シゲの回想(本編にあまり関わらない為、再生不要)
小学生の頃、友達とよくサバゲーで遊んでいた。
都会には近いものの、田舎に住んでいた俺達は山で本格的な恰好をして撃ち合っていた。
その動きは子供ながらも、大人達と大差ないくらい本格的だった。
友達の中でも俺はモデルガンにまで手を出すくらい銃に魅了されていった。
「BB弾が出ないのに、高いモデルガンを買うなんてよっぽどだな」と言われたくらいだ。
といっても、値段も高いので1つしか買って貰えなかったが。
中学になると、何故か遊びの対象が変わってきていた。皆もサバゲーなんて時代遅れだぜと言わんばかりに。
友達に「まだエアガンとか集めてんの?」と言うもんだから。
何故だろう?何故か「いや、集めてねぇよ」と言ってしまった。
なんとなく、そう言わないといけない雰囲気・・・。
コレが多感な時期、思春期っていうヤツだと思うが、当時の自分では制御できないくらい複雑な気分だった。
それでも俺は皆と違い『銃』のカッコよさに魅了されているので。
少しでも、関わっていたかった。それが生きがいでもあった。
『銃に詳しい知識』が友達よりあったので、友達にも言い訳できる文句を用意し。
モデルガン等を取り扱っているお店でバイトをする事にした。
みんな、最近の流行りや恋愛の話題で持ち切りだが、俺はバイトに夢中だった。
適当にみんなに合わせ、そして趣味に没頭する、そんな生活をしていた。
高校受験をどうしようか・・・将来なにを目指そうか、自衛官にでもなろうかなぁ。
そんな事を考える時期になっていた。この3年間で、周りに合わせる事が苦手だと思うようになっていた、そんな俺が自衛官っていけるのか?
『銃』が好き?それで飯を食っていける職業ってなんだよ。
志望校の欄が空白になっている紙を片手に下校していると。
大人の女性「あなた、3年生?」
と、声をかけられた。この辺じゃ見ない顔だ観光客だろうか?
胸ポケットにある紫色のチューリップが顔を覗かせている。
茎の部分がやけにトゲトゲしているチューリップだった。
シゲ「はい、そうですけど?」
大人の女性「来年から開校されるフラット高校に来ない?」
その質問に断る理由が無かった。
そこから先はトントン拍子に話が進んだ。実家を出て、寮生活に移った。
荷物が多いのは嫌だったので、沢山あるエアガンより、モデルガンを1丁だけ持って来た。
・・・
新しい高校生活が始まる。やっぱり少しだけワクワクした。
友達もできた。ただ趣味が『ミリタリー系』だという事を伏せてしまっていた。
中学の時の思い出が、今の交友関係に影響を及ぼしている。これは仕方ない事なのかもしれない。
オウタ「君がシゲ?」
教室に向かっていると、唐突に話しかけられた。
シゲ「そうだけど?」
オウタ「ボードゲーム部に入らないか?部員を募集中なんだ」
シゲ「ボードゲーム?興味ないな」
オウタ「あー」と苦笑する
オウタ「まぁそう言わずにさ、見学だけでもしてってよ、あー、いつでも良いからさ」
オウタ「って言ってもまだボードゲームらしい事1個もやってないけど」
シゲ「なんだそれ」
シゲは笑った。
シゲ「気が向いた時にでも行くよ」
そう言って教室に入ろうとすると「学校内部の紹介していきまーす」
と自撮り棒で撮影しながら大声をだしている女がいた。
シゲ「え?嘘だろ?」
シゲ(モデル系チューバーの・・・ウミちゃん!?)
トキノ「まだこの学校自体が新しいからー、めちゃくちゃキレイなんだよねー、めっちゃテンション上がるー!」
言いながら、階段の踊り場から歩いて来る。
トキノ「オウター。どう?シゲって子見つかった?」
シゲはトキノに見惚れていた。
俺はネットチューバーで見ているファンの1人、友達の流行りに乗る為に見ていただけだったのに、今ではすっかりファンになってしまった。
見てたら元気がもらえる。動画で見ていた時は年上だと思っていた、身長が高めだったから。
動画で見るより・・・可愛いっ!身長は俺と変わらないくらいなのか、だから大人に見えてたんだ。
オウタ「見つけたけど、脈は無さそうだった」
そう言いながら俺を見る。
シゲ「お前、ウミちゃんの知り合いなのか!?」
オウタ「ウミちゃん?だれだ?コイツはトキノって名前だぞ?」
トキノ「おぉー?チューバー見てくれてるのぉ?」
そう言って俺の方へ近づき、顔をグッと寄せてくる。体を反り、緊張で体が固まる。
シゲ(おぉぉぉぉ!可愛いー!)
シゲ「お、おう、見てます!応援してます!」
トキノ「ありがとぉー!これからも良かったら見てってね!」
シゲ「はいっ!」
オウタ「トキノも勧誘してくれよ」
トキノ「んー?そうだねーシゲ君ボードゲーム部に入らない?」
入らない理由があると思うか?そりゃ当然入ったさ。




