表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/73

迷宮ピラミッド サキvsイヌ

穴が空いた部分から血が止まる事なく流れ続けている巨体。



ソレを壁にもたれながら眺める。


今、とても気分が良い。心が澄んでる気がする。みんなもコノ気分を味わっていたのかな?




サキ「よしっ!あんたの事は『プローテ』って名前にしよう!私が決めた!」


機能停止した巨体を指さして、そう言った。




通路より明るい部屋へ、戻る。


サキ「RQ、ごはん食べたい」


そう言うとRQが傍に現れる。


RQ「なにをご所望ですか?」


サキ「んー、じゃあパン。イチゴジャムがたっぷりのヤツ」


RQ「すぐにご用意いたします。先に額の傷の治療をさせてもらいますね」



つまずいた時に、顔に傷がついたらしい。小さな傷だが治療対象になっていた。


ナースさん達を呼ぶまでも無いらしく、RQが綺麗な布を、ぽんぽんっと傷に当てると、傷が治っていく。



終わったかと思うと、『銃』が置いてあった台座の上を指して。


RQ「あちらに、ご用意いたしました」


サキ「ふふっ」


マジックを見せられている気分になりつつ、台座の上に置かれたパンに手をつけるのだった。



・・・



床に座ってパンを食べ終えたサキに、ピロリンっと電子音が鳴る


この電子音はパカパカ携帯へのメッセージが届いた時の音だ。



サキ「んん?携帯は使い物にならないハズなのに」


電波は通っていたが、警察にも消防署にも連絡はつかなかった。



いや、多分繋がっていたけど、声が届かない感じ?・・・だったと思う。


そう思いながら、リュックから携帯を取り出す。


画面を見ると、オウタからのメッセージだった。



オウタ「1人で出発したって聞いたけど大丈夫か?サキは能力無いし、危ないぞ?俺達と一緒に行動しないか?メッセ届いてるなら返事くれ」


サキ(オウタ・・・ありがとう、でも)


サキ「大丈夫だよ、私、1人で頑張りたい。銃も手に入れたし心配しないで」


サキ「お互い、頑張ろうね」


そうメッセージを返した。




サキ「よしっ!休憩終わりっ」


携帯をリュックにしまい、立ち上がる。



この部屋が通路より明るいのは、四隅にあるライトが中央にある台座に向かって照らしているからだった。



台座の上には銃の他に、地図とコンパスが置いてあった。



RQに頼んで、銃を腰に付けられるホルスターを貰い。地図を確認する。現在地が赤い点で記されており、出口に向かってラインが伸びていた。




サキ(地図アプリみたいで便利だな)



・・・



地図通り進んで2時間たった。


サキ「ほんとに何もないなぁ」


銃を手に入れた事から、もっと戦闘があるかと思っていたが、敵も障害もない。



強いて言うなら地図どうり進むと、ゴールまでかなり『迂回』している事くらいか。


ラインを無視して、ゴールまで一直線に進むと既にゴールしていたかもしれない。



サキ「んー、なにも無いしルート無視してみる?」


ライン通り進む事が大事だと思っていたけど、ここまで何も無いと『迂回』している意味ないんじゃないかな?




そう独り言を言った時。遠くからカチ・・・カチ・・・と音が聞こえる事に気づく。




サキ「やっと、なにか始まるみたいだね」


カチ・・・カチ・・・。固い何かをぶつけ合ってるような音が二重にさらに不規則に聞こえる。



サキは歩みを進める・・・近づく音。そして通路の角から何かが現れる。


警戒して立ち止る。小さい何かが迫ってくる。




サキ「2体だ・・・アレは犬?」


ソレはチワワだった。ただし機械の犬。


家で飼われるタイプの生きた犬じゃなくて、人に造られるタイプの犬。


チワワの様な小型犬、機械だし可愛いけど。




サキ「どうせ敵でしょ?先手必勝」


そう言って銃を構えて1体に向かって撃った、バン!バン!



弾丸が犬の方に向かう。ワンワンッ!と電子音が流れた。


口も動いたが精密さとは程遠い、だれもが電子音だと分かる不協和音。


着弾するかと思われたその時。ワンワンッ!っと口を大きく開け弾丸が吸い込まれる!




サキ「え!?今食べたっ!?」




ワンッワンッワンッ、という電子音が流れる中ガリッガリッっと弾丸を咀嚼していた。


サキ「それに、大きさが変わってる!?」



弾丸を食べて、大きくなっている様な・・・いや、大きくなってる!


サキ「もう1匹と比べたら、やっぱり大きくなってる」



大きくなった方は今、ダックスフンドになっていた。


サキ「なるほど、弾丸を食べると成長していくタイプ・・・」



相手の攻撃を吸収して強くなるタイプの敵、アニメで沢山見てきたよ。


銃の弾丸を直接、体に当てて『穴』を空ける、その作戦しかない。


いろんなアニメを見てきたサキにとって、この局面の攻略法はすぐに理解した。




ワンワンワンワン!


弾丸を喰い終わった1体と、チワワ状態の1体がサキの方へダッシュしてきた。


正面からの戦いに勝ち目はない、まずは・・・逃げる!




サキは背を向けダッシュした、犬からの逃走に成功する?普通に考えて無理だ。


サキは運動が得意ではないのに対し、動物は逆に狩りの為の足を持っているのだから。それが人工物だとしたら余計だろう。




だから1度角を曲がり、角で張り付きながら隠れる。犬が来るまで待機する。


ワンワンワンワンと近づいてきて、1体が角へと辿りついた時の、不意打ちを狙う。



右手を伸ばしながらダックスフンドを抱くように捕まえようとする・・・その作戦は上手くいった様に思えた。



グルルルっと電子音が鳴った瞬間、右腕前腕部に犬がもの凄い速さで噛みついてくる。


ブシュっと血が出る。鉄の刃が食い込んで貫かれる感覚ってこんな感じなんだ。と脳に記憶される。



サキ「!?」


サキ(完璧に不意打ちが決まったと思ったのに!でも関係ない!)




ドバッっと前腕から血が噴き出るが左手で持っていた銃を犬の腹に当て、バンッ!




1発撃ち込んだ。キャウン・・・っと電子音が鳴ると。嚙みついたまま動かなくなった。


サキ(よしっ!って、え?)



ドバッ!っと血が噴き出た・・・右腕からではない・・・痛みは無いが噛まれた感覚は当然ある。



その感覚は左腕前腕だった。そう、銃を持っている方の腕。


チワワ犬1体が噛みついて来ていた。その瞬間、サキの敗北は決まった。




サキ(両腕が使えないなら・・・辿る未来は決まってるよね)


サキ(2体目が来る事は分かっていた。なんとかできると、なんとかすると思っていたけど・・・)


サキ(思った通りいかなかったね)


犬は左前腕を食した後、首に嚙みついたのだった。ガブッ!くちゃ、くちゃ・・・。




・・・




?時間後


サキ「ハッ!」と意識を取り戻した。




状況を確認を急ぐ。目の前にいる、巨大な犬。サキの死体の残りカス、最後に左足をペロリと食した。


クゥゥゥウンと、美味しそうな声が出しながらも、くちゃくちゃと食べる。




もうダックスフンドとか小型犬じゃなかった。高さだけで2メートルはある、サキよりも大きい生物・・・。


サキは実物を見た事は無いがアニメではよく出てくる動物・・・狼だった。


サキ(いやいや、実際は高さ2メートルの狼なんていないって)



狼の見た目も機械・・・カチカチと噛みながら、ボタボタと血が口から溢れている。



サキは銃を構えたが、機械の狼にとって銃弾はただの餌。


もうすぐ食事が終わる事も目に見えている。さっきみたいに1度逃走するにも、通路が長すぎる・・・。



サキ(落ち着け、落ち着け私・・・)


ここを切り抜けないと、喰われ続ける地獄が始まるのだ。




サキ「スー、ハー、スーハー」


サキは深呼吸した。


狼も食事が終わり、次の餌、サキに目を向け、口も開けず、アオォォォン!っと電子音が鳴った。


そして少しの沈黙。



狼「・・・」

サキ「・・・」



ガチャン!っと口を大きく開け、サキに飛び掛かる。


サキも狼に、右腕で顔に向かって、殴りかかるように向かう。


口の中に右腕を突っ込む!でかくなっている分、口も大きい。


ガブッ!サキの肩までかぶりついた。ぶちゃぁ。


サキ「良かった。ソレ以上いってたら、本当に永遠に逝く所だったよ」




痛みはない、だからこそ、冷静にその言葉を言えた。


左手に持っている銃をアゴ下に当てた。


バンッ!


アゴ下から頭にかけて穴が空く。




キャウン・・・。と電子音が鳴りながら狼は床に倒れる、ガチャン・・・。


サキは噛まれた腕が自由になるがm皮1枚繋がっているだけの状態。緊張から解放され、体制を崩し地面に倒れた。びちゃ・・・。



サキvs犬 サキの勝利!



・・・

『勝者に栄光を、敗者に成長を』


30分後。


右腕を医者に治療してもらい。死体という表現が正しいか、分からないが狼の死体の方へ向かう。



治療している最中に狼の前足の1部から何かが落ちた音が聞こえた。


サキ(なんか落ちた音聞こえたけど・・・)


探していると、プラスドライバーを見つけた。


サキ(ドライバー?)



狼の機械を観察したが、外側はドコもつるっとしている。ドライバーを使って外したり、逆になにか付けられる用な部分は見当たらない。



サキ(んー?ま、いっか、先に進もう)


立ち上がり、地図を確認する。


サキ(あっ)っと何かに気づくサキ。


サキ(この狼を観察したなら、最初に倒したプローテも確認しないといけないんじゃ?)


第2ステージ最初の敵、プローテの存在を思いつく。


サキ(えぇぇぇ!?嫌だなぁ、ここまで来るのも時間かかったんだよ?嫌だなぁ)


サキ(でも、なんとなく第六感が1度戻った方が良いって言ってるんだよね・・・)


嫌な顔をしながらもサキは1度戻る事に決めたようだ。最後に信じたのは直感だった。



ーーー



だが、サキの第六感は正しかったようだ。2時間を犠牲にする価値が確かにあった。


プローテの足にプラスドライバーを使える部分があったので使用した。


そして出て来たのが。銃に付ける事ができる『スコープ』を付ける為の道具だった。



サキ「スコープ!やった、コレで遠距離から楽に戦える!」


サキは喜び。ワクワクしながら銃にスコープを付けるのだった。



その後に出てくる最後の敵は『スコープ』の装備のおかげで楽に勝ち。


第2キャンプへと辿り着くのだった。




第2ステージ、サキクリア!

RQ「次回はオウタさん達がステージ2へと挑戦する回です」


RQ「戦う敵はプローテとイヌ、そして最後に現れる謎の敵に対して『能力』を持っている彼らはどう戦うのでしょうね?」



RQ「あーあと。ログインしていなくても感想を書けるように設定いたしましたので、好きなキャラや嫌いなキャラ等教えてもらえると嬉しいです」


RQ「では明日、またお会いしましょう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ