小休憩
コウタに運転を任せつつ、大人達が進んでいる方向にボートを進ませていた。
トキノ「コウタ、ほらコレ、こんぶおにぎりだって、あーん」
コウタ「俺こんぶ大好き、あーん・・・んー美味い!ありがとトキノ」
トキノ「運転してくれてるんだもん、当然でしょー、ふふふ」
シゲ「そうだぞ、コウタほらあーん」
コウタ「おいっ、シゲやめろ!野郎からのあーんなんていらねーよ」
シゲ「そういうなよー、ほら、あーん
」
コウタ「おい、ん、んんっ!・・・ゴホッゴホッ、お前これお茶じゃねーか」
トキノ「あっははははは」
3人が楽しそうにしている中、残りの3人は今の状況をより深く理解しようとしていた。
バックに入っていた双眼鏡を片手に、おにぎりを食べながら覗いているサトミ。
砂をすくいあげ、水をたらしてしているオウタ。
二つ折にできる、ぱかぱか携帯で誰かに電話しているサキ。
サキ「やっぱり・・・ここは何かおかしい・・・え、『絵本』の中って、言われても、納得・・・かも」
サトミ「わたくしもそう思いますわ、本当の所は、膨大なお金を使って仮想空間とか、VR技術とかでごまかされてるんじゃないかしらと思っていたのですけど」
オウタ「ここは、多分、いやマジで絵本の中かもしれないな」
サキ「携帯なんだけど・・・何故か電波が入ってる・・・警察に電話したら確かに繋がってるの・・・でも向こうから声が聞こえてない」
サトミ「スーツの男を観察してましたの、アイツがAIなら同じ様な動きしかしないハズ、でも汗もかく、拭く、食料も食べる、水も飲む、運転も地形によってふらふらしてますわ」
オウタ「なぁコレを見ろ」
そういって拳を二人に見せると、ゆっくりと開いた。そこには。
サキ「・・・草?」
サトミ「・・・苗ですわね?」
オウタ「いいか?よく見とけ?」
オウタは飲み物を手に取り、水を苗にかけた。そうすると・
サキ「・・・ハハッ、にょきにょき成長してる」
と、可笑しそうに笑う。
サトミ「この苗は?どこにありましたの?」
オウタ「この砂漠の砂に水をあげただけだ」
サトミ「ありえませんわ、砂が苗になったですって?」
そう言って、サトミが、砂に手を伸ばしすくいとる。
サトミ「水!」
オウタがその砂に水をかけると、にょきっと苗が出てくる。
サトミ「・・・ありえませんわ・・・砂が苗になるなんて」
オウタ「水を飲んでた時、ちょっとこぼしちまったんだ、そんときなんか緑色が見えたんだけどボートは走ってるからさ、見逃したんだけど」
サトミ「実際に砂をすくって水をかけたって事ね」
オウタ「あぁ」
サキ「・・・わかった、おっけい・・・ここは『絵本』の中だよ・・・認める」
とボソッっと言った
次回から、ゴーレム討伐が始まります。
大人達を含む10人分の能力紹介がありますので、よろしくお願いします。




