第3ステージ サキの攻略
ヤリが心臓へと向かってきて、私も急停止する事ができなくて。
制服を貫き、皮膚を破き、筋肉を裂いていき、骨をかき分け。そしてとうとう、心臓へ。
サキ「はっ!」
死ぬ間際の映像を見ると同時に目を覚ます。
サキ「ハァハァ・・・ふぅ・・・」
まだ慣れないなぁ、死ぬビジョンが見えただけなのか、本当に死んだのか、わかんなくなっちゃうんだよなあ。
サキ「実際には本当に死んでいるんだけどね、ははッ」
空笑いを1つすると、もう1度思い出す。死ぬ間際の事を。
サキ「なんか、見えた、見えたよ?いや、透明?だったから見えたって言う言葉が正しいのかよく分からないけど」
と、普通の声量で独り言を言い始める。
サキ「手だったと思う、いや腕が正解?まぁ言葉選びはどうでもいいけど、とにかく、なんて言うんだろ」
サキ「こう、水?蜃気楼?、空気の屈折?っていうの?水が入ったペットポトル越しに向こう側が見えたんだよ」
サキ「だから、えっと・・・多分だけど、透明なんだよきっと、敵は透明なんだ」
サキ「だから、ヤリが宙に浮いてたんじゃなくて、アニマル・・・動物がヤリを持って待ち伏せしてたんだ」
サキ「そして、私を狙ってる。トランスペアレントって意味分かんなかったけど」
サキ「多分、多分だよ?透明って意味だと思う、『透明の動物』って意味なんだと思う」
サキ「じゃあ、なんだ?なんの動物なんだろ?」
散々独り言を言った後に、考え始めたが、ここでようやく自分のいる場所が移動させられている事に気づく。
アスファルトの上?じゃあ森に出さない様に敵は動いてるって事?
森に入ろうとすると、攻撃される・・・だけど、アスファルトに戻れないようにしながら?
サキ「えっと、ちょっとまってね、何から考え始めればいいんだろ?
サキ「混乱してきた」
深呼吸を1つ。さらに、もう1つ深呼吸・・・。
それを落ち着くまで繰り返す。
サキ「ふぅぅぅぅ・・・大事な事をもう1度振り返ろう」
サキ「コレは『ホワイトボックス争奪戦』の3日目」
サキ「第3ステージ『トランスペアレント アニマルズ』」
サキ「動物が持っている鍵を手に入れて、キャンプ場へと向かう事」
サキ「そしてなによりも、『シールドとの競争中』っていう事」
サキ「この森にいる動物はそこまで重要じゃない」
サキ「とにかく、全部殺す。透明の動物は1匹じゃない、何匹もいる」
サキ「森へと向かわせる様に、枝の先端を加工したヤリを投げて来てるのも動物のハズだから」
サキ「全部殺して、鍵を探す・・・簡単な手順を踏めば良い」
サキ「このVの旗が刻まれている場所は『安置』、だから私が『ここで殺される事はない』、『死んでしまう事も無い』」
昨日から用意していたモノを使おう。
サキ「ようやく、コイツの出番がきたね」
リュックを下ろして、ジッパーを開ける。
中から2リットル入れられるペットポトルを取り出す。中に入っている液体は透明。
キャップを外して、サキは立ち上がる。
サキ「よし・・・行くか!」
先ほどサキ目掛けて放ってきたヤリに、液体を流しながら、走り出す!
またも、後方と左右からヤリを無数に投げられる!だが、無視して走る!
森へ入る直前に、待ち伏せしているヤリを見つける。
だからサキは『森へ入らず』、『木に向かってその液体をぶっかける』。
円形のステージなので、サキはぐるっっと1周するように旋回し始める。
ヤリはそんなサキを目掛けて、どんどん投げ込まれる。
直線で移動している時は避ける事ができていたが、ぐるっと回りながら避けるとなると話は別になる。
左右と、後方から投げ込まれる所へと向かって移動する事になるからだ。
だからサキに突き刺さるのは自然の結果だった。
ザクっ!ザクザクザク・・・最初の死と違って。何本も、何本も・・・サキを貫いた。
・・・
サキ「ハッ!」
跳ね起きる!
また死んだ。でも、まぁ、2回目は仕方ない。死ぬ事込みの行動だったから。
サキ「はぁ・・・はぁ・・・。でも、コレで完璧に勝てる!」
サキの顔は勝利を確信していた。
サキ「休憩は、今からゆっくり出来るからねっと・・・」
そう言って、またリュックに手を突っ込んで、あるモノを取り出す。
サキ「コレで終わりっと・・・」
ソレをカチッっと点火させる。ソレとはチャッカマンだった。
なんとなく予想できただろうか?さっき、死ぬ事前提で撒いた液体・・・ソレは『灯油』。
サキの行動は、あまりにも大胆な行動だった。
絵本の中やフィックションの世界じゃない限り絶対にしてはいけない行動だろう。
透明の動物どころか、森自体を焼き尽くすなんて・・・。
ボッ・・・!
トランスペアレント アニマルズ戦 敵の正体を知らず サキの勝利
サトミ「みじかっ!って思った貴方・・・わたくしもそう思いますわ」
サトミ「むしろステージ2が長すぎたんですわよ」
サトミ「明日はわたくしの番ですわ。サキと同じで2話で終わりますの、気楽にいらしてね」




