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オウタ キャンプ1日目

俺はトキノ達と共に食事の用意をしていた。




シゲ「キャンプと言えばさ、キャンプファイアーだろ」


と言い出したので、RQに木を用意してもらい俺とサキ2人で、組んだ事のない木をソレっぽく縦横に交互に組んでいく。




オウタ「まぁこの組み方しか知らないし、コレで良いだろ」


サキ「うん・・・私もコレしか、しらない」


バランスをとるのが難しかったが、2人は時間をかけて、サキの身長と同じくらい高く組むことができた。




いつのまにか夕方になっていた、もう少しで日が落ちて暗くなる時間だ。



サキ「私も・・・温泉行ってみたい」


ボソっとサキが呟いたのをオウタは聞き逃さなかった。


オウタ「準備も一通り終わったし、サキ、温泉入ってきたらどうだ?トキノ達は・・・まだ、わいわいやってるし」


トキノ達を見て呆れながら言った。



サキ「いいの?」


オウタ「あぁ、大丈夫だぞ、サキが入り終わったら、キャンプファイアーだ」


サキ「・・・ありがとう、じゃあ行ってくる」




サキは礼を言うと、RQを呼び。温泉がある場所のコンパスを受け取ると、その足で温泉へと向かって行った。




オウタ「お嬢は・・・結構長風呂なんだな」


トキノ達の所に行こうとしたが、3人で居る方が楽しそうなので、やめた。




噴水のそばにある長椅子に座り、俺は今日の出来事を振り返ってみた。




目覚めたら砂漠、『ホワイトボックス争奪戦』への参加。『才能』の開花による『能力』。ゴーレムの討伐、『第1ステージの意味』。




はぁ、疲れた、意味不明な事が多すぎる。俺は頭を使うタイプじゃないんだよな。




あぁ、もう少しで完全に日が落ちる。夜か・・・。


なんとなくスマホを取り出し、義母さんあてに電話する。



オウタ「サキは電話しても意味ないって言ってからな、繋がらないんだろうなぁ」


プルルルル・・・プツッ


義母さん「もしもし?」


オウタ「えっ?・・・つながった!?」



義母さん「もしもし・・・ん?繋がった事に驚いてる?んー、なるほどなるほど、当ててあげる!」


義母さん「こういうの私めっちゃ得意よー?」


オウタ「いやいや、さすがに今回は当てられないと思うぜ?」


義母さん「ふっふっふ、今の時間は4時を少し回った所なのにオウタは母さんに電話してきた」


義母さん「これは緊急事態が発生している事を意味している・・・でも『繋がった』って言った時少し余裕があったように聞こえるからー」


義母さん「ふふふ、分かったわよ、オウタは今『現実世界ではないどこか』にいるわね?」


義母さん「だから電波が入っていないのに、母さんが出たから驚いているのね?」


義母さん「あら?なるほどぉ!電波が入っていないのに、母さんに電話したって事は『なにか気になる事があるけど分からない』」




そして沈黙が訪れる、まだ何か考えている様子だが。




いやいや、よくそこまで予想できるな!さらに9割くらい当ててるし!



オウタ「ふっふっふ、ギブアップか?義母さん」


義母さん「ごめんごめん、今、完全に理解したわよ」


義母さん「あなた今、『ホワイトボックス争奪戦』に参加しているのね?」


オウタ「・・・え?・・・」



嘘だろ?ドンピシャじゃないか!



オウタ「えぇぇ!なんでわかったんだ?・・・もしかして、義母さんも『参加者』だったの?」


だから昔、絵本を読んでくれたのか?


義母さん「いえ、母さんは『別のゲーム』だったわ、だからオウタ、貴方にアドバイスできる事もあるハズよ、状況を説明してみて?」



『別のゲーム』?


まぁいいや、義母さんとの会話はいつも展開が早い。だけど、今回だけは信じてもらえないと思っていた。


でも好都合だ、この状況を義母さんに説明してみよう。



目覚めた時から、電話をかける所まで。覚えている限りの事を話をした。


信じられないような話なのに、黙って聞いてくれた義母さん。



昔からそうだった、義母さんと話しをしていると全てが、とんとん拍子に進む。


まるで『全ての出来事が義母さんの手の平の上』であるかのように。




俺の人生も・・・もしかしたら・・・。




義母さん「なるほど、『ホワイトボックス争奪戦』と『ホワイトボックスの中身』」


義母さん「オウタが死ぬかもしれないって思ったけれど、1時間の治療の後、生き返るなら大丈夫ね」



オウタ「いやいや、死んじまうんだからそこは心配してくれよ」


オウタ「ま、いいや義母さん『第1ステージの意味』分かる?」



義母さん「既に答えは出ているわ、良い?順番に言うわよ?」


義母さん「まず、ゴーレムを倒すのにオウタ達は必要ないって事よ」


義母さん「大人達だけで十分・・・いえ十二分に倒せてたのよ」


義母さん「なのに貴方達と一緒に倒した・・・」


義母さん「その理由は1つ、シゲくんとトキノちゃんの能力だけ『底が知れなかった』からよ」


オウタ「底が知れない?」




義母さん「オウタとサトミちゃんは単純明快な能力だけど」


義母さん「シゲくんとトキノちゃんは『使い方次第でどこまでも応用が利く』」


義母さん「だから、そこにいる大人達は『今の段階でどこまで能力を使えるか』」


義母さん「それを見たかったのよ」


義母さん「だから『第1ステージの意味』は『能力の観察』よ」



オウタ「使い方次第で応用が利く・・・」



義母さん「オウタ、大事な事よ?よく聞きなさい」


義母さん「母さんは『運命』を信じているわ、『大きな流れは確実に存在しているの』」


義母さん「流れを見逃さない様にしなさい?それがソッチの世界で生きていく為の必要な感覚よ」



よく分からない、なんで?運命?大きな流れ?



ソッチの世界・・・義母さんはなんで、こんなにも。



オウタ「義母さんはなんで、そんなに確信を持って言えるんだ?」


オウタ「まるで、見てきたみたいだ」


義母さん「最後のボマーくんの爆発」



オウタ「あっおう、シゲがトキノを乗せて来た時の?」


義母さん「そう、それ、話を聞いただけで分かるわ、ボマーくんはいつ、その爆弾を仕掛けたと思う?」



使い方次第でどこまでも応用が利く・・・。


ボマーは、自分の手の上に爆弾を創造していた。


だから勝手に思い込んでいたんだ。創造した爆弾は手の上に出来ると。



本当は『好きな場所に爆弾を仕掛けられる』という事を。オウタは知った。



義母さん「オウタ、『ホワイトボックスの中身』についてよく考えなさい?」


義母さん「私は『ソレ』を手に入れる事が出来なかった・・・その為の『ゲーム』って事を今知ったくらいだからね」



オウタ「・・・」


オウタ「義母さんが『手に入れられなかったモノ』」


オウタ(もし、手に入れる事ができたら、義母さんから・・・)


結構な長話だったが、ここでオウタを呼ぶ声があった。




トキノ「オウター!そろそろ始めよーよー!」


オウタ「ごめん、義母さん、そろそろ切るよ」


義母さん「はーい」



パタン!

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