の決断はこうだった。


足首を砕かれた状態でも能力を発動できていた。ソレを利用し自分の足を切断する。


切断した後にも能力が維持されているかどうかは賭けでしたけど。


この状態をキープする為にはコレしか思いつきませんでしたわ。



切り離した後は近づくだけ。ゴロゴロとウニの様に転がって。



蹴られたり踏まれたりしても大丈夫、また体の1部を切り離すだけ。




『遠距離攻撃』をする場合は1本だけ武器をだして、その部分の皮膚を切り落とす。


それを投げれば良い。ヤリでも剣でも鎌でも、なんでも投げ放題・・・。





私は成長できた。できたよ。


今。とても良い気分。とても久しぶりな気がする。


いつからだろう?成功しても満たされなくなったのは。


失敗したら、イライラするようになったのは。



でも、今はどうでも良い。最高の気分だから。


『能力』なんて現実世界では使えないし、もしあったとしても?


こんな勝ち方に意味は無いんだろう。足を切り落とすなんて。



人生を棒に振るようなモノだ。




でも・・・でも・・・。生きるってこういう事なのかもしれない。





お父様、わたくし・・・もうすこしで追い付けるかもしれませんわよ?



多分、いえ絶対。今お父様と同じような顔をしていると思いますもの。




もう、敵に『注意』を向けなくても良い顔・・・清々しい『無敵』の顔だった。




ーーーサトミ。父に追いつくまで後1歩?ーーー

オウタ「今日も読んでくれてありがとう」


オウタ「明日は俺の番だ。『能力』が『成長』しても難しいステージだから、攻略できるかどうか・・・正直不安だよ」


オウタ「読者のみんなはサトミの『能力』をどう使うだろうか?もし良かったら教えて欲しい」

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