サキの『夢』
サキが皆の元から去り、向かった先はシールドの所だった。
場所が少し離れた所にあった為、シールドが変な動きをしているなと思ったが。
近くにいくと、その動きがトレーニングの懸垂である事が分かった。
鉄棒を掴む両手は離れておらず、ほとんど、くっついていた。
ゆっくりと体を引き上げ、停止。そしてゆっくり下ろす。
そして、手を離して地に足をつけた。
シールド「ふぅ・・・ふぅ・・・ん?来たんだ」
深呼吸しながらサキを手招きする。
シールドと焚火を囲み座る。
シールド「今日は・・・どうしたの?」
サキ「・・・また色々聞きたくて」
シールド「いいけどー、ほとんど教えたしなー」
サキ「いや、ねぇ教えてよ、今の」
シールド「今のって懸垂?トレーニングの事?」
サキ「違う、いや、そうなんだけど、えっと・・・なんでトレーニングしてるの?」
サキは何かを掴もうとしていた、シールドからは全てを吸収したかった。
昨日、少ししか話をしていないが、あまりにも濃い内容だった。
そのおかげで、サキは今日、ここまで行動できたのだ。
『今を生きる為に妄想を出来るだけしない事』
『何もしなくて良い時間は最高の時間』
だけど、まだ足りない。大事な何かがまだある。
そう思っている。その答えを見つけられるかもしれない。
シールド「良いねぇ、良い質問だねぇ」
シールド「簡単だよ、トレーニングをすれば『健康』と『肉体的強さ』、そして『夢』を手に入れられるからだよ」
シールド「まぁ『肉体的強さ』は副次的なものとして考えてるけどね」
シールド「やっぱり大事なのは、『運動』を行わないと『衰えていく』ばっかりだからだね」
シールド「それに対し定期的なトレーニングさえしていれば『強く』なるんだよね」
シールド「肉体は『年齢と共に右肩下がり』だけど『右肩上がり』にできるのがトレーニングなんだよ」
だから私はトレーニングを続けてるの。
サキ「トレーニングは・・・しんどい」
正直にそう言った。
『運動』が大事なのは誰でも知ってる、だけど、続けられないのも正直な所だ。
シールド「分かるよ、私もそうだった」
シールド「超簡単にトレーニングを続けるコツを教えてあげる」
シールド「まずは、スクワット、腕立て、懸垂、ブリッジ。の4種類に分ける・・・」
シールド「のは中級者で良いか」
シールド「初心者は、毎日1分だけ、鍛えたい部位を決めてトレーニングすると良いよ」
シールド「1分だよ?それ以上はやってはいけない。そう決めるんだ」
シールド「そうしたら気持ちが楽になるからね」
シールド「それを1か月続ける。カレンダーをめくるか、日にちを記録しているなら31日目になる日に10秒づつ増やしていくんだ」。
シールド「それを3分を限度にすると、それだけで『以外と結果は出る』んだよ」
シールド「3分以上はやらない、2分以上はやらないとか、自分の中で『許容限界』を見つけてほしい」
シールド「私の精神的『許容限界』は3分だっただけ。それ以上できる人はランニングとか入れれば気持ちいいかも?」
シールド「この『以外と結果が出る』って所が重要なんだ
シールド「信じられないでしょ?コレは真実なんだよ、私を信じてほしい」
そこから、深く聞いていくと。
トレーニングを『毎日』すると、野性的なサバイバル気分を味わえるらしい。
何故か?家でゴロゴロしていようと、仕事をしていようと。小説を読んでいようと。
マスタベーションしていようと。アニメを見ていようと、ゲームしていようと。・・・何をしていようと。
トレーニングさえしていれば、『次のトレーニング』の為の『インターバル』になるからだ。
漫画化や、小説家が、『旅行』や『他の趣味』が『アイデアの捻出』の為に必要な様に。
トレーニングは『理想の体を手に入れる』事を『目指しながら』。
仕事や学校、という『強制される時間』さえ、『インターバル』へと変換される。
シールド「勘違いしないで欲しい、1分だから簡単?それはやった事の無い人の意見だよ」
シールド「実際、本気で1分のトレーニングをしたら、汗が噴き出て、疲れ果てると思うよ」
シールド「長い事やってる私が言うんだ、間違いない」
シールド「トレーニングの1番辛い所は、自分の『弱さ』に向き合う事になるんだ」
シールド「抽象的な事じゃない、本当に『自分の無力さを自分で証明する事』になるんだ」
シールド「1か月やっても、同じくらい疲れたり。回数が増えなかったり」
シールド「痩せなかったり、筋肉が思った持った以上に付かなかったり」
シールド「『成長』の過程が見えない時間に・・・今日の第2ステージ『迷宮ピラミッド』の中にいるみたいに感じるの」
シールド「これで良いのか?って、この『方法』で良いのか?って」
シールド「『正しい事』と分かってても・・・心の弱さ、肉体的弱さを・・・『証明し続ける事』になる」
だから。
サバイバルしている自分を誇って欲しい。
シールド「私には『夢』がある。片腕で、腕立てと、懸垂ができるように成り。片足でスクワットできるように成る事」
シールド「もし、私の夢を追いかける場合は『1分とかの秒数ではなく』、『種目の回数や質』に注目する必要があるの・・・えっと説明、聞く?」
サキ「そんなの出来るの?」
シールド「無理かも。でも・・・『目指す事』は出来るよ」
教えようか?うん、教えて。
サキは『今日やらなくちゃいけない事』、『夢』を手に入れた。




