表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/73

巨体vs巨体

コウタがトキノから地図をもらい先導していく。



既に地図の半分を進んでいる事になっているが。なんの変化もないので、またも緊張感は無くなっていた。



トキノ「全然、変わり映えしないねぇ、ねぇねぇ『ホワイトボックス争奪戦』どうする?」


シゲ「ん?どうするって?ちゃんと参加するかって意味?」


コウタ「17時まで待機してリタイアする方に変更するか?」



トキノ「そうじゃなくてさ、この『異常』な状況をさ帰ったらSNSに投稿する?って話だよ」


シゲ「俺はてっきり、動画にして全部ネタにするかと思ってた」


コウタ「信じてもらえないだろうからな、くっくく。投稿してもバカにされるだけだろうな」



本当の事だったとしても証明できなきゃ意味ないし。証明できたとしても、だから何?って感じだろう。


SNSで拡散したら、みんなにも『ホワイトボックス争奪戦』の参加の権利が与えられるなら話は変わるだろうが。



トキノ「やっぱそうだよね。動画とか写真とかいっぱい撮ってるけど、無駄になっちゃうかも」


シゲ「加工して、なんか面白おかしくしたらどうだ?」


コウタ「んー、エイプリルフールの時のネタくらいにしかならないかもなー」



トキノ「エイプリルフールかぁ、なるほどね。『ホワイトボックス』さえ手に入れば。もしかしたら信じて貰えるかもしれないけど」


シゲ「『ホワイトボックス』ねぇ」


コウタ「おい、向こうから何か聞こえるぞ」


思ってた以上に何もなかった。だから緊張感をなくしていたが。コウタのその発言に2人もピリつく事になる。


シゲ「ちょっと端に寄れ、見えない」




シゲがコウタの隣へ行き、トキノはコウタの体の大きさのせいで先が見えない、ただただ息を潜める。


3人は自然と黙って静観した、だから通路の向こうから、ズチャ・・・ズチャ・・・と足音が聞こえ、2人はソレを見た。



巨体、脳みそをむきだしにした頭、血管なのか細いチューブなのか分からないが、皮を全て剥いだ全身に張り付いているいるように見えた。


サキがプローテと名付けた敵だった。




コウタ「敵は大人達だけじゃないみたいだな」


シゲ「どけ、俺の能力で穴だらけにしてやる」


トキノ「なに?なにがいるの?」



シゲは着弾した時、穴を空ける事ができる銃を創った。リボルバー銃を想像してもらえば良い(Ⅿ629の8インチに似ている)。


プローテは動きを止める事なく、規則的に歩いてくる。ズチャ・・・ズチャ・・・と。



コウタ「トキノ、こっちに、アレだ敵は大人達以外にもいたんだ」


コウタの巨体と同じくらいの大きさの気持ち悪い敵を見て、驚いたトキノ。


トキノ「うわ・・・きもちわるい!」



シゲが撃った。バァッン!バァッン!2発の銃弾がプローテの方に向かっていく。



巨体の手が動いた様に見えた。3人はなんとなくわかる、巨体に穴が空いていないという結果を。


なんとなく?何故?トキノは驚きながらも目を離さなかったし。コウタも一緒に見ていた。


シゲは撃った張本人。なのに、なんとなく動いたように見えた。



プローテは音が鳴った瞬間、高速で、自分の方に向かってくる銃弾を・・・つまんでいた。左手の指で1発。右手の指で1発。


その動作は3人には目視できなかったから、『なんとなく』という表現になったいたのだ。




シゲ「銃弾を受け止められる程、反射神経が良いヤツって事かよ」


コウタもトキノも、なにも言えなかった。


シゲ「ならコレでどうだ!」


シゲは別のなにかを創ろうとした・・・そう創ろうとしたが、それが叶う事はなかった。



シゲが急に、膝をつき、後ろに倒れたからだ。


コウタ「??」


トキノ「??」


バタッ・・・。バァァン!バァァン!。



銃声の音は、シゲが倒れた後に聞こえた。


プローテの方から聞こえた銃声。2人は自然とプローテを見た。


プローテの姿勢から2人は、止めた銃弾を、ビーダマやおはじきを弾くように、シゲに向かって飛ばしたと理解した。



コウタ(ーーー)


コウタの体は勝手に動いた。シゲが死んで、自分が敵を倒さないといけないと。脳が理解していた。



走り出し、トキノを守るような斜線でプローテの方へ走りだす。シゲと同じ殺され方を防ぐ為に。



いつのまにか、【コウタの瞳の文字が『不幸』】に変わっていた。



巨体vs巨体の構図。20センチ程コウタが低いが、それでも大きさ的には十分だった。


バシッ!バシッ!・・・お互いがパンチしていて、お互いが受け止めていた。



ズチャ・・・。ザッ・・・。お互いが全力でパンチを繰り出すため、足を地面にめりこませる。




トキノ「し、シゲ!」


ちらりと、シゲを見るが、バンッ!バンッ!と凄い音を鳴らしながら、戦うコウタに目が吸い込まれる。




トキノの動体視力では、コウタとプローテの拳と拳の殴り合いをちゃんと見る事はできなかったが、


バシッ!バシッ!っと鳴る音と、残像の様に、複数見える腕だけが見えていた。



お互いに拳に体重を乗せる為だろう、上半身を前へ倒し、相手を前に押し込むパンチを放つ。だがどちらも後ろに体制を崩す事は無かった。



その殴り合いは均衡を保っているように見えて、長く続く様に思われたが。開始から、わずか15秒後コウタのバックステップにより戦闘は終わる。




トキノ「・・・終わったの?」


コウタ「・・・やったか?」



コウタ(どうだ?コレで終わったハズ、この巨体も動かなくなったし、成功したよな?)



トキノ「コウタ?」


コウタ「多分・・・終わった」


まだ確信を持てないのかプローテの方を向いたままだ。



そう言っている間に、プローテは目や口から血を流し始め、バタッ・・・っと前へと倒れたのだった。



コウタ「よしっ」


ガッツポーズするコウタ。


トキノ「お、おー?なんで?えっと、よしっ?」


頭に?を浮かべながら、とりあえずガッツポーズをしたトキノだった。



プローテvsコウタ コウタの勝利 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ